10月6日(火) 3:10
年収500万円だからといって、結婚や子育てが難しいとは一概にいえません。
年収500万円の会社員の場合、税金や社会保険料を差し引いた手取りは、条件にもよりますが年間390万円前後が一つの目安です。月平均にすると約32万円ですが、ボーナスがある会社では毎月受け取れる金額はこれより少なくなります。
仮に夫の収入だけで生活するなら、この手取りのなかから家賃や住宅ローン、食費、光熱費、通信費、保険料、教育費などを払わなければなりません。そのため、家賃が高い地域に住んだり、自動車を複数所有したりして固定費が増えると、毎月の支出も大きくなり、家計に余裕を持ちにくくなるでしょう。
一方、住宅費を抑えられる地域に住み、大きな固定費を抱えていなければ、年収500万円でも家計を組むことは可能です。また、妻にも収入があれば世帯年収は増えるため、貯蓄や教育費にも回しやすくなります。
なお、厚生労働省の「2025(令和7)年国民生活基礎調査」によると、児童のいる世帯の平均所得は857万3000円でした。ただし、これは共働き世帯なども含む「世帯全体」の平均です。年収500万円未満では子育てできないという基準ではありません。
子育てでは、日々の食費や衣服代だけでなく、進学に伴う教育費の負担も考えておく必要があります。
文部科学省の「令和5年度 子供の学習費調査」によると、子ども1人あたりの年間学習費は、公立小学校が36万6599円、公立中学校が54万2450円、公立高校が59万6954円です。幼稚園から高校まで公立に通った場合でも、単純計算で約617万円になります。
ただし、この金額には大学進学にかかる費用は含まれていないため、進学を希望する場合は別途準備が必要です。
また、私立への進学や塾・習い事を増やすと支出は大きくなります。そのため、「年収500万円で子育てできるか」だけではなく、「子どもは何人ほしいか」「どのような教育を受けさせたいか」まで考えることが重要です。
希望する教育環境を実現しやすくするためにも、子どもが小さいうちから教育費を少しずつ積み立てておくと、中学・高校以降に支出が増えたときも対応しやすくなるでしょう。
今回のケースでは、彼の年収500万円そのものよりも、父親が年収1000万円の家庭で育った場合、実家と結婚後の生活水準の違いに戸惑うこともあるでしょう。例えば、実家では外食や旅行を頻繁にしていた、希望すれば習い事ができた、私立学校への進学を選びやすかったという場合、結婚後も同じ感覚で支出すると家計が苦しくなるかもしれません。
ただし、父親の年収と結婚相手の年収を単純に比べるのは適切ではありません。収入は年齢や勤続年数、キャリアによって変わるため、現在の父親の年収と、これから家庭を築く結婚相手の年収では条件が異なります。
父親も結婚当初から年収1000万円だったとはかぎらないため、現在の収入だけを比べて将来の生活水準を判断するのは避けたほうがよいでしょう。
また、自分が働く場合は、夫の年収だけでなく、夫婦の世帯収入で考える必要があります。結婚後の生活や家計を検討するときは、実家の暮らしを基準にするのではなく、夫婦で希望する生活水準や将来設計をすり合わせることが大切です。
結婚を予定している彼の年収が500万円でも、住宅費や教育方針、妻の収入などによっては結婚して子どもを育てることができます。一方、高額な住宅ローンを組み、私立への進学や頻繁な旅行などを希望すれば、家計に余裕がなくなる可能性もあります。
結婚前には「子どもは何人ほしいか」「家を買うか」「共働きを続けるか」「教育にいくらかけたいか」など、家計や将来設計に関する考え方を夫婦で共有しておくことが大切です。年収の数字だけを見るのではなく、実際の手取りと希望する生活費を照らし合わせて家計を試算し、結婚後の暮らしを具体的に考えていきましょう。
厚生労働省 2025(令和7)年国民生活基礎調査の概況 II 各種世帯の所得等の状況
文部科学省 令和5年度子供の学習費調査 調査結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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