「止まらない出血と強い腹痛」体外受精後の流産から5週間後、救急搬送され緊急手術に【医師解説あり】

「止まらない出血と強い腹痛」体外受精後の流産から5週間後、救急搬送され緊急手術に【医師解説あり】

6月25日(木) 8:25

不妊治療の末に流産となり、出血が続くのは仕方のないものだと思っていました。ですがその認識は、ある日突然起きた体の異変によって大きく変わることになりました。【医師解説あり】 流産後の出血と違和感 不妊治療を約2年続け、3回目の体外受精で2つの受精卵を移植しました。血液検査で妊娠が確認され、その後の診察で胎嚢も1つ見つかりましたが、心拍確認前に出血と痛みがあり、受診の結果は流産でした。 その後も出血はなかなか止まらず、病院へ電話で相談すると 「流産後は出血が長引くこともあり、そのまま生理になる場合もある」 と説明を受け、その言葉を信じて様子を見る日々が続きました。 突然の腹痛と異常の判明 流産と診断されてから5週間後の朝、これまでに 経験したことのない強い腹痛 に襲われました。仕事の予定があったため痛み止めを服用して出勤しましたが、昼ごろには冷や汗が出て立っていられなくなり、自力で動くことが難しくなりました。両親に迎えに来てもらい、その際に初めて不妊治療のことを打ち明け、そのまま病院へ向かいました。 診察の結果、 右の卵管が破裂し腹腔内で大量出血 していることが判明し、体外受精で移植した 受精卵のうち1つが卵管に着床していた子宮外妊娠 (異所性妊娠:子宮の中ではなく卵管など子宮以外の場所に受精卵が着床してしまう状態で、進行すると出血や破裂の危険がある妊娠)だったと説明を受けました。 気付かれないまま成長し、 最終的に破裂 してしまっていたのです。 緊急手術とその後 病院で救急車を手配してもらい総合病院へ搬送され、その日のうちに 腹腔鏡による右卵管切除の緊急手術 を受けました。腹腔内には約800mlもの出血があり、状況は想像以上に深刻でした。 あまりに急な出来事で、怖さを感じる余裕もなく時間が過ぎていきましたが、術後は自分の体に起きたことを受け止めるのに精いっぱいでした。その後、保険適用で6回目となる体外受精に臨み、最終的には無事に妊娠・出産することができました。 まとめ 今回の経験を通して、体に違和感があるとき、その感覚を軽く見過ごさないことの大切さを身に染みて感じました。病院への電話相談は一つの目安になりますが、それだけで安心せず、自分の直感や体調の変化を信じて早めに対面での受診を検討することが、自分自身を守ることにつながるのだと学んだ体験でした。 医師による解説:流産後の長引く出血と受診の重要性 流産後の出血が数週間も続く場合、子宮外妊娠(異所性妊娠)を含め、何らかの異常が隠れている可能性があります。今回のように体外受精後の経過では、子宮内での妊娠や流産が確認されていても、症状が長引く場合は慎重な確認が必要です。 現在の主流は「単一胚移植」 日本産科婦人科学会では、多胎妊娠を防ぐため、生殖補助医療において移植する胚は原則として1個とする「単一胚移植」を推奨しています。そのため、現在は複数の胚を移植するケースは以前より少なくなっています。 一方で、今回の体験談のように複数の胚を移植した場合、子宮内と卵管など、異なる場所に同時に着床する「ヘテロトピック妊娠」が起こることがあります。現在ではまれなケースですが、子宮内での妊娠や流産が確認されていても、異所性妊娠が併存している可能性が完全に否定できない場合があります。日本産科婦人科学会の資料でも、生殖補助医療では移植胚数を原則として単一とする見解が示されています。 5週間も続く出血は要注意 流産後の出血は、通常は時間の経過とともに少しずつ落ち着いていきます。しかし、今回のように出血が5週間も続く、痛みが強くなる、下腹部に違和感が続くといった場合は、注意が必要です。 卵管に着床した受精卵が成長し続けると、卵管が破裂して腹腔内で大量出血を起こし、命に関わる事態になることがあります。強い腹痛、冷や汗、顔面蒼白、ふらつきなどがある場合は、我慢せず速やかに救急受診してください。異所性妊娠では、腹痛や性器出血などが症状として現れることがあり、破裂すると緊急対応が必要になる場合があります。 電話相談だけで済ませず、診察を受けて 電話相談は受診の目安を確認する手段の一つですが、流産後の出血や痛みが長引く場合は、それだけで安心せず、医療機関で診察を受けることが大切です。 超音波検査や血液検査でhCG値の推移を確認することで、異所性妊娠などの見逃しを防ぐことにつながります。特に「いつもと違う」「痛みが強い」「出血が長い」と感じる場合は、自己判断せず、早めに受診しましょう。異所性妊娠の評価では、経腟超音波検査や血中hCG定量検査などが重要とされています。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修:國見幸太郎先生(山城公園レディースクリニック 院長) 著者:野崎みゆ/40代女性・主婦 イラスト:ほや助 ※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月) 監修者:医師 山城公園レディースクリニック 院長 國見幸太郎先生 徳島市で診療する産婦人科医。日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医。更年期医療やホルモン補充療法、フェムテック領域を中心に、女性のライフステージに寄り添った診療をおこなう。予防医療の啓発や地域医療への貢献にも注力し、講演・執筆を通じて正確で実践的な医療情報の発信に取り組んでいる。 【関連記事】 「手術は成功」でも次は胸の激痛!寝たきりで搾乳できない母の絶望<第2子妊娠中に不整脈> 医師「まず、ワキを開き…」私「怖すぎ!!」ワキガ治療に潜むリスクとは<ワキガ治療で搬送された話> 「牧草の香り」白髪のヘナ染めで40代の私が驚いた独特すぎる使用感<ときめけBBA塾>

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