共働き夫婦の私。それぞれ仕事を持っているので、夫は家賃と光熱費、私は食費と日用品と、家計も分担しています。でもこの1年、この取り決めを守ってくれない夫。毎月のように督促状が届くようになって……。
また滞納! お金にだらしない夫
「アパートの家賃が引き落としできなかったって父から連絡があったわよ」
今月も夫は家賃を滞納している様子。
私たち夫婦は、私の父が所持するマンションに住んでいます。毎月の滞納に申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら、お金を振り込むよう伝えます。
夫はお金にだらしなく浪費家。欲しいも我慢できずすぐに買ってしまいます。
「今月出費が多かったんだから仕方がない。そもそもこの家のオーナーは君の父さんなんだから、無償で住まわせてくれるのが普通だろ?」
父はたくさんの不動産を持つ大地主ですが、家賃を払うのは大人のけじめ。そういうわけにはいかないと何度も説明しているのですが、まったくわかってくれません。
「最近、クサクサすることばっかりだぜ!」
夫はイライラをぶつけてきます。
父の入院
その直後、父が階段を踏み外して足を骨折したという知らせが入ります。
私は慌てて病院に駆けつけましたが、院内をウロウロと歩き回りながら、入院患者と話をしている父の姿を見て、ひと安心!
気さくな父は、誰とでもたちまち仲良くなってしまいます。それでも夜は寂しいのか、家族写真が欲しいというので、私・夫・父と母が写る写真を届けたのでした。
「余命半年なんて、信じられない!」
病院から帰ると「俺のメシの支度はどうなった!?」と不機嫌な夫。
「父が入院することになって……」私が事情を説明しようとすると、「そうか、それはしょうがないな!」と明るい声で応える夫。
なにか勘違いしている……?
訂正しようと思ったところで電話が鳴りました。
「え! 信じられない……余命半年?」
電話をとると、悲しそうに話す父の声。
「ひどい……。でも余命半年なんて言われちゃったらもう私はなにも言えない。残された時間を有意義に過ごしてもらいたいもんね。許してあげるよ」
いつの間にか私は涙を流していました。
電話を切った私に、「好きなだけお見舞いに行ってやれよ! 俺の夕飯は気にするな!」と、夫はやさしい言葉をかけるのでした。
「もうすぐ遺産がガッポリ入ってくるんだから」
半年後、私の家に督促状が届きます。その額なんと100万円!!
内訳を見ると飲み屋の名前がずらり! 私は夫を問い詰めました。
「どういうこと? なんでこんな無駄遣いしたの?」
すると夫は、とんでもない発言をしたのです。
「いいだろ〜? どうせもうすぐ遺産がガッポリ入ってくるんだから」
がくぜんとした私。
なんと夫は、父が余命半年と思い込み、遺産をアテにして豪遊していたというのです。
「余命半年なのはあなたの浮気相手よ?」
夫はきょとんとした顔で私を見ます。
浮気相手の存在が妻にバレたばかりか彼女の余命が半年だなんて、理解が追いつかないようです。
彼女と仲良くなったのは、入院中だった父。
ふと部屋に飾っていた家族写真を見た彼女は、恋人である夫が妻帯者であることを知り、とんでもないことをしてしまったと父に詫びたのでした。
しかし病気を患い、余命半年という彼女。
私も父も、彼女を許すことを決め、彼女の余生が少しでも良いものになるように、毎日お見舞いに行っていたのでした。
しかし、独身と偽り浮気をしていた上、遺産を当てに借金まで作っていた夫のことを許すわけにはいきません。
「相手女性は浮気の証拠をたーくさん私に渡してくれたわ。覚悟はいい!?」
◇◇◇
浮気されるのは悔しく悲しいことですが、正直に話し、反省をした浮気相手の誠実さに触れ、許すことができたその経験は、自らを大きく成長させてくれたのではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
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