誰かと一緒に撮った写真を「いつの間にか勝手にSNSに載せられていた……」なんて経験はありませんか? 今回は、そんな義母の非常識な行動に振り回されてしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。
知らない間に義母がSNSに投稿をしていた
ある休日の午後。塚本梨沙さん(仮名・32歳)が自宅でくつろいでいると、友人から一通のメッセージが届きました。
「そこには、『梨沙ちゃん、お義母さんのインスタ見たんだけど、あれ大丈夫なの?』と書いてありました」
実は以前、義母のSNS投稿について梨沙さんがこの友人に愚痴をこぼしたことがあり、それをきっかけに友人は義母のアカウントをフォローしていたそう。今回の投稿も、インスタグラムを見ていて偶然目にしたといいます。
「普段私は義母のSNSをほとんど見ないんですが、なんだろうと思って開いてみたんですよ」
投稿を見た瞬間、梨沙さんは思わず息をのみました。
そこには、少し前に義実家で撮影された自分の写真が、何の断りもなく投稿されていたそう。
「自慢」のつもりでも……個人情報を勝手に公開
「しかも義母は『○○社(勤務先)で毎日頑張ってお仕事している、かっこいい自慢のお嫁ちゃんです! 忙しいのにいつも優しくしてくれて、本当の娘みたい』とキャプションに書いていて」
一見すると、嫁を褒めている心温まる投稿にも見えますが……梨沙さんの血の気は一気に引いたといいます。
「私の勤務先まで書くなんて嘘でしょ? と驚きました。私が働く保育園では勤務先が特定されるような情報をSNSへ載せることについて注意喚起があって、私自身も気を付けていたのに」
義母にとっては「ただの自慢」のつもりだったのかもしれません。しかし、本人への確認もなく勤務先や顔写真を公開することが、どれほど危険な行為なのか全く理解していないようでした。
梨沙さんは慌てて義母へ電話をかけたそう。
「お義母さんに『勤務先が分かる内容は困るので、削除していただけませんか? それから、勝手に撮った写真を無断で載せるのもやめてもらえると嬉しいです』と伝えたんですよ」
できるだけ角が立たないよう、言葉を選びながらお願いしたつもりでした。
削除をお願いしただけなのに……まさかの逆ギレ
ところが返ってきたのは「はぁ? 何なの、その言い方! せっかく自慢してあげたのに。芸能人気取りしてんじゃないわよ」という耳を疑うような怒声だったそう。
「私はあまりのことに言葉を失いました。『そういう意味ではなくて……』と言いかけたところで『もういい!』と一方的に電話を切られてしまったんです」
自分の行動を省みるどころか、注意されたこと自体が気に入らなかったのでしょう。
「その夜、帰宅した夫に一部始終を話して相談すると、夫は表情を変え『母さん、勤務先まで書いたってどういうこと?』とすぐに電話をかけてくれましたが、義母は不満そうに『何よ。せっかく自慢してあげたのに』と繰り返したんですよ」
すると夫は、間髪入れずに「自慢とかどうでもいい。本人に無断で顔写真と勤務先をネットに載せるなんて非常識だ!」と注意しましたが、義母は反省するどころか「別に芸能人でもないくせに……誰も梨沙さんに興味なんてないから大丈夫よ」と鼻で笑ったそう。
誰かに狙われるかどうかではなく、本人が嫌だと言っている情報を、許可なく公開すること自体が問題なのですが……義母にはその線引きが理解できなかったのでしょう。
「家族だから」は何をしても許される理由にならない
「すると夫は『家族なら何をしても許されると思うな。梨沙が消してほしいって言った時点で、謝って消すのが普通だろ』とキッパリと言ってくれたんです」
ようやく義母は黙り込み、夫が「今すぐ消して」と言って電話を切ると、数分後には投稿は削除されていたそうです。
後日、義母と顔を合わせた際は少し不機嫌そうだったものの、それ以来、写真を撮る前もSNSへ投稿する前も「載せても大丈夫?」と必ず確認するようになりました。
「あの件で、ようやく『家族だから何をしてもいいわけではない』ということと、SNSには確認してから載せるという今では当たり前のルールを分かってくれたんだと思います」
SNSに必要なのは「悪気のあるなし」より「本人への確認」
「家族だから」「自慢したかったから」という言葉は、相手の意思を無視していい理由にはなりません。
「どんなに近しい関係でも、写真や個人情報を公開するかどうかを決める権利は本人にありますよね。そんな当たり前のことを改めて感じた出来事でしたね」と微笑む梨沙さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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