《約3年で40倍超》個人向け国債の金利急上昇…60代以降こそ見直したい「資産の置き場所」《経済のプロ荻原博子が徹底解説》

経済ジャーナリスト・荻原博子さん(写真:本誌写真部)

《約3年で40倍超》個人向け国債の金利急上昇…60代以降こそ見直したい「資産の置き場所」《経済のプロ荻原博子が徹底解説》

10月2日(金) 11:00

日銀は9月18日に「政策金利」を1.25%に引き上げました。1年未満の貸し借りに適用される「短期金利」の指標となるもので、31年ぶりの高水準です。

加えて、10年国債の利率を表す「長期金利」も上昇しています。9月に入り3%を超えることも多く、30年ぶりの高水準です。

金利の上昇で注目されるのが「個人向け国債」です。9月募集では「固定5年」の金利が2.24%と2%超(税引前、以下同)。2023年7月募集は0.05%でしたから、約3年で40倍以上の上昇です。ほか「固定3年」が1.96%、金利上昇に合わせて半年ごとに適用金利が変わる「変動10年」が1.95%です。

個人向け国債は、日本国が破綻しない限り元本割れがないので安心です。金利上昇はまだ続くと見込まれるので、しばらく使う予定のない資金の置き場として、変動10年を選ぶ人が多いです。

個人向け国債は購入から1年たてば、1万円単位で中途換金できます。中途換金しても元本割れはありませんが、利息は減らされます。また、手続きに3営業日ほどかかることにも注意してください。

■借金の少ない人には金利上昇は歓迎すべきこと

緊急で使うかもしれない資金は普通預金が安心です。政策金利の上昇を受けて三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは普通預金の金利を11月2日から0.5%にアップ。2024年3月までの0.001%から2年半で500倍です。

ネット銀行などではもっと高金利も。たとえば、あおぞら銀行BANKは、100万円までの普通預金金利を現在の1%から10月以降は1.2%に上げます。100万円を超えた分の金利は、10月以降は0.75%。定期預金並みの金利といえるでしょう。

さらに、みずほ銀行では16年半ぶりに「貯蓄預金」が復活します。貯蓄預金は普通預金と同様いつでも出し入れでき、預金残高に応じて金利が変わるもの。みずほ銀行では残高10万円未満なら0.4%、10万~30万円だと0.41%と段階的に上がっていき、300万円以上が最高の0.45%。12月13日までは金利が2倍になるキャンペーンを開催中です。

PayPay銀行の普通預金「ステップアップ円預金」も、預金残高に応じて金利が変わります。11月以降の金利は、ポイント付与なども合わせると0.5%から最高は0.8%。たくさん貯めようというモチベーションになるのでは。

いっぽう、金利の上昇には住宅ローン金利が上がるなどのマイナス面もあります。ですが、60代以上は住宅ローンの利払いがほぼ終わり、退職金などで預金が増えた人が多いでしょう。みずほ総合研究所によると、60代以降は金利上昇で年約2万円の恩恵を受けるそう。借金の少ない人には金利上昇は歓迎すべきことなのです。

60代以降はお金を増やすより、減らさないことが大切。安全にお金を増やす手段が増えたので、資産の置き場を見直してみましょう。

【PROFILE】

おぎわらひろこ

家計に優しく寄り添う経済ジャーナリスト。著書に『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP新書)、鎌田實氏との共著『お金が貯まる健康習慣』(主婦の友社)など多数

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