実家に帰るたびに、年を重ねる両親の姿に少し寂しさを感じることがあるかもしれません。両親には元気でいてほしいものですが、将来のことを考えると「老人ホームへの入居」という選択肢を思い浮かべることもあるでしょう。この記事では、老人ホームの種類ごとの費用や選び方を説明します。
老人ホームの種類と特徴–公的施設と民間施設の違い
老人ホームの種類は大きく2つに分けられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
公的施設
公的施設は地方自治体や公的機関によって運営されており、比較的低コストで利用できるのが特徴です。ただし、入居希望者が多い場合は待機が必要になる場合があります。以下に代表的な公的施設の種類を挙げます。
・養護老人ホーム
: 経済的な理由や環境の問題で自宅での生活が難しい高齢者が、市区町村の「措置」に基づいて入所する施設。
・軽費老人ホーム
: 家庭環境や住宅事情などの理由で居宅での生活が困難な高齢者に、無料または低額で居住を提供し、食事や日常生活に必要な支援を行う施設。
軽費老人ホームには、ケアハウスや軽費老人ホームA型、B型、都市型など、利用者の状況に応じた複数の選択肢が用意されています。老人ホームの費用は前年度の収入によって変わりますが、月額の目安は約6万円~です。
民間施設
民間の企業や法人によって運営される施設は、それぞれ独自の運営方針やサービスが特徴です。なかには、豪華な設備を持ち、まるでホテルのような高級感がある施設も多く、利用者にとって選択肢が幅広いことが魅力です。以下に、代表的な高齢者向けの施設を紹介します。
・介護付き有料老人ホーム
: 介護サービスが提供される高齢者向けの施設。
・住宅型有料老人ホーム
: 生活支援サービスが付随する高齢者向けの施設。
・健康型有料老人ホーム
: 主に食事などのサービスを提供する、高齢者向けの居住施設。
それぞれの施設では、高齢者のニーズやライフスタイルに合わせたサポートを提供しています。民間の有料老人ホームの月額の目安は10万円程度~です。
老人ホームの相場
株式会社Speeeが運営するケアスル介護は、介護施設の入居者や元入居者、その家族など関係者228名を対象に、介護施設の入居費用についてアンケート調査を行いました。調査では、介護施設を利用中または過去に利用した介護施設について尋ねたところ、最も回答が多かったのは「特別養護老人ホーム(特養)」で、全体の37.4%を占めています。
また、月々の費用は、表1の結果となりました。
表1
11~15万円
31.6%
6~10万円
23.7%
16~20万円
19.7%
21~25万円
9.7%
1~5万円
6.8%
26~30万円
3.5%
0円
2.2%
31~40万円
1.8%
41~50万円
0.9%
出典:株式会社Speee「介護アンケート」月額費用を基に筆者作成
「11~15万円」の回答が最も多く、全体の31.6%を占めています。多くの人が年金で利用できる施設を選んでいる傾向です。
また、入居時に発生する一時金(初期費用)については、「一時金がかからない(0円)」と回答した人が全体の43.4%と最も多くを占めました。一時金が発生している場合でも、「1~20万円以内」の範囲に収まるケースが多いようです。
老人ホームの費用は施設の種類や提供されるサービスによって異なる/アンケート調査によると月額費用は11~15万円が最も多い
老人ホームへの入居にかかる費用は、施設の種類や提供されるサービスによって大きく異なります。公的施設は地方自治体の運営によるもので、費用が比較的安く、月額6万円~が一般的です。一方の民間施設はサービスや設備によって幅がありますが、月額10万円程度~が目安です。
アンケート調査によると、月額費用として11~15万円を支払っている人が最も多く、入居一時金がかからないと答えた人は全体の43.4%にのぼります。こうしたデータを参考に、両親のニーズや家計状況に合わせて最適な選択肢を検討しましょう。
出典
株式会社Speee 介護施設の入居費用はどのくらい?「ケアスル 介護」にて介護施設にかかる費用に関するアンケート調査を実施(PRTIMES)
小田急不動産株式会社お金がない場合はどうする?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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