「最近、シミやしわが気になる」「老け見えしていないか心配……」そんな悩みを抱えていませんか?肌の老化は誰にでも起こる自然な現象ですが、日々のケア次第でその進行を遅らせることができます。今回は、肌老化の原因や対策方法について、あんしん漢方の山形ゆかりさんに伺いました。若々しい肌を保つために、自分に合ったセルフケアを見つけましょう。|1. 肌老化の原因肌の老化にはさまざまな原因があります。具体的にどのようなものがあるか、確認していきましょう。|加齢による影響年齢を重ねると、肌のコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸が減少します。これらは肌のハリや弾力、保水力を保つために欠かせない成分で、減少すると乾燥やしわが目立つようになります ※1。さらに、肌の老化に関わるのが加齢による血行不良です。肌に十分な栄養が届かず、老廃物がたまりやすくなるため、ターンオーバー(新陳代謝)が乱れがちになります。古い角質が残りやすくなり、くすみやゴワつき、たるみの原因となります ※1。|紫外線によるダメージ紫外線は肌の大敵です。紫外線には2種類あり、それぞれ肌に与えるダメージが異なります ※1。・UV-A肌の土台である真皮に作用してコラーゲンやエラスチンを破壊。しわやたるみを引き起こします。・UV-B表皮に炎症を起こし、シミの原因になります。紫外線が肌に与えるダメージは、これだけではありません。紫外線を浴びると、活性酸素が発生して老化が加速したり、肌のバリア機能が低下して乾燥や炎症が起きたりします。このように、紫外線は肌にさまざまなダメージを与える大きな要因です ※1,2。|肌の酸化酸化とは、活性酸素が原因で肌の細胞が衰える現象です ※1。紫外線やストレスによって発生する活性酸素は、細胞を傷つけて肌に悪影響を与えます。若いうちは免疫機能が高いため、活性酸素を速やかに除去できますが、長年の紫外線や酸化ストレス、加齢によりその力が低下します。すると、活性酸素がコラーゲンやエラスチンを破壊してメラニン色素を増やし、しわやシミなどの肌トラブルを引き起こすのです。|肌の糖化糖化とは、体内の糖分がたんぱく質と結びつき、有害なAGE(終末糖化産物)を生成する現象です。過剰な糖分摂取などによってAGEが増えると、肌の弾力が失われ、しわやたるみが目立ちやすくなります。また、くすみや黄ばみの原因にもなるため注意が必要です ※1。|間違ったスキンケア間違ったスキンケアは、肌老化を早める大きな原因です。洗浄力の強い製品を使いすぎると、肌に必要な皮脂まで奪われてしまい、乾燥してバリア機能が低下します。すると、外部からの刺激を受けやすくなり、しわやたるみ、くすみの原因となるのです。また化粧水などの使用量が足りないと、肌に必要なうるおいが届きにくくなるうえに、摩擦によるダメージにつながります。|2. 肌老化のサイン肌老化はさまざまなサインとしてあらわれます。これらのサインを見逃さないように鏡で肌をチェックしましょう。| シミ・しわ・たるみ紫外線ダメージによるシミや、コラーゲンやエラスチンの減少によるしわやたるみは、肌老化の典型的なサインです。次のポイントをチェックしてみましょう ※1。これらが気になり始めたら、肌老化が進んでいるサインかもしれません。▼頬や額にシミやそばかすが増えている▼手の甲にシミができている▼目元や口元に細かいしわが目立つ▼フェイスラインがぼやけている▼ほうれい線が深くなっている|くすみくすみも肌老化のサインです。血行不良や糖化が原因で、肌の透明感や血色が失われ、疲れた印象を与えることがあります。黄ばんで見えるなど、肌の色が変化したと感じたら、肌老化によるくすみの可能性を考えましょう ※1。|肌の乾燥肌の乾燥は、バリア機能の低下を示すサインです。刺激に弱い敏感肌になり、小じわが目立つようになります ※1。|3. 肌老化への対策を始めるタイミング先ほどご紹介した肌老化のサインを感じたら、対策を始めるタイミングです。30~40代はもちろん、20代後半から始めても早すぎることはありません。肌の状態には個人差があるため、自分の肌の変化をよく観察し、早めに対策をすることが大切です。|4. 肌老化の対策方法肌老化を防ぐためには、日々の生活習慣の改善と適切なケアが不可欠です。具体的な対策方法を解説します。| 紫外線から肌を守る紫外線ダメージを防ぐには、次の方法を取り入れましょう。▼日差しの強い時間帯の外出を避ける▼日傘やつばの広い帽子を活用する▼長袖の服を着るまた、日焼け止めは紫外線対策の基本です。日差しが強い日だけでなく、曇りの日や室内で過ごす日も使用しましょう ※3。使用量の目安(顔の場合)は、クリームタイプならパール2粒分、ローションタイプなら1円玉2枚分です。ムラなく塗るよう心がけ、耳や首の後ろ、手の甲など、塗り忘れやすい部分にも注意してください ※4。|食生活を見直す活性酸素を除去する力を、抗酸化力といいます。この抗酸化力は年齢とともに弱まっていき、体内に活性酸素がたまって老化が進みます。抗酸化力を高めるには、抗酸化物質を多く含む次の食品を意識して摂ることが大切です。▼ポリフェノール:りんご、赤ワイン、コーヒー、紅茶など▼ビタミンA:かぼちゃ、モロヘイヤ、にんじん、うなぎなど▼ビタミンC:ブロッコリー、キウイ、いちごなど▼ビタミンE:かぼちゃ、モロヘイヤ、うなぎ、アーモンドなどこれらの食品を日々の食事に取り入れることで、体内の抗酸化力を高め、肌老化を抑える効果が期待できます ※5,6。また、注意したいのが糖化を進める原因となる甘味料です。とくに、ジュースなどに含まれる果糖ブドウ糖液糖は、ブドウ糖よりもAGEを多く生成します。肌の糖化を防ぐためには、甘いお菓子やジュースなどをできるだけ控えるようにしましょう。|質の高い睡眠をとる睡眠は、肌の老化防止に欠かせません。睡眠不足は肌のバリア機能を低下させ、紫外線ダメージからの回復を遅らせます。健康な肌を保つには、質の高い睡眠をとることが大切です。寝具や寝室などの睡眠環境を整え、1日7~8時間の睡眠を確保するようにしましょう ※2。|適度に運動する肌老化の対策には、適度な運動も大切です。運動には血行を促し、新陳代謝を高めて肌のターンオーバーを助ける効果があります。有酸素運動や筋力トレーニングには、肌の弾力と真皮の構造を改善する効果があるといわれています ※7。通勤や買物のときはなるべく歩く、駅では階段を使うなど、意識してからだを動かすようにしましょう。|スキンケアを見直す自分の肌に合ったスキンケアアイテムを選び、優しくケアすることが大切です。スキンケアの基本は、汚れや皮脂を落とす洗顔と、皮膚のバリア機能を高める保湿です ※8。朝と夜の洗顔やクレンジングを丁寧に行い、保湿力の高い化粧水や乳液、クリームで肌のうるおいを守りましょう。また、肌の悩みに応じた成分をプラスするのも効果的です。シミやしわにはビタミンC誘導体が有効とされており、レチノール(ビタミンA)はコラーゲンを増やし、しわ改善が期待できます ※5,3。肌の悩みに合わせて取り入れてみてください。|漢方薬を試してみる肌の老化が気になる人には、根本改善を目指す漢方薬もおすすめです。漢方薬は医薬品として効果が認められており、皮膚科や美容皮膚科で自然由来の治療薬として処方されています。忙しい現代では、毎日バランスのよい食事や、丁寧なスキンケアを続けるのは難しいこともあると思います。その点、漢方薬なら症状や体質に合ったものを服用するだけなので、無理なく日常生活に取り入れられます。肌の老化対策には、「肌の新陳代謝をよくして紫外線によるダメージを回復する」「水分の循環をよくして肌にうるおいを与える」「血流をよくして肌に栄養を行き渡らせる」などの働きを持つ生薬を含む漢方薬を、体質に合わせて選びます。<肌の老化対策におすすめの漢方薬>桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)血流を改善して肌に栄養を届け、水分代謝をよくして肌のターンオーバーを正常化する漢方薬です。シミやニキビの改善に用いられます。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)血行を促進すると同時に、肌に栄養とうるおいを与えて水分代謝を整えることで、シミやしわ、乾燥肌やくすみなど幅広い症状の改善に用いられます。漢方薬は、自分のからだに合ったものを選ぶことが大切です。どれを選べばいいかわからない場合は、インターネットで相談できる「あんしん漢方」などのサービスを利用してみてはいかがでしょうか。「オンライン個別相談」では、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談でき、お手頃価格で自宅まで郵送してもらえます。|5. 自分に合ったケアで肌を守ろう肌老化は避けられないものですが、生活習慣の改善と適切なケアで進行を遅らせることができます。加齢や紫外線、酸化、糖化といった原因を理解し、それに合わせた対策をとりましょう。自分の肌に向き合いながら、楽しんでケアを続け、健康的で美しい肌を目指してください。<この記事の監修者>あんしん漢方薬剤師山形 ゆかり薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。<参考文献>※1 活寿会記念クリニック「肌老化の原因・肌サイン・治療法」※2 ヒロクリニック「肌トラブルの予防法:日常生活でできる簡単なライフスタイル改善」※3 須賀 康「皮膚科医が考えるアンチエイジング」※4 医療法人社団 淳真会 前田メディカルクリニック「日焼け止めの塗り方と適量」 ※5 一般財団法人 総合南東北病院「肌の老化現象」※6 市橋正光 吉本聖 安藤秀哉「皮膚のアンチエイジング」※7 立命館大学「筋力トレーニングが美肌に貢献することを世界で初めて報告」※8 城西大学「正しいスキンケアの順番は?朝夜でスキンケアを変えるべき理由を解説」【関連記事】【腸活】で冬の不調を予防しよう! おすすめの食材やポイントを解説ストレス緩和には「ムードフード」が効果的! 代表的なムードフードや取り入れ方をご紹介【8x4】5年間1,000個以上の試作を重ねついに完成! パフで ”塗り込む” 新感覚制汗パテが登場【Kirei&co.】人気コスメブランドの冬の新作アイテムを編集部がガチレビュー!【注目の美容施術をなまちゃんが体験!】フェイスラインをスッキリさせたい!~施術編~