「ねんきん定期便」に記載された見込み額が「10万円」!?昨年は「13万円」だったのになぜ減ったの?

「ねんきん定期便」に記載された見込み額が「10万円」!?昨年は「13万円」だったのになぜ減ったの?

1月29日(水) 1:00

50歳以上で送付されるねんきん定期便では、年金の見込み額を確認できるようになります。将来受け取れる収入を想定でき、老後のライフプラン構築に便利です。しかし、人によってはねんきん定期便に記載されている見込み額が昨年よりも減少するケースがあるようです。 今回は、ねんきん定期便に記載されている内容が変わる理由や、年金を増やす方法などについてご紹介します。 ねんきん定期便の記載内容が変わるのはなぜ? 毎年送付されるねんきん定期便の見込み額は、最近の加入状況や年金の給付水準などを基に算出されています。そのため、本人の状況によっては減少することもあり得るでしょう。   例えば、会社勤めで厚生年金に加入している方が、52歳のときにボーナスがもらえなかったり休んだりして給料が大幅に下がったとしましょう。この場合、52歳時点での年金額は、51歳のときのボーナスを含めた金額を基に算出されています。   一方、53歳時点でのねんきん定期便は、52歳で収入が大幅に下がったときの金額を基に算出されるため、減少するでしょう。もし53歳になってふたたび収入が戻ると、次に受け取るねんきん定期便は52歳時点でのねんきん定期便に近い金額となっている可能性があります。   なお、ねんきん定期便に記載されている内容が間違っていることが原因で金額が減少しているときは、できるだけ早く年金事務所へ申告しましょう。年金加入記録の漏れやミスは、年金加入記録回答票の必要事項を記入して提出すれば、対応してもらえます。   年金受給額の平均はいくらくらい? 厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の資料によると、老齢基礎年金と老齢厚生年金をともに受け取る方の平均受給額は、月に14万7360円でした。もし月に13万円や10万円の場合は、平均額よりも少ないことになります。   年金額が少ない場合、ある程度貯金を多く貯めておけば問題はないでしょう。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の高齢者かつ単身無職世帯の方は、平均で月に3万768円不足しています。もし65歳から90歳までの不足分を補おうと思うと、25年間で930万円ほどあれば足りる計算です。   しかし、人によっては年金額も貯金も心もとないと感じる方もいるでしょう。まだ定年前であれば年金を増やせないか確認してみましょう。   老後の年金額を増やす方法 年金を増やす方法としては、年金の受給タイミングを遅らせたり年金を受け取り始めたあとも働いたりする選択肢があります。   受給タイミングを遅らせると、繰り下げ受給として遅らせた期間に応じた増加率で年金額の増額が可能です。増加率は「0.7%×65歳になった月から繰り下げ受給申請月の前の月までの月数」で計算できます。最大で75歳まで遅らせられ、75歳で受け取ると84.0%増額した年金を受給可能です。   ただし、繰り下げ中は年金収入がないため、貯金や働くことでの収入に頼ることになります。生活に無理が出ないよう、計画を立てて繰り下げ受給をしましょう。   ほかにも、年金を受給しながら働く方法もあります。老齢厚生年金と給料を合算した金額が月に合計50万円を超えなければ、給料と年金を全額受給可能です。ただし、50万円を超えると超えた金額に応じて年金が一部支給停止されます。   年金の見込み額は加入状況に応じて変動することがある ねんきん定期便に記載されている年金見込み額は、そのときまでの加入状況を反映したものです。そのため、ねんきん定期便を受け取ったあとに給料が下がったり退職したりした場合、翌年のねんきん定期便の年金見込み額は減少している可能性があります。   年金の受給額に不安を覚えるときは、平均受給額や必要な生活費も参考にするといいでしょう。総務省統計局の資料では、月に3万768円を賄えれば生活できる計算です。年金受給額が少なく、貯金もあまりないときは繰り下げ受給や働きながらの受給も検討しましょう。   出典 厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(8ページ) 総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要(18ページ)   執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー 【関連記事】 年収400万円と年収800万円、年金額の差はどれくらい? 夫婦で「月30万円」の年金を受け取るために必要な年収は? 年金「15万円」は手取りだと実際いくら? 引かれる「税金・社会保険料」について解説

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