フリーランスや農業・畜産業などに従事する人が加入する「国民健康保険」。一般的に、所得が多くなれば、その分保険料が高くなるイメージがある方もいらっしゃるでしょう。 しかし中には、年収が変わらないにもかかわらず、保険料が上がってしまう場合があります。 そこで今回は、国民健康保険の仕組みと、保険料が上がる理由について紹介します。
年収は変わらないのに国民健康保険の保険料が上がる理由
国民健康保険は、年収以外の理由でも保険料が変わる可能性があります。国民健康保険料が変わる理由は、主に次の4つです。
●家族で新たに国民健康保険に加入した人がいる
●40歳になり介護保険料が加算された
●国民健康保険の均等割額・所得割額・最高限度額が年度ごとに変わるため
●前年度の所得が何らかの理由で判明していないため
1つずつ詳しく確認してみましょう。
家族で新たに国民健康保険に加入した人がいる
国民健康保険に新たに家族の誰かが加入した場合、保険料が上がります。
国民健康保険は、1世帯分まとめて計算されています。そのため、出産により子どもが増えた場合や、子どもが社会人になり会社の健康保険に加入した場合など一人の増減によって、保険料に差が出るのです。
なお、国民健康保険料は世帯主が被保険者の場合もそうでない場合も、世帯主に納付義務が生じます。
40歳になり介護保険料が加算された
被保険者の中に、40歳を超えた人がいる場合、前年よりも保険料が高くなる可能性があるでしょう。そもそも国民健康保険の保険料は、「医療分保険料」「後期高齢者支援金分保険料」「介護分保険料」の3種類の合計でできています。介護分保険料は、被保険者に40歳〜64歳の人がいる場合のみに支払う保険料です。
なお、基本的には40歳になる月から介護分保険料が計算されるようになりますが、誕生日が1日の人の場合は、その前月からとなるため、注意が必要です。
国民健康保険の均等割額・所得割額の料率などが年度ごとに変わるため
国民健康保険は、均等割額や所得割額の料率などが毎年見直されており、これらの数字が変わることで、年収が変わらないとしても保険料が変わる可能性があります。
保険料は「医療分保険料」「後期高齢者支援金分保険料」「介護分保険料」の3種類の合計です。これらの保険料はそれぞれ「平等割」+「均等割」+「所得割」で決定します(介護分保険料のみ、平等割はなし)。
これらの額は次のように決まります。
●平等割:全世帯が平等に負担
●均等割:被保険者の人数に応じて負担
●所得割:前年の所得に応じて負担
これらの額や料率が年度ごとに変わるため、年収が同じでも保険料に影響が出る可能性があるでしょう。
何らかの理由で前年度の所得が判明していないため
前年度の所得が判明していない場合も、保険料が上がる可能性があります。例えば、確定申告を期限内に提出していない場合や、ほかの市区町村から引越しをした場合などです。
これらは、正確な所得額が出次第、正しい保険料が計算され、変更がある場合は自治体から変更通知書が送られてきます。
自治体によっては、ホームページで保険料の試算ができることもあります。自身の保険料を知りたい場合は確認してみるとよいでしょう。担当窓口でも、詳細な保険料の確認が可能です。
国民健康保険料は年収以外の理由で変わることもある
国民健康保険料は、年収以外の理由で額が変わることがあります。
国民健康保険は、「医療分保険料」「後期高齢者支援金分保険料」「介護分保険料」3つの合計で成り立っています。また、世帯単位で計算されているため、被保険者の増減や被保険者の中の誰かが40歳を超え、介護保険料が加算されることで、変わることもあるでしょう。
家族内で特に変化がなかったとしても、均等割額や所得割額の料率が見直されることで保険料が変わることもあります。保険料のことで疑問に思った場合は、最寄りの自治体で詳細を確認することもできるため、気になる場合は担当窓口に問い合わせてみましょう。
出典
板橋区 国民健康保険 よくある質問 国民健康保険料が昨年度より値上がりしたのはなぜですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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