蒲倉家は、パパ、ママ・多恵子、社会人の長女・萌香、大学生の長男・律郎の4人家族。ある日突然、ママは家へ戻らなくなり、家族とも連絡が取れなくなってしまいます。後日、ママの旧姓で届いた荷物を手がかりに、家族はK市に住む旧友・木綿子さんへたどり着きますが、その後のママの行方はわからないまま。ママに任せきりだった生活が崩れていく中で、家族は少しずつ自分たちの言動を振り返るようになります。さらに、ママと親しかった隣人・梅村さん親子とのやりとりから、家族の知らなかったママの思いも見えてきて……。
梅村さんの娘・緑さんの話から、梅村さん自身もかつて夫との関係に苦しんでいたことが明らかになります。夫を亡くしたときの涙も、悲しみではなく「やっと解放された」という思いからくるものだったようです。
17年前、多恵子さんはそんな梅村さんに、「不謹慎だけど、少しうらやましい」と本音をこぼしていました。夫から「女はこうあるべき」という価値観を押しつけられ、妊娠を機に仕事も辞めることになった多恵子さん。
初めての妊娠で不安を抱える中、夫は出産準備にも関心を示さず、子どもの話を「つまらない」と突き放します。子どもが生まれれば変わるかもしれない。そう期待していた多恵子さんでしたが……。
夫は生活費をくれるだけの人……こぼれた本音
多恵子さんは、夫が妊娠中から出産後まで、家事や育児に関心を持たなかったことを梅村さんに打ち明けます。夫が働いてお金を稼いでくれるから生活できている。そのことには感謝しなければいけないと思いながらも、家事や育児、面倒なことはすべて自分任せな状況に、夫婦でいる意味がわからなくなり、心が折れそうになっていました。
離婚はできない、子どもにも悪い。そう思う一方で、このまま夫婦を続けることも苦しい。追い詰められた多恵子さんを見た梅村さんは
「私が助けるから」「できることは何でも言って!」
と温かい言葉をかけました。その言葉に救われた多恵子さんは、涙をぬぐいながら「ありがとう。頑張れそうな気がします」と笑顔で答えるのでした。
◇◇◇
家事や育児をひとりで抱え込み、心が折れそうになってしまうこともあるでしょう。そんなときは、家族だけで何とかしようとせず、周囲の人や地域の支援を頼ることも大切です。
子どもの預かりなどを支援する「ファミリー・サポート・センター」や、子育ての悩みを相談できる自治体の「こども家庭センター」などがあります。また、「児童相談所相談専用ダイヤル(0120-189-783)」でも育児に関する相談を受け付けています。
助けを求めることは決して悪いことではありません。心が限界を迎える前に、頼れる場所を知り、自分自身を大切にしてほしいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター 紙屋束実
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