識者の出雲駅伝予想後編
(出雲駅伝・順位予想の前編を読む>>)
10月12日(月・祝)に開催される出雲駅伝では、國學院大の3連覇がかかっている。今回はライバルたちも強力な布陣で苦しい戦いが予想されるが、果たしてどういった展開になるのか。前編に続き、識者たちが上位5チームを予想した。
主将の野中恒亨を中心に大会3連覇を目指す國學院大 photo by 千葉格/アフロ
【優勝争いはスピードがある2校】
■
折山淑美(スポーツライター)
1位早稲田大
2位中央大
3位國學院大
4位青山学院大
5位順天堂大
優勝予想は、大物1年生たちが加入して勢いがついている
早稲田大
。その1年生だけではなく、5000mでは山口竣平(3年)の13分17秒19を筆頭に、鈴木琉胤(2年)も13分20秒64と自己記録を更新している。
6月の日本選手権5000mでは3人が決勝に進出し、1500mも本田桜二郎(1年)が僅差の2位と存在感を強烈にアピール。工藤慎作(4年)や吉倉ナヤブ直希(3年)も順調で、短い距離なら穴がなさそうだ。
スピードでは、2位に予想した
中央大
も負けていない。13分19秒44の岡田開成(3年)をはじめ、13分20秒台が4人いる。前回は1区で1位に立ったものの、2区で10位に転落して苦戦したが、序盤から流れを作れば早大にも対抗できそうだ。
大会3連覇を狙う
國學院大
は、今回は3位と予想。暫定オーダーでは補員に回っているエースの野中恒亨(4年)をどの区間で起用するか。彼の爆発力に期待だ。さらに、前回4区で区間賞を獲得した辻原輝(4年)も健在で、箱根5区で存在感をアピールした髙石樹(2年)の成長も頼もしい。近年は"駅伝力"の高さも見せているだけに、チームがどう仕上げてくるかに注目したい。
4位予想の
青山学院大
も、大エースの黒田朝日(GMO)が卒業したなかでチームをどう作り上げてくるか気になるところ。それでも、もともとスピードのある選手が多く、チームとして駅伝への対応能力も高いため、本番ではしっかりまとめてくるだろう。
トラックシーズンでは順調だった5位予想の
順天堂大
も、もともと素質が高い選手をそろえているチーム。箱根3位の自信を、今季の駅伝にどうつなげてくるか注目したい。
【3連覇を狙う國學院大が軸】
■
杉園昌之(スポーツライター&編集者)
1位國學院大
2位創価大
3位早稲田大
4位中央大
5位順天堂大
出雲駅伝の勝ち方を熟知し、高いモチベーションで臨むチームを本命候補に推したい。1位と予想した
國學院大
の前田康弘監督は「3連覇を狙いにいく」とはっきり口にする。出雲は三大駅伝で総距離が最も短く、"スピード駅伝"とも言われるが、「5000mの足し算ではないので」と自信をのぞかせる。
主将の野中恒亨(4年)、前回の箱根駅伝5区で区間4位と好走した髙石樹(2年)は、ともに10000m27分台の実力者で好調を維持している。勝負の行方を左右するのは髙石が配された10.2kmのアンカー区間(6区)か。
2位予想は、実力よりも低い評価を受けることが多い
創価大
。前回の箱根駅伝6区で区間賞を獲得して以降、覚醒しているエースの小池莉希(4年)の強さは5月の関東インカレ10000mでも目を引いた。駅伝経験豊富なスティーブン・ムチーニ(4年)、ロードに強い山口翔輝(3年)らも今季、すこぶる調子がいい。今年も前評判の高い名門をまくって上位に食い込んでも驚きはない。前回3位の実績も評価したい。
トラックシーズンをにぎわせた
早稲田大
は、大黒柱の工藤慎作(4年)を筆頭にタレントがそろうものの、未知数な部分もある。注目される1年生トリオの本田桜二郎(2区)、新妻遼己(4区)、増子陽太(補員)が額面どおりに走るのかどうか。1年生がハマれば独走もあり得るが、起用が裏目に出るリスクも考慮して3位に留めた。
トラックのタイムだけで判断すれば、
中央大
はナンバーワン。10000mは27分台が5人、5000mも上位5人は13分30秒を切る。そのうち、エース格の本間颯(4年)がエントリーから外れたが、主軸の岡田開成(3年)、主将の藤田大智(4年)らは27分30~40秒台で走り、スピードは大学界指折り。
ただ、前回大会10位のギクシャクしたタスキリレーが頭をよぎる。好ランナーをそろえながらも、過去に一度も優勝していないデータも無視できない。
5位は過去3度の大会制覇を誇る
順天堂大
。前回の箱根で総合3位に入った出走メンバーが9人残り、戦力は充実する。5000mの高校日本記録を持つ4年の吉岡大翔が順調に仕上がり、箱根路を沸かせた山本悠ら3年生も成長している。目標の5位以内は十分に狙える。今季前半を見るかぎり、駅伝界の横綱として君臨する
青山学院大
、大関の
駒澤大
が本領発揮するのは11月以降か。
(了)
【関連記事】
【駅伝順位予想】識者が占う出雲駅伝のトップ5スピードランナーがそろった大本命・早稲田大を脅かすチームはあるのか
【自転車】「これが五輪でもお前は脚を止めるか」世界選手権に挑む内野艶和が自らに問い続ける言葉
【大学駅伝】初の箱根制覇へ向けて順調な國學院大、東海大は新監督のもと「スピードの東海」再起動
【大学駅伝】「スピード軍団」中大が2年生コンビで加速、復調気配の駒大は「夏に仕切り直し」
【大学駅伝】箱根優勝を狙う早大がホクレンでも充実、創価大は期待の13分台ルーキーたちが躍動