「波止場」「北北西に進路を取れ」で知られる米女優のエバ・マリー・セイントさんが、ロサンゼルスの自宅で死去したと、広報担当者が明らかにした。102歳だった。
テレビの生放送ドラマで評判を呼んでいたセイントさんに目をとめたのが、のちに「エデンの東」を撮るエリア・カザン監督だった。セイントさんはマーロン・ブランドとの即興の芝居を経て、「波止場」(1954)で、元ボクサーの港湾労働者テリー(ブランド)に、ギャングに立ち向かう勇気を与える娘イディの役を射止めた。これが初めての映画出演だった。
セイントさんはこの役でアカデミー賞助演女優賞を受賞し、授賞式の2日後に第1子を出産した。
アルフレッド・ヒッチコック監督の「北北西に進路を取れ」(1959)では、主人公(ケイリー・グラント)に手を貸しながら、実は敵の側にいる謎の女イブ・ケンダルを演じた。ヒッチコック監督はニューヨークの高級百貨店に同行し、劇中で着る服を彼女に選ばせた。セイントさんは2014年、米バニティ・フェアにその演出をこう明かしている。
「演技の話はしませんでした。髪、メイク、靴、宝石、バッグ、手袋と、何から何まで外側から私をつくっていったのです。外見を整えてもらっただけで、スパイの女になった気がしました」
だが、セイントさんは、スーパースターになりたいと思ったことはないと語っていた。1970年代に入ると代理人を解雇して映画の仕事を減らし、二人の子どもを育てることに専念した。その後はテレビと舞台が仕事の中心になり、ドラマ「こちらブルームーン探偵社」には、シビル・シェパードが演じた主人公マディの母親役で出演した。
映画にも再び出演するようになり、「スーパーマン リターンズ」(2006)では、クラーク・ケントの育ての母マーサを演じた。2014年の「ニューヨーク 冬物語」が、最後の映画出演となった。
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エデンの東
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写真:AP/アフロ