2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(41歳・以前は小林悠として活動)。
20年間生活した東京をあとにして、故郷北海道で自然や犬との気ままなシンプルライフを楽しむアンヌさん。本連載では、40代の今だから感じる日々のあれこれを綴ります。
第106回となる今回は、「衣替え」について綴ります。(以下、アンヌさんの寄稿です)
「雪虫」の大群で感じる季節の移り変わり
10月も半ば。季節の移り変わりの早さを感じる今日この頃。先日、雪虫(ゆきむし)の大群に遭遇しました。
私のような北海道民にはおなじみの雪虫。まさしく雪サイズの小さな虫で、飛び始めると、そろそろ雪が降る季節だなと感じさせられる秋の終わりの風物詩です。もう冬が始まるぞ~!! 衣替えを真剣に考えねばならない段階に来ました。
北海道は冬の雪対策もあるので、衣替えはなかなか大変。洋服を季節問わず保管できる広いウォークインクローゼットがあるなんていうお宅ならよいですが、残念ながら我が家にはそんなスペースはありません。
そこで私は、気温が下がったり上がったりするたびに少しずつ衣替えをしています。昔、TBSアナウンサー時代にロンドン出張に備えて買った巨大なスーツケースがありまして、これを衣替え専用の収納ケースとして活用している私。
よっこいしょとそのおもーいスーツケースを引っ張り出すたびに季節が進んだことを実感。そして、衣替えのたびに必ず思うことが。
「なんで私はこんなに服を持っているんだろう?」
これはもう、永遠の課題ではないでしょうか。
服が増えるのには理由がある
ただ、私の場合、服が増えてしまうのには仕事上の事情もあります。テレビのお仕事をさせていただいていますが、実は衣装の多くが自分の私服。
泊まりがけのロケなら、自分の服を何パターンか詰めて出張へ。スタジオ出演や外での取材でも、私服で出演することが少なくありません。洋服がいわば仕事道具みたいなもの。
そうなると、ミニマリストのように服を制服化して、必要最低限のものだけで暮らすなんていうライフスタイルにも憧れはあるものの、なかなか難しい。
スポンサーの関係で避けたほうがいい色があったり、ロケの内容に合わせてカジュアルな服が必要だったり、少し上品に見せたいときにはきちんとしたニットを選んだり。TPOに合わせて使い分けられるよう、ある程度のバリエーションは持っておきたいのです。そうして気づけば、服は増える一方。
かつてはフリマサイトにハマっていたことも
以前は、着なくなった服をフリマサイトに出品して手放していた時期もありました。一時期はすっかりハマってしまい、家中、目を皿のようにして徘徊し、出品できるものはないかと探していたほど。
でも、フリマサイトは便利な反面、個人同士のやり取りならではの難しさもあります。
写真を加工していなくても、光の加減で実際の色と違って見えることがありますし、家の匂い問題や、我が家には犬がいるので毛が付着している可能性もあります。もちろん、できる限りきれいにして、注意書きも添えて出品していましたが。
それでも、届いた商品について何かが違うと言われたり、返品したいといった連絡を受けることもありました。
こちらとしては気をつけていたつもりでも、相手がどう感じるかはわかりません。中には「えーこれはちょっと言いがかりでは……」なんていう正直面倒な事案に巻き込まれたことも。事務局に問い合わせても、なかなか解決しない……なんて事態になったりね。
本来なら、不要になったものを誰かに買ってもらい、その売り上げで自分の欲しいものを買う。そんな楽しい循環のはずなのに、トラブルのせいで気持ちがネガティブな方向へずーんと引っ張られてしまうのがもう私はつらいのなんのって。
心の平穏を優先してフリマサイトを卒業
もちろん、そうしたやり取りも含めて上手に活用している方もいると思います。でも私は、利益を得ることよりも、自分の心の平穏を優先したい。自己防衛のためにフリマサイトの利用を卒業することにしました。
その結果、どうなったか。
本も、服も、食器も、たまる一方!!!!!
トラブルにまつわるストレスは減ったけれど、家の中の物は増えていく。むしろ新たな「物増えストレス」が誕生したと言ってもよいか。
はあ、リサイクルショップにでも持ち込んでみようかなどと考えながら黙々と衣替えに着手していた私でしたが、中でもどうやら、私、ニットが好きらしいということに気づきました。
衣替え用スーツケースをあけるたびに「こんなにニットがあったっけ?」と驚くのですが、これが本当にかさばる。これを全部クローゼットに……といっても絶対に入りきらない。では、去年はいったいどうやって収納していたのでしょうか。記憶が曖昧。
クローゼットはもう限界! なのに……
しかも秋は、夏物と冬物が混在する厄介な季節です。Tシャツにカーディガンを羽織ればちょうどいい日もあれば、厚手のニットを着たくなる日もある。毎日の気温に合わせて服を選んでいるうちに、クローゼットはどんどん混雑していきます。
畳んだりハンガーにかけたりと試行錯誤してなんとか収めた私、ここで恐ろしい事実に気づいてしまいました。
私は冬物のコートをクリーニング店に預ける、保管サービスを利用していたのです。
つまり、今クローゼットに入るか入らないかのぎりぎりの服に加えて、これから分厚い冬物のコートが戻ってくるということ。
えーん勘弁して。あらたに収納ケースを買うか……いや、それはそれでなんか悔しい。
なんとかして納めてみせると意気込みながらも、戦々恐々とクリーニング店の配送がやってくるのを待っている私なのでした。
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne
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