ニンニクくさっ! 電車で唐揚げを食べる学生たちに困っていたら…派手めギャルの“意外な一言”で空気が一変

ニンニクくさっ! 電車で唐揚げを食べる学生たちに困っていたら…派手めギャルの“意外な一言”で空気が一変

10月7日(水) 8:45

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電車の中で「ちょっと迷惑かも……」と思っても、相手が子どもだと注意しづらいことってありますよね。

今回は、そんな気まずい空気を変えてくれた、ある人物のエピソードをご紹介しましょう。

車内に広がったスパイシーな香り



ある日の夕方。南野紗奈さん(仮名・32歳)は、仕事帰りの電車に揺られていました。

「その日は仕事がバタついて少し疲れていたので、とにかく早く帰りたいなって思っていたんです」

会議が長引き、予定していた仕事も終わらず、ようやく退勤できた頃にはすっかり気力を使い果たしていたという紗奈さん。

電車に乗り込むと、車内は帰宅時間帯らしくそこそこ混雑していましたが、座席にはちらほら空きがあり、比較的落ち着いた雰囲気でした。

ところが次の駅で乗ってきた中学生くらいの男子2人組によって、その空気が変わったそう。

「最初は、『元気な子たちだな』ぐらいにしか思わなかったんですよ」

しかし座るなり、男子たちは膝の上に置いていた白いレジ袋をガサガサと開き始めました。

プーン……誰も注意できない微妙な空気



そして次の瞬間。袋の中から現れたのは、ニンニクたっぷりのホットスナックやスパイシーな唐揚げ、濃い味付けのお惣菜の数々だったそう。

揚げ物の油の香りに混ざって、ニンニクの刺激的な匂いが一気に広がります。

「美味しそうではあるんですけど、電車の中で食べるにはちょっと匂いが強すぎて……」

近くにいた女性はそっと眉をひそめ、別の乗客は顔を背けてため息をつきます。

「それでも男子たちは気づかない様子で『うめー! これマジ神』『ちょっ! オレのとるなよ』と盛り上がっていましたね」

どう考えても周囲は困っている。でも、知らない子どもたちを相手に注意するのも気が引ける。しかも「注意するほどのことではないのかも」という遠慮もあり、誰も何も言えない。そんな微妙な空気が車内を支配していたそう。

近寄りがたそうなギャルの、意外な声かけ



するとその時。向かい側に立っていた20代前半くらいのギャルが、ふっと男子たちの方へ近づいていきました。

茶髪のロングヘアに派手めなトップス。一見すると少し近寄りがたい雰囲気だったそう。

「私は、もしかしてキレちゃうのかな? と思わず身構えたんですが……そのギャルは笑顔で『ねぇねぇ、その唐揚げめっちゃ美味しそうじゃん』と男子たちに話しかけたんですよ」

男子たちは突然話しかけられたことに驚きながらも、悪い気はしなかったようです。

ギャル「スーパーで買ったの?」

中学生「そうっす」

するとギャルは「だよね〜。でもさ、今この車両、その唐揚げの匂いで満員なんだけど気づいてる?」と笑いながら言ったそう。

男子たちは一瞬ポカンとした表情になりました。

周りがどう感じているかという視点



「ですがギャルは笑顔のまま『電車ってさ、逃げ場ないじゃん? お腹空いてる人には飯テロだし、匂いが苦手な人もいるし。みんなちょっと困ってるかも』と独特の軽い口調で男の子たちに伝えていて」

その言い方は不思議なくらい柔らかく、説教っぽさがありませんでした。

責めるのではなく、「もしかしたら周りはこう感じているかも」と教えてあげるような話し方だったそう。

すると男子たちは周囲を見回し、そこで初めて、近くの乗客たちが微妙な表情をしていることに気づいたようでした。

「うわ、マジか……」そう呟くと、一人は慌てて唐揚げの容器のフタを閉じ、もう一人も食べるのをやめ、残りをビニール袋へ戻して持ち手をぎゅっと結んだそう。

「その光景を見たギャルが笑いながら『降りたあとゆっくり食べな〜。育ち盛りなんだからさ』と言うと男子たちは少し照れくさそうに『さーせん!』と頭を下げていましたね」

相手のプライドを傷つけない伝え方



その後、車内の空気はすっかり元通りになりました。

誰かが拍手するわけでもなく、ギャルも何事もなかったかのように元の場所へ戻り、スマホを見始めます。

けれど紗奈さんの胸には、そのやり取りが強く残ったそう。

「怒鳴ったり嫌味を言ったりするんじゃなくて、ちゃんと相手のプライドを傷つけずに伝えているのがさすがだなって思ってしまって」

もしあの場で「非常識でしょ!」と強く叱っていたら、男子たちは反発したかもしれません。

ですがギャルは相手を頭ごなしに否定せず、自分で気づかせる形を選んでいました。

「大人でも難しい伝え方を、自然にやってのけていて。女性の派手な見た目だけで『キレちゃうのかな?』なんて思ってしまってごめんなさい! と反省しました」と微笑む紗奈さんなのでした。

<文・イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

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