いつの間にか「家飲み」が習慣になり、毎日お酒を飲むのが当たり前になっているという人も少なくないのでは? お酒は昔から「百薬の長」と呼ばれ、適量なら健康に問題はないとされてきました。しかし、気が付けば若いころよりも酒量が増えているという人もいるかもしれません。心と体が揺れ動く更年期女性に合ったお酒との付き合い方とは、どんなものなのでしょうか。産婦人科医の駒形依子先生にアドバイスいただきました。
更年期はお酒の飲み方の見直しどき!?
更年期は女性ホルモンが減少することでメンタルが不安定になりやすいため、アルコールを飲むことでストレスを発散しているという人も多いのではないでしょうか。
「アルコールでストレスが発散できるなら、活用すれば良いと思います。ストレスをため込むのは、体や心に悪影響を及ぼします。
けれど、
過度な飲酒は健康リスクに影響があり、特に不安定な更年期女性にとって、良い面ばかりとは言えません。
女性は男性よりも肝臓が小さく、もともとアルコールの許容量が少なく、
アルコール性疾患が進行しやすい
ことが知られています。
また、更年期はLDLコレステロールの上昇を抑えていた女性ホルモンが減ることでLDLコレステロールが上昇しやすく、
肝機能が低下しやすい状態
です。
アルコールの良い面と悪い面を知った上で、自分でコントロールしながらお酒を楽しむのが良いのではないでしょうか」(駒形先生)
過度な飲酒のリスクとは?
自分でコントロールしながら飲むお酒は問題ないということですが、過度な飲酒は更年期女性にとってさまざまなリスクを含んでいるそうです。
太りやすくなる
「お酒は糖質が高いものが多く、また、冷やして飲むものが多いため、体を冷やして脂肪がつきやすくなります。
更年期は代謝が落ちて消費カロリーが減る時期。
キンキンに冷やした糖質の高いお酒を過度に飲むと、太りやすくなります
」。
眠りが浅くなり、疲れやすくなる
「お酒を飲むとよく眠れると聞きますが、実は逆です。お酒は興奮作用があるため脳が休まらない上、大量に飲むとお酒を分解しようと体が働きっぱなしになります。
過度な飲酒は心も体も休まりません。
眠りが浅くなり、疲れが取れず逆にストレスがたまりやすくなります」。
むくみやすくなる
「
お酒は利尿作用が高いので脱水状態になりやすくなります。
体が水分不足に陥ると、腎臓は尿の量を減らして水分をため込もうとするため、むくみが起こりやすくなるのです。
二日酔いは、アルコールによって血管が拡張し、脳がむくんだような状態になることで起きる不調。水分をとって休むと良くなるのはそのためです」
骨粗しょう症を誘発しやすくなる
「骨代謝には女性ホルモンが関係しており、更年期は骨量が減り始めるため、骨粗しょう症の予防を心がけたい時期です。
しかしお酒には利尿作用があり、
飲み過ぎると体内に吸収されたカルシウムが必要な分まで排泄されてしまう
ことがあります。
特に閉経後は骨量が急激に低下するため、注意が必要です」。
更年期のお酒の飲み方で注意することは?
過度な飲酒は更年期女性にとってさまざまなリスクがあることがわかりました。それでは、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。
お酒は適量を飲む
「厚生労働省が策定した『健康日本21』による
適切なアルコール摂取量(1日あたりの最大値)
は約20gです。
ビールなら中瓶1本、焼酎なら110ml、ワインなら
200ml
くらいです。
40代、50代は体が大きく変わる時期です。20g以上のアルコールを飲んでいる人は量を減らし、
10年、20年前と同じ量の飲酒を続けないようにしましょう
」。
糖質をチェック
「
糖質が高いお酒は肥満の原因に。
例えば梅酒は梅にお酒と砂糖を加えて作るので、糖質が高くなります。日本酒も米から作るので糖質は高め。日本酒を大量に飲んでそのまま寝落ちというパターンはかなり危険です。
糖質を気にしている人は糖質ゼロのウイスキーや焼酎がベースのハイボールやウーロンハイが良いでしょう」。
できるだけ温かいものを
「キンキンに冷えたビールや氷が大量に入ったお酒は体を冷やし、太りやすくなってしまいます。少量なら問題ありませんが、できれば
お湯割りなど温かいお酒のほうが体を冷やさない
のでおすすめです」。
まとめ
いかがでしたか? 1日の終わりの一杯は格別ですが、更年期は心身の「変化のサイン」を受け取る大切な時期でもあります。
「これまでと同じ量」を飲み続けるのではなく、今の自分の体調に耳を傾けることが、これからの健康を守る第一歩。中ジョッキをグラスに変えたり、2杯目からはお湯割りで体をいたわったりと、今の自分に合った「心地よい適量」を見つけてみてください。お酒を「ストレスの解消法」から「人生を彩るエッセンス」へとシフトして、健やかな更年期を過ごしましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/すうみ
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取材・文/岩崎みどり
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。 監修者:医師 こまがた医院院長 駒形依子 先生 東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力~女医が教える「人には聞けない不調」の治し方(KADOKAWA)』。
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