芦田愛菜に「合ってない」の声も…元天才子役が『南田南』『薬屋』で試される“本当の”実力

画像:『南田南弁護士は天才肌』関西テレビ公式サイトより

芦田愛菜に「合ってない」の声も…元天才子役が『南田南』『薬屋』で試される“本当の”実力

10月5日(月) 15:47

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全世界シリーズ累計5,700万部を超える小説を原作とした『薬屋のひとりごと』が、2028年にPrime Videoにて実写ドラマ化され、240以上の国や地域で世界独占配信されることが決定。

主人公・猫猫(マオマオ)役として俳優の芦田愛菜さんが起用されることも発表されましたが、SNSでは演技力のある彼女を歓迎する声がある一方、一部で「清楚すぎでは?」「役に合ってない」とする声もあがり、原作ファンを中心に賛否が分かれています。

さらに『南田南弁護士は天才肌』(関西テレビ/フジテレビ系)の予告編が公開され、演技を韓国版と比べられ不安視する声も。それでも、彼女は両役ともやり遂げると断言できるのです。

天才子役から知性派女優への転身



芦田さんの経歴を振り返ると、子役時代の2010年に『Mother』(日本テレビ系)で児童虐待を受ける少女を演じ、数々のドラマ新人賞を受賞。翌年6歳で『マルモのおきて』(フジテレビ系)の主演を務め、主題歌『マル・マル・モリ・モリ!』を歌う姿はあまりの愛らしさで爆発的人気に。

以降、連続テレビ小説『まんぷく』(NHK総合)で朝ドラ史上最年少ナレーションを担当したり、日曜劇場『さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜』(TBS系)で主演を務めるなど、着実にキャリアを積んでいきます。

その傍ら、慶應義塾大学に進学し、品のある知性派としてCMにも引っ張りだこに。

こうして国民的子役出身俳優の地位を築いてきた芦田さん。それなのに、一部で「猫猫役と合っていない」という意見が上がるのはなぜでしょうか。彼女と役の相違点を振り返ってみたいと思います。

『薬屋』“変人”猫猫役をどう演じる?



まず、はっきり違う点は外見の印象でしょう。花街出身で後宮に下級女官として売り飛ばされた猫猫は、男性から目を付けられないようにあえてそばかすメイクを施すなど“地味”です。

芦田さんのように、子役から大人になるまで一線級でいられる華のあるスターとは違うかもしれません。ただその点は、芦田さんクラスの演技派であれば、本来の可愛らしさを目立たなくさせるメイクや髪型、表情などでカバー出来るはずです。

次に挙げられるのが、猫猫の人物像と芦田さん本人のパブリックイメージです。猫猫は、薬学知識と観察眼で謎や陰謀を解明していくのですが、冷静かつドライで他者に皮肉を言ったり、叱責したりと毒のあるキャラクター。さらに、薬や毒に異様に興味を示す変人でもあります。

可愛いだけじゃない“凄み”ある演技力



一方、芦田さんは起用社数ランキングで1位になるほどCMに引っ張りだこで「明るく元気」「清純で煌びやか」な姿が多く見られます。ここは猫猫像と乖離していると言って良いかもしれません。

さらに芦田さんは学業優先でドラマ・映画出演をセーブしていた時期もあるため、印象が『マル・マル・モリ・モリ!』とCMで止まっている視聴者も多いはずです。ただ、『マルモのおきて』といった代表作以外の芦田さんの演技にも着目していくと、印象が変わるはず。

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9歳で主演した『明日、ママがいない』(日本テレビ系)は児童養護施設が舞台で、芦田さん演じる佐々木キララは赤ちゃんポストに預けられていた少女。辛い生い立ちを持ち厳しい施設で生き抜く子ども達のリーダー的存在で、口も態度も悪い。

大人を時に冷笑的に、時に反抗的に睨み、いざこざがあれば激昂したり取っ組み合いの喧嘩をしたりと、ダークさ全開の芦田さんが見られます。あまりの凄みに筆者も「もはや愛菜ちゃんじゃない、愛菜姉だ…」と驚愕させられました。

同作でのキララの陰や毒っ気はかなり猫猫に近い。また、里親候補の前では猫をかぶって良い子ぶるなど、本心を隠して別の顔を見せる様は、メイクによって自身の見せ方を使い分ける猫猫に通じるものがあります。

強い「芯がある」という共通点



『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日テレ系)では、いじめに遭い自ら命を絶つ女子高校生・鵜久森叶を演じています。人生2週目に入った彼女は、自分の傷にも他者の痛みにも敏感で、教室の空気の歪みにもよく気が付く。

猫猫も後宮の人間関係、事件の真相、毒の痕跡を冷静に俯瞰で見ることが出来る女性です。内に秘めた強い意思で、周囲に流されず立ち向かおうとする姿は叶にも猫猫にも共通していると言えるでしょう。

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また、主演映画『メタモルフォーゼの縁側』では、BL漫画好きの女子高校生・佐山うららに扮しています。彼女は、社交性が無く目立たない存在で、それでも興味のあるBL漫画については目を輝かせ生き生きとなる。

これは、猫猫が恋愛や人間関係に無頓着でありながら、薬や毒のこととなると好奇心が一気に表出するオタク気質であるところと類似しています。

知性という武器がアドバンテージに



さらに、芦田さんは子どもの頃から大人と対峙してきたため、相手との距離感を計り厳しい世界を観察し、処世術を身に付けてきた。この経験が、礼儀正しいだけでは生きてこられない花街や後宮で生きる猫猫に説得力を持たせられるはずです。

そして何より、小学校時代の夢が薬剤師で、現在有名大学に通い読書家である芦田さんには、知性という武器がある。これは達観していて、薬の知識でロジカルに相手を追い込む猫猫と本質的に共通しており、外見が似ているかどうか以上のアドバンテージがあるように思います。

原作者が芦田さんに会った際には、「実際お会いして『猫猫だ!』となりました」と彼女を絶賛。原作ファンがイメージする猫猫というよりは、原作者が思い描く猫猫像に芦田さんが合致していると言えそうです。

『ウ・ヨンウ弁護士』“完コピ”ではない理由



秋には人気韓流ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の日本版リメイクである主演ドラマ『南田南弁護士は天才肌』で、自閉スペクトラム症を持つ弁護士役に挑む芦田さん。公開された予告編に対し、彼女が演じる南がヨンウに寄せきれていないとして疑問視する声もあるようです。

ただ、リメイクは実写化と違い、再現度の高さの勝負ではなく、いかに日本版としてローカライズさせられるかが成功の鍵なのではないでしょうか。

原作の魅力のひとつは、パク・ウンビンさんが演じられたヨンウの愛らしさであることに間違いありませんが、南はヨンウとは別の人物。韓国版を完全コピーしても日本が舞台のドラマでは違和感が出てしまう恐れもあります。

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東大法学部首席の弁護士という設定には芦田さんの知性が活かされるはず。そして、ASDについても同じ特性を持つ方々と触れ合い、本を読み込み、積極的に学びとろうとしています。何より「自分らしい南を演じられたら」というコメントからも、芦田さんなりの「南田南」を確立しようとしているのではないでしょうか。

彼女の南としての芝居を受けた角田晃広さんも「圧倒され、自分のセリフが飛びそうになるくらい引き込まれました」と語っています。芦田さんは、今作が日本版として視聴者に受け入れられる天才像を新たに設計できる俳優と言えるでしょう。

天才子役の枠を超え挑戦し続ける芦田さん。難役を重ねて深みを増した彼女が魅せる猫猫と南は、きっと国内外の原作ファンを唸らせてくれるはずです。

<文/こじらぶ>

【こじらぶ】
ライター・コラムニスト。上智大学大学院外国語学研究科修了・言語学修士。ドラマ、男性&女性アイドル、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X: @kojirabu0419

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