米ベテラン俳優のニコラス・ケイジが、Amazonから求められたAI利用の同意書に署名しなかったことを、米国のポップカルチャーの祭典、ニューヨーク・コミコンのステージで明かした。
ハリウッドでは、AIで俳優の顔や声を複製する技術が、2023年の米俳優組合のストライキで大きな争点となった。スト終結の合意で、スタジオは本人の同意と報酬がなければ複製を作れないことになり、この条件は今年承認された新しい労使協約にも引き継がれている。スタジオが俳優に同意書へのサインを求めるのはそのためだ。
ケイジは、自身が主演したPrime Videoのドラマ「スパイダー・ノワール」の制作元であるAmazonを、ステージでこう名指しする。
「Amazonは、OpenAIに500億ドル(約7兆9000億円)も投資するほど、AIに好意的な会社だ。わたしはAIに好意的な俳優じゃない。これ以上は、言わなくてもわかるだろう。『スパイダー・ノワール』でAIを使っていいという同意書にはサインしなかった。あのスタジオとはたぶんもう仕事をしないだろうけど、それで構わない」
ケイジといえば、以前からAIへの不信感をあらわにしてきた俳優だ。2024年には米ニューヨーカー誌のインタビューで、「スパイダー・ノワール」のために体をスキャンされたことを明かし、自分の体がAIで加工されることへの恐怖を語っている。同年の秋には米ニューポートビーチ映画祭で、AIによる複製を認める契約には慎重に署名するよう、若手俳優に呼びかけた。今回は、自らその言葉どおりに署名を拒んだことになる。
ケイジは、これから一緒に仕事をしたい相手についても語っている。
「Z世代の若い監督たちと組みたいんだ。彼らはYouTubeの文化だろうと何だろうと、自分たちのやり方で挑んでいる。一から手作業でね。わたしもそこに加わりたい」
ケイジが名前を挙げて称えたのは、YouTube出身のケイン・パーソンズ監督だ。パーソンズ監督が手掛けたホラー「バックルームズ」は、A24作品として歴代最高の興行収入を記録している。
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バックルームズ
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Photo by Amy Sussman/GA/The Hollywood Reporter via Getty Images