10月11日(日) 0:00
これまで家計のやりくりは教育費中心で手一杯だったため、老後資金の準備が遅れ、住宅ローンは定年退職後も続くケースです。
このようなケースの場合は、教育費分をそのまま貯蓄余力に変換し、加えて繰り上げ返済による固定費の圧縮を行う王道の方法です。これにより将来のキャッシュフローが安定し余裕も生まれます。具体的な進め方は以下のとおりです。
今までは、教育費という「支出」から「貯蓄」にシフトさせ、資産形成に重点をおいていきます。貯蓄の方法は普通預金、定期預金などもありますが、老後資金としての目的を考えれば、NISAやiDeCoなど税金面で優遇されているものが扱いやすいです。以下はそれぞれの特徴です。
・新NISA(つみたて投資枠)
長期・積立・分散投資による資産形成を目的とした非課税投資枠です。投資で得た運用益が非課税になっているのが特徴です、対象商品は金融庁が低コスト、長期・積立・分散投資に適しているなどの観点から一定の基準をクリアしたリスクを抑えた長期・分散投資に適した商品に限定されています。
また、購入時の手数料が無料、毎年負担する信託報酬も低く抑えられています。
・新NISA(成長投資枠)
こちらは、一括投資が可能で、対象商品は上場株式、投資信託、ETF、REIT(不動産投資信託)などさまざまです。株価の上昇に加え配当金や株式優待などの楽しみもあります。
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
拠出する掛金が全額所得控除の対象となり、毎年の所得税と住民税を安く抑えることができます。また、運用益は非課税となり、60歳以降に年金または一時金として受け取る際においても税金の計算上の控除が適用されます。
毎月の家計収支の余剰分のストックと賞与の一部を、積極的に繰り上げ返済に回します。住宅ローン完済時期の前倒しにより、利息の負担の軽減へとつなげていきます。
教育費のピークで一時的に貯蓄が目減りしている焦りと、定年後の収入減に対する不安を抱える方も多いと思います。このような場合には、「不労所得」を生み出す仕組みを並行して仕込むことが有効です。労働収入以外からも所得を得る家計構造への転換は、精神的なゆとりをもたらします。
将来の収入減少を見据えて家計のベース予算の見直しをすることで「削れる無駄」は排除します。
継続的・定期的な収入を得るために、保有している金融資産の中に占める高配当株の比率を高めて行きます。リスクを抑えるためには、複数の高配当株への分散も検討します。また、1銘柄買うだけで数十社の高配当株にまとめて投資できる高配当ETFも検討する価値はあると思います。
マネーシフトは、ライフステージの変化に伴い将来を考えたマネープランを柔軟に変えていく行動です。今まで家計を圧迫してきた支出がなくなり家計構造が変わるこの時期にこそ、将来を見据えたお金の使い方を見直す良いタイミングです。
ライフステージの変化に合わせて、これまでのマネー計画を総点検し、次のステージへ向けた舵を切る絶好の機会です。ご自身の理想とするライフスタイルに合わせ、わが家の家計構造を見直してみてはいかがでしょうか。
執筆者 : 仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント
【関連記事】
定年退職時に「貯蓄5000万円」の世帯は日本にどれくらいいる?