『渡鬼』元天才子役が37歳で“男性アイドル”にドハマり。「生きている男に興味がない女」と言われていたのに

推しが食べていたものをお土産にもらって喜ぶ様子

『渡鬼』元天才子役が37歳で“男性アイドル”にドハマり。「生きている男に興味がない女」と言われていたのに

10月20日(火) 15:46

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橋田壽賀子脚本の人気長寿ドラマシリーズ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)で10歳から12年間、“加津ちゃん”こと野々下加津役を演じていた宇野なおみさん(37歳)。かつて“天才子役”と呼ばれた宇野さんは現在、フリーライター、エッセイストとして活動中です。

そんな宇野さんが30代女性として等身大の思い、ちょっとズッコケな日常をお届けするエッセイ連載。今回は「推し活」について語ります(以下、宇野さんによる寄稿)。

人生で初めて男性アイドル『M!LK』さんにハマる



生きている男に興味のない女、とまで言われた私が。

平成生まれ自分より年下の男性68人の名前を覚えるようになるとは……。

皆様、ごきげんよう、宇野なおみです。長雨が続きましたね。甚大な被害も出ていたようで、心配です。

さて、いろんなことがあった9月が終わりました。今回は、人生で初めて男性アイドル『M!LK』さんにハマり、新たな世界を体験した、元子役のお話です。

昔から女性ばかり応援していた



もともと、マンガやアニメが好きで、オタクではありました。といってもぬるいオタク、「ぬるオタ」と自負しております。

昔は芸能界は「自分が片隅にいる」という認識が先に立っていたので、宝塚ですとか、ハロプロとか、「別世界」の素敵な女性ばかりの集団を応援してばかりでした。宝塚もハロプロも今でも大好き。

『アイドルマスターSideM』という「アイマス」の男性バージョンはずっと応援していますが、これも、幼馴染兼推しの声優が別シリーズから続投という形で出演していたことがきっかけ。長年好きなコンテンツではあれど、出演者49人いる中でたったひとりの女性を応援しているという、だいぶ特殊な状況です。

結果、「なおみさんは生きている男に興味がない」とまで言われることに。そこまで言う!?(笑)否定はできない。

歌舞伎はどうなのか、と言いますと、”知り合いが歌舞伎座の支配人になった”、というきっかけでハマり始めたので、なんというか、内側から知っていったという感覚です。

だから若い男性アイドルさんにハマるなんて、人生で一切予想しておらず。おむすびころりんならぬ推し沼ころりんでした。

生身の人間を推すって忙しい



ずっと二次元の森でまったりピクニックをしていた生活だったもので、今を時めくアイドルさんの、あまりの情報量にびっくりしました。

二次元コンテンツも忙しいっちゃ忙しいですが、連載漫画を読むとか、放映されるアニメを見るとか、グッズを買うとかで、「当人たちの発信」はないと言えます。あったら逆に怖い、意志を持って勝手に喋り出すキャラクター。

しかして、生身の方を応援していると、テレビ、舞台やドラマ、雑誌、YouTubeといったお仕事、SNS、有料コンテンツなどの当人の発信、グループでの発信、いろいろあります。常にゆるく、ぬるくオタクをしていた私は「多い、多いよ!」と目を白黒させていたのでした。

「生身の人を推すって忙しいんだね」というありえない感想を抱きつつ、できる限り追いかける日々。雑誌が買えなくて雨の渋谷をさまよったのはいい思い出です(後日再販で手に入れる)。

推し活で広がる新しい世界



他にも、渋谷ジャック広告を見て回ったり、リリースイベント(CDの販売記念イベント)に行ってみたりと、未知の体験をいろいろいたしました。ライブはね、当選しなかったの……。

M!LKさんはテレビにずっと出ているので、テレビ大好きな母が一生懸命見ては感想をくれます。また、私が「現実の男性を推している」ことが相当珍妙……奇怪……数奇……なのか、友人たちもしょっちゅう「広告見かけたよ」とか「曲聞いた! あれ好き!」などと連絡をくれます。

M!LKさんはEBiDANというスターダストの男性アイドル部門のようなところに所属しておられ、10グループ、総勢68人います。モー娘。とハロー!プロジェクトですね。

若い子の顔なんか覚えられない!! とかのたまっていたくせに、68人きっちり覚えました。

エビダンの別グループ推しである高校からの親友は、特に、手厚いサポートをしてくれました。リリイベ(リリースイベントの略称。サンシャイン広場などで行われるあれです)や広告巡りに付き合ってくれたり、写真を撮ってくれたり。何もわからない私を常に助けてくれて、友情がさらに深まった気がしています。初心者ゆえに訳の分からないこと聞いても許してくれてありがたいです……。

余談ですが、2013年くらい? に小劇場に出た時、共演者の半分くらいがエビダンの子だった経験があります。今は誰も残ってないようですが、15年前のロゴが出された時は、なぜか懐かしかったです。15年経って、いちファンとして熱狂するようになるとは、人生わからないものですネ。

ふるさと納税を推しの出身地にしてみた



SNSを見ると、ファンは推しがおすすめするお店などによく訪れています。中でもなるほど、と思ったのは、メンバーの出身地に観光しに行っている方がかなりいること。それは観光大使にも任命されるわ~と、得心いたしました。

私も旅行してみたいと思いつつ、まだ行けておりません。なので、今年のふるさと納税を一部推したちの出身地にしてみました。

これもまた、初の経験です。『サマーウォーズ』好きな知人が長野県上田市に納税していたのを参考にしました。

生身の人間を推すって難しい、けど、楽しい



さて、結局“ぬるオタ”には変わりないのですが、そんな中でもいろんなことが起きるものです。推し活をするって、楽しいけれども疲れることもありますね。自分自身の人生もあれこれ起きますし、住民税とか追納とか。この人税金の話ばかりしている。

現実を生きる皆さまを応援しているので、清く正しく美しく、礼儀を持って品格ある応援を心掛けたいと思っております。友人たちにはあらかじめ、やらかしたら介錯してくれと頼んであります。武士道をもって行う推し活。

好きは気合だから、全力で



M!LKさんは今年大活躍だったため、ありとあらゆるところにいらっしゃって、トレンドにとても詳しくなりました。

結果、今年のアイドルシーンにやたら詳しくなり、10月発売の雑誌で今年の音楽シーンの「バズり」について書く機会をいただきました。話の流れが『ほんまやで☆なんでやねん☆知らんけど』すぎる。

実は、このテーマでエッセイを書くことはかなり迷いました。さらに、書くのにも、すごく時間がかかりました。言うて“ぬるオタ”なので……。発信するって怖さを伴うなあとしみじみ思いました。

でも、好きは気合いだし(これは超特急さんの『ガチ夢中!』の歌詞)、私の2026年をきらめかせてくれた理由のひとつであることは間違いないので、書いてみました。

水野真紀様だってブログで『原因は自分にある。』武藤潤くん推しだってアツく語っておられましたからね。

※ちなみに、水野真紀様が自分に起因させているわけではなく、こういうグループ名です。

「たからもの」を抱えている、あの感覚



嬉しいことも、びっくりすることも、圧倒されることも、いろんな経験ができました。

小さいころ、どこかに旅行して、小川できれいな小石を拾ったことがあります。
ローズクオーツみたいな薄いピンクをしていて、小さくてひらべったくて。お気に入りで、大事に宝箱にしまっていた記憶があります。

その価値は、姉や父にはわかってもらえなかった(笑)。当たり前ですね。

自分だけのたからものを抱えている、あのワクワクした感覚を、大人になってから味わえるとは思わなかったです。

これからも清く正しく、ぬるくオタ活をしていこうと思います。決意表明。

<文/宇野なおみ>

【宇野なおみ】
ライター・エッセイスト。TOEIC930点を活かして通訳・翻訳も手掛ける。元子役で、『渡る世間は鬼ばかり』『ホーホケキョ となりの山田くん』などに出演。趣味は漫画含む読書、茶道と歌舞伎鑑賞。よく書き、よく喋る。ブログ「エッセイスト宇野なおみのかずかずしかじか」/YouTube「なおみのーと」/Instagram(naomi_1826)/X(@Naomi_Uno)をゆるゆる運営中

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