老若男女、楽しめる趣味として人気を誇るレジャー・登山。コロナ禍の影響もあり登山人口は減少したとはいえ、現在でも470万人が楽しむ趣味となっています(※2025年レジャー白書調べ)。
一方で、低い山などを短時間で軽く登る「ゆる登山」や、ケーブルカーや自家用車を使用した頑張りすぎない登山なども増えてきており、楽しみ方が多様化しています。
登山は、運動能力やセンスがなくとも、爽やかな汗を流すことができる親しみやすいレジャー。雄大な景色の美しさ、特別感、登頂すれば周囲からもにわかに羨望のまなざしを得ることができる、ある意味SNS映えする趣味ですが、それが目的となってしまうのも考えもの。
今回は小学校3年生から登山を趣味としている筆者が聞いた、「映え狙い」の困った登山者について考えてみたいと思います。
彼の「頂上でカップラーメン」熱にドン引き…
「元彼と交際していた時のこと。登山が趣味の彼は、登頂のたびにカップラーメンを食べてインスタにあげていました。初めて一緒に登った際も、登頂時に景色を楽しむよりすぐにカップラーメンの準備を開始。ですが、強風でバーナーに火をつけることに苦戦し、お湯も十分に沸騰させることが出来ませんでした。
てっきり諦めるかと思いきや『こういうこともあろうかと』と持参した水筒の中から熱湯を取り出して、カップラーメンに注ぎ始めました。熱湯も十分な温度ではなかったため食べられたものではなかったですが、そこまでして食べたいの? とドン引き。荷物も重くなるのに……。
インスタでは相変わらず『これを楽しみにここまで来たんだ』と自分に酔った投稿。もっと残念だったのが、食べ残した汁をその場に捨てていたこと。それが主な理由ではないのですが、一因となってお別れしました」(30代・女性)
登頂時のカップラーメンが絶品であることは理解できますが、マナー違反は考えものです。この彼氏はカップラーメンのお湯より、モラルを登山に持って行くべきでしたね。ちなみに富士山で販売しているカップラーメンは1300円。それだけの価値のあるおいしさではありますが……。
子供の撮影に夢中になり、スマホの充電がゼロ!
「初めて6歳の子どもと登山に行った時のこと。頑張っている我が子をみんなにも見てもらおうと、流行りの動画共有SNS『setlog』にもリアルタイムでちょくちょく投稿していました。動画や写真も撮影していたことや電波状況、気温も相まってスマホ電池残量がみるみる減っていき……。
充電するも全然追いつかず、1泊2日の山小屋登山で最後の半日は電源が尽きてただの重い板に。リアルタイム投稿が変な所で途切れたこと、そして電話もつながらなかったことで、友人たちにいらぬ不安を抱かせてしまいました。救助を要請するような遭難をしなくて本当によかったです」(30代・女性)
今やなくてはならないスマホ。その安心からか、スマホ登場以降、逆に遭難件数が増えたという噂もあります。
山では寒暖差が激しく、充電の減りも早いもの。記録も大事ですが、ほどほどの使用を心掛けて行きましょう。ちなみに筆者も山で「スマホ充電0」の経験があります。その時の不安と言ったら……!
そのウェア、登山にはセクシーすぎない?
「富士登山ツアーで、自称インフルエンサーの女性2人と同じパーティーになりました。『写真や動画を回しますがプライバシー配慮をしますので…』とその礼儀正しさに安心しましたが、出発するなり上着を脱ぎ、キャッツアイのような全身ピチピチのセクシーなウェアに……。女性の私でも目のやり場に困りました。
それだけだったらいいのですが、若さゆえか『早く先に行きたい!』と訴えはじめた彼女たち。その日は昼過ぎから雨予報だったので、キラキラした撮影が出来なくなるのを心配していたのでしょうか?
そうかと思えば、登山途中でたびたび撮影をするため、足を止めてしまったり…団体行動を乱した怒りを通り越して、SNSへのモチベーションがすごいなと感心してしまいました」(50代・女性)
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“映え”の風景を記録したいという欲求は、世代に関係なくあるもの。ですが反面、登山は危険と隣り合わせ。承認欲求とうまくつきあい、マナー遵守をすることが第一。いざとなったら危険を見極めて行動することを心の片隅に置いて、「映え登山」を楽しんでいけたらいいですね。
<文/小政りょう>
【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
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