「3ミリの恋」同級生の恋を応援するチャーミングなキューピッド、早瀬憩の新たな夢と目標

「3ミリの恋」同級生の恋を応援するチャーミングなキューピッド、早瀬憩の新たな夢と目標

11月8日(日) 11:00

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2024年に公開された「違国日記」で新垣結衣と共に主演を務め、映画ファンに鮮烈な印象を残した早瀬憩。その後も次々と話題作に出演し、19歳にして今年の劇場公開作品は7本を数える。

そのうちの1本「3ミリの恋」は青春ラブストーリー。佐賀県の唐津と韓国・釜山、教科書の地図上での距離はたった3ミリという2つの街を舞台に、近くて遠い、このもどかしい3ミリを乗り越えようとする日本の男子高校生と韓国人留学生の少女の姿を鮮やかに描き出す。早瀬が演じるのは、主人公・タツヒコの幼なじみで、彼の背中を押す快活な女子高生・ジュリ。本作を経て「海外作品に出たい」という新たな目標を得たという早瀬が本作の魅力、そして俳優業への思いを語ってくれた。(取材・文/黒豆直樹)

――最初に脚本を読まれて、どのような印象を受けましたか?

日本と韓国の間の歴史的な背景がありつつも「つながれる」ということ――困難があっても、理解し合い、お互いを想い合う気持ちというのが、すごくキレイに純粋に描かれていてすごく素敵だなと思いました。

日韓どちらも、すごく個性豊かで温かいキャストがタツヒコ(黒川想矢)とユンスル(キム・ジアン)の周りを囲んでいて、日本では唐津、韓国では釜山の情景も、脚本を読んでいて「あぁ、映画になった時に、どんなキレイな景色が見られるんだろう」とワクワクしましたし、いろんな魅力が詰まった作品だなと感じました。

――早瀬さんが演じたのは、タツヒコの幼なじみであり、ユンスルの唐津での滞在先となる旅館の娘・ジュリですが、どんなことを意識されて演じられたのでしょうか?

脚本を読みながら、私自身、すごく純粋に2人の恋を応援したくて「頑張れ!」、「くっついて!」と思っていたので、その気持ちをそのままジュリに投影して、2人の恋を一生懸命、応援して、ジュリのチャーミングな部分を見せつつ、2人を支えるキューピッド的な立ち回りをうまく演じられたらなと思って、撮影に臨みました。

――本作が初の長編監督作となる全辰隆(チョン・ジニュン)監督の現場はいかがでしたか?

監督とは、現場でお話をしながら撮っていくという感じで、スタッフさんも、日本と韓国の方が半々ぐらいの状況だったんですが、私はスタッフさんとコミュニケーションを取りたくて、監督は日本語、韓国語、どちらも話せるので、監督に間に入っていただき、支えていただきながら現場にいることができました。監督が現場で日韓のスタッフチームをまとめられていて、この作品が素敵な作品になったのは本当に監督のおかげだなと感じる部分がたくさんありました。

――スタッフさんとコミュニケーションを取りたいというのは、この作品に限らず、常にそういうスタンスで作品に臨んでいるのでしょうか?

そうですね。普段からみなさんとコミュニケーションを取ることは意識しています。本作では特に、こちらも簡単な韓国語を覚えて、身振り手振りも使いながら、韓国のスタッフさんとコミュニケーションを取るようにしていました。ただ、撮影を通して強く感じたのは、言葉が通じなくても、互いの気持ちや作品を良い作品をつくろうという熱量は、その場に一緒にいるだけで伝わるものなんだということ。それは初めての経験だったので、本当に良い経験をさせてもらっているなと思いました。

――黒川さんやジアンさんら、同世代の方たちと共演されて、現場で印象に残っていることを教えてください。

黒川くんとジアン、(タツヒコの親友の)かっちゃん役の荒木飛羽くんと私の4人で、本当に夏休みを過ごしているみたいな感じで、毎日が充実していて楽しかったです。もちろん撮影も一生懸命臨んでいたんですが、それ以外の場所でも、4人で遊びに行ったり、たくさん話をしたりして、本当に幼なじみの同級生みたいな感覚で現場にいられました。

ジアンは、私の1個下で、私のことを「お姉ちゃん」と慕ってくれました。ジアンにとっては、日本語が全然わからない中で、たった1人で唐津に来て撮影に臨むという、すごく心細かったとは思うんですけど、それでも、すごく頑張って日本語を覚えようとして、一生懸命コミュニケーションを取ってくれていて、その姿を見て、私もジアンが現場にいやすくなるように、韓国語を練習したり、コミュニケーションを取ったりして、ジアンの存在が、私自身の活力にもつながりました。すごく良い出会いをさせてもらったなと思っています。想矢くんとは、今回で共演するのは3度目なので、すごくリラックスして臨めて、安心感がありました。

――後半のタツヒコが韓国・釜山に渡ってユンスルを探すパートに関しては、脚本は読まれていたとは思いますが、実際にご自身が出演していないパートを完成した映画でご覧になっていかがでしたか?

韓国パートに関して、すごく新鮮で「あ、釜山ってこんなところなんだ!」と思いました。景色や建物の感じもそうだし、韓国語の響きだったり、韓国特有の様々な文化だったり、情景がすごくリアルに描写されていて、私は本当にジュリの目線でユンスルと接してたので「あぁ、韓国にいる!」「お母さんとケンカしてるよ…」みたいな感じで(笑)。日本と韓国の歴史的背景も含めて、すごく勉強になる部分も多い作品だなと思いました。

――早瀬さんと同じ若い世代の方に向けて、この作品のこういうところを楽しんでほしいというポイントをぜひ教えていただければと思います。

とにかくタツヒコとユンスルの2人が魅力的で、2人の恋模様が純粋で、青くて、本当に見ていて「頑張れ!」って応援したくなる、背中を押したくなるような作品だなと思います。私自身、最初に脚本を読んだ時から、演じている時も、完成した作品を見た時も、ずっと2人のことを応援して見ていて、すごく温かい気持ちになりました。見てくださる方も、きっと私と同じような気持ちになれると思います。

――この作品に参加したことを通じて、俳優として学んだこと、この作品だからこそ感じられたことはありますか?

言語や国の違いというのは関係ない――「通じ合えるな」ということに気づけたのは、今回の作品ですごく大きな学びになったことだなと思います。この作品を通じて「海外作品に出たい」という新たな夢、目標もできました。そういう出会いやきっかけを与えてくれた作品だなと思います。

――ここから、早瀬さんご自身のお話を伺えればと思いますが、今年だけで公開映画が7本、しかも10月から11月にかけて、3週連続で新作が公開を迎えるという、ものすごいことになっていますが、いま、ご自身が置かれている状況をどのように受け止めていますか?

ありがたいです。私としては、本当にこの仕事が好きだし、各現場で学びであったり、出会いであったり、勉強になること、役を通じて自分のためになることが本当にたくさんあるので、ひとつひとつの作品を通して、自分自身も成長させてもらっているなという感じがあります。本当に恵まれています。運がいいです(笑)。

――俳優というお仕事、演技するということの面白さや魅力、やりがいをどういう部分に感じていますか?

楽しいところは、自分じゃない人間の人生を演じられるということが前提としてあって、その次に、役柄の人生を通して「こんな生き方があるんだ」ということだったり、「この人のこういうところがいいな」と思えたり、役を演じることを自分の人生に還元することができて、それぞれの役に成長のきっかけがあって、役を通して、自分を見つけていっている感じがして、それがすごく楽しいです。

――ご自身の中で「俳優になりたい」と思ったきっかけ、もしくはこの仕事を始めてから「俳優として生きていこう」という覚悟を決めた瞬間みたいなものはあったのでしょうか?

この仕事を始めたのが中1の時なんですけど、そこから仕事に対する向き合い方などは変わっていなくて、でも「俳優として頑張ろう」みたいな気持ちを持ったのは「違国日記」の時かな…?

「違国日記」のオーディションで朝という役に決まって、撮影をして、終わった頃にはそう感じていたと思います。大きな役をいただくというのも初めてでしたし、1か月間、同じチームで撮影するというのも初めての経験だったので、そこでたくさんの出会いもあったし、勉強もしたし、終わった頃には「あぁ、私は俳優になりたい」という気持ちがあった気がします。

――俳優として演技する上で、ご自身の中で大切にしていること、この作品ごとに役に向き合う中で意識していることはどんなことですか?

お芝居に関して言うと、自分が演じる役のことを一番に理解して、一番愛すること。向き合い方で言うと、これは役作りとかではなくて、仕事をしていく上での気持ちの話になるんですけど、ひとつひとつの作品で「これが最後だ」という気持ちで挑むことを自分の中で大切にしています。

――いまの時点で、目標や夢、成し遂げたいことなどはありますか?

重なっちゃうんですけど、ひとつひとつの仕事にちゃんと向き合って、全身全霊で今後も挑んでいきたいなというのが変わらない目標としてあります。あとは、俳優として、“唯一無二”でありたいなと思っていますし、たくさんの方に愛されるような、そして、ひとりでも多くの人の心を動かせるような俳優になれたらと思っています。

――最後に改めて、映画「3ミリの恋」を楽しみにされている方に向けて「ここを見てほしい」というメッセージをお願いします。

自分のことになって申し訳ないんですけど、今回、私が演じたジュリと役は、すごくチャーミングで、演じていて自分でもすごく楽しかったんです。私、これまで演じてきた役が、どちらかと言うと、何か抱えていたり、ちょっと暗かったりということが多くて…。ホラーも、もう3本もやりましたし(苦笑)。どちらかというと、そういう“陰”な役を演じること多くて、ジュリみたいなタイプはあまり演じて来なかったので、もし私の他の作品も見てくださった方が、この映画を見たら、新たな一面を感じていただけるのかなと思います。

映画館に行っていただけたら、本当に見終わった後、ほっこり、じんわりと温かい気持ち、純粋な澄んだ気持ちになれる作品だと思うので、ぜひ見ていただけたら嬉しいです!

【作品情報】
・ 3ミリの恋

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ヘアメイク/山口恵理子、スタイリスト/Shoh Sasaki
映画.com

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