痩せたいけど運動はしたくない。そこで糖質制限をはじめ、置き換えダイエット、朝食や夕食を抜くなど、若いころにひと通りおこなったことがある方も多いのでは。しかし、極端にカロリーを減らしたり偏った栄養のとり方をしたりするダイエットは、必要な栄養素が不足して体調を崩すことも。年齢を重ねると筋肉量が低下して脂肪が燃えにくく、基礎代謝が下がって太りやすくなり、更年期の女性ホルモンの低下により骨粗しょう症のリスクが高まることもあります。
更年期のダイエットは食事を制限するのではなく、食事やサプリメントで必要な栄養素をしっかりとって健康的に痩せることが大切。そこで産婦人科医の善方裕美先生に、更年期のダイエットについて伺いました。
抗酸化作用のある栄養素で過剰な活性酸素を除去
40代以降から心配なのが体の酸化
です。呼吸によって体内に取り込まれた酸素の数%は活性酸素となり、さまざまな細菌やウイルスを撃退してくれる働きを持ちます。しかし、
過剰に発生した活性酸素は体を酸化させ、老化や肥満、さまざまな生活習慣病の原因に
なってしまいます。
私たちは元々活性酸素を除去する力(抗酸化力)を持っていますが、
更年期になると抗酸化作用のある女性ホルモンのエストロゲンが減少するので、抗酸化力は衰えてしまいます
。そのため、更年期世代は意識して抗酸化栄養素をとる必要があります。
抗酸化栄養素は、かぼちゃやにんじんなどに含まれるベータカロテン、キウイフルーツやレモンなどのビタミンC、アーモンドなどのナッツ類やドライトマトに含まれるビタミンE、ココア、大豆、緑茶などに含まれるポリフェノール、鮭、カニ、鯛などに含まれるアスタキサンチンなど、さまざま
。抗酸化力をつけることは、肌老化の進行を抑制することにもつながります。サプリメントもうまく活用しながら、特に意識して普段の食事に取り入れてみてくださいね。
更年期世代にとりたい抗酸化栄養素
・ベータカロテン
・ビタミンC
・ビタミンE
・ポリフェノール
・アスタキサンチン
骨を元気にして代謝機能を正常に!
更年期になり
女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、骨を壊す破骨細胞が増えて、骨を作る骨芽細胞の動きが追いつかなくなり、骨がもろく
なっていきます。
ダイエット=脂肪のイメージですが、
骨もダイエットに密接な関係
があります。
骨は代謝臓器と呼ばれ、腎臓や糖の代謝、血管などと関係し、骨を元気に保つことは動脈硬化やシワなどのリスクを低減させる可能性があり、元気に歩くことにもつながります
。
ダイエットで体重を落とせても肌はシワシワ、元気もない……ではダイエット成功とは言えません。
骨に必要なのは乳製品や大豆、ひじきや切り干し大根などに含まれるカルシウム、鮭やマイタケ、干しシイタケなどに含まれるビタミンD、小松菜、ほうれん草、納豆などに含まれるビタミンKなど
。骨粗しょう症のリスクを回避するためにも意識してとるようにしましょう。
骨を元気にするためにとりたい栄養素
・カルシウム
・ビタミンD
・ビタミンK
発酵食品と食物繊維で腸内環境を整える!
腸は「第二の脳」と言われ、その動きは自律神経がコントロール
しています。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類あり、それぞれがバランスを保っていますが、
更年期になるとエストロゲンの分泌が減少して、交感神経が過敏に
なります。そして
副交感神経がよく働かず、腸のぜん動運動も鈍くなって便秘が起こりやすく
なります。
また、
腸の働きが悪くなると肝臓に負担がかかるので代謝機能が落ち、痩せにくく
なってしまいます。そこで
腸内環境を整えるために意識してとりたいのが発酵食品と食物繊維
です。
発酵食品はヨーグルト、納豆、味噌、ぬか漬け、キムチなど。食物繊維はごぼう、ブロッコリー、ほうれん草などの野菜類や納豆、いも類、海藻類、きのこ類など
。
腸の内容物が通過しやすくなるように
十分な水分をとる
ことや、基本的なこととして、
便意を促すきっかけとなる朝食を必ず食べるなどの生活習慣も大切
です。
腸内環境を整えるためにとりたいもの
・発酵食品
・食物繊維
まとめ
更年期になると起こるエストロゲンの減少が「抗酸化力の低下」「骨粗しょう症のリスク」「自律神経の乱れ」を引き起こし、結果として痩せにくい体になっているということがわかりました。20代、30代のころと同じことをしていても痩せないと感じる理由も理解できたのではないでしょうか。更年期に起こる体の変化に対応した食生活で、健康的なダイエットを実践してみましょう。
【善方先生からのアドバイス】
更年期の体重増加はある程度は生理的なものとして受け入れて、筋力が落ちないような運動と食事で健康美を目指しましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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取材・文/鈴木亜希子
フリーランスPR兼ライター。独身生活を謳歌しすぎたら婚期を逃したが、趣味のランニングと猫好きが出会いのきっかけとなり50歳で結婚。美肌食マイスター初級/アスリートフードマイスター3級
監修者:医師 よしかた産婦人科院長 善方裕美先生 横浜市立大学産婦人科 客員准教授。日本産婦人科学会専門医。女性ヘルスケア専門医。日本骨粗しょう症学会認定医・評議員。約30年にわたって多くの悩める更年期女性と向き合い、更年期障害についてカウンセリング、HRT(ホルモン補充療法)、漢方薬、食事、運動、代替医療など多方面のアプローチで治療をおこなう。著書『最新版 だって更年期なんだもーん 治療編』(主婦の友社)。
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