シアトル発の世界的コーヒーチェーンのスターバックス ジャパンと、世界で愛され続けているポケモンが、コラボする。奇しくも、2026年はスターバックスが日本に上陸して30周年、そしてポケモンも『ポケットモンスター 赤・緑』の発売から30周年という記念すべき年。そのコラボで新たに登場する限定ドリンクは、なんとバリスタのバトルによって選ばれた。
【写真】パートナーはポケモンへの想いやそれをコーヒードリンクにどう落とし込んだかを語った
バトルが開催されたのは、2025年12月。スターバックスの社内レシピコンテスト「ポケモン×スターバックスバリスタ バトル」だ。全国から700を超える応募の中から選ばれた6人のパートナー(従業員)が、ポケモンたちが持つ個性や能力をイメージしたコーヒードリンクをプレゼン。優勝者のレシピは、今年9月にスターバックスの店舗で提供される栄誉を手にする。誰が、そしてどんなドリンクが、グランプリを勝ち取ったのか?熱いバトルの様子をお届けする。
■ポケモンとともに歩むコーヒーアドベンチャー
バトルでは、「Connection Over The Coffee Adventures~ポケモンと一緒に、未知のコーヒーの可能性をめぐる旅へ~」をコンセプトに、コーヒービギナーにも楽しめるコーヒーを使ったドリンクを考案。選考を経て選ばれた6人は、一緒に働く仲間やサポートセンター(本社)のパートナーたちの力を借りながら、この日のために6カ月かけてレシピをブラッシュアップ。その道のりは、まさにポケモンと歩む冒険のような日々だっただろう。大会ではその軌跡を、10分間のプレゼンに込めた。
出場者はポケモンたちとの思い出やワクワクをどうドリンクに表現したのかを語り、実際にドリンクを作って審査員に提供。株式会社ポケモン代表取締役社長の石原恒和さん、スターバックス ジャパンCEO 森井久恵さんら4名の審査員は、ドリンクが持つストーリー、ビジュアル、味などから厳正に審査した。
審査員や観客を前に少し緊張した面持ちでスタートしたバトル。ポケモン愛を熱く語る人、ポケモンやコーヒーに勇気づけられた思い出を語る人…会場は笑いや拍手に包まれる温かな雰囲気で進行した。各出場者たちのプレゼンをご紹介しよう。
「ヒトカゲ ひのこブリュレ りんごモカ」——MARK IS 静岡店の山下さん
山下さんとポケモンとの出合いは、小学2年生の時。ポケモンがきっかけで隣席の足の速いクラスメートと仲良くなり、その後も交流を深め、二人でポケモンをテーマにした旅に出かけたこともあったと振り返る。「思い返すと、大きな出来事にはいつもポケモンがいました。ポケモンは私にとって財産であり、原動力です」と熱い想いを語った。
そんな山下さんのドリンクは、ブロンド エスプレッソをベースに、ヒトカゲの尻尾の炎のように穏やかで芯のある焙煎感を五感で楽しめるカフェモカ。コーヒー、ミルク、リンゴ果肉ソースがかかったホイップの3層で表現した、苦みを抑えた軽やかな一杯だ。
「お客様に忘れがたい思い出を作っていただくと同時に、コーヒーが人生のパートナーになってくれたら」と想いを込めた。
「ピカチュウ ハニークリーム ラテ」——郡山安積店の新田さん
「厳格な父親が、幼いころにクレーンゲームで初めてとってくれたのが、ピカチュウ」だと、その原体験を語る新田さん。「ピカチュウのように、コーヒーもみんなに愛されてほしい」と、ピカチュウをモチーフにしたドリンクを考案した。
元気でかわいい黄色のピカチュウをイメージする食材として選んだのは、ハチミツ。エスプレッソローストにハチミツとキャラメルを混ぜたシロップを加え、ハニーホイップをトッピング。赤いハート型のシュガーでピカチュウのほっぺを、チョコレートソースでピカチュウの模様を表現し、ワクワクする一杯に仕上げた。
「ポケモンが発する光は、“好き”という気持ちがつくる前向きなエネルギー。好きがあれば頑張れます。お客様がこのドリンクをきっかけに、日常生活の中で、ポケモンに親しんでもらえたらうれしいです」
「イーブイの塩キャラメルポップコーンラテ」——アリオ西新井店 渡邉さん
幼いころのお絵かき帳に、ポケモンの絵がびっしり残っているという渡邉さん。スターバックスでは来店客、ドリンク、フード…いろいろな縁を大切に日々カウンターに立ち、「ポケモンからも人と人をつなげる情熱を感じている」と言います。
イーブイのふわふわの尻尾の毛をイメージした一杯は、0.01グラムまで塩分量にこだわった塩ポップコーンのシロップを合わせ、キャラメルムースを重ねたラテ。仕上げに砕いたキャラメルポップコーンとチョコレートソースを“V”字にあしらった。
「飲むと、まるでそこにイーブイがいるように感じられると思います。このイーブイをどんなふうに進化させていくのか、想像しながら楽しんでください」と、これからコーヒージャーニーに踏み出す人に向けてワクワク感を添えた。
「イーブイ スイートムースフォームラテ」——須磨大丸店の小田さん
子どものころから大好きなポケモンを、母となった現在は、子どもと一緒に楽しんでいる小田さん。「苦しい時も楽しい時もそっとそばにいてくれる大好きなポケモンが、自分のサードプレイスと手を組む。最高の形にしたいと思います」と意気込む。
作ったのは、ポケモンの進化の多様性と、スターバックスが大切にしている多様性を重ねた一杯。イーブイのようなふわふわのムースを、イーブイのバニラ味、エーフィのミックスベリー味、ブラッキーのダークココア味の3種類から選べるラテを考案した。
「選ぶ楽しさ、発信する楽しさを、今まで興味がなかった人にもおしゃれで楽しそうと思ってもらえたらうれしいです」
「イーブイのキャラメルアップルパイクッキーラテ」——イオンモール浦和美園店の只野さん
主人公がポケモンと旅立つ姿を見て、自らも旅立つような高揚感を持ち、ポケモンが好きになったという只野さん。イーブイの進化の可能性にコーヒーとの共通点を感じ、「さまざまなポケモンがいるようにコーヒーにも発見がある」と語る。
考案したのは、ホイップクリームでもふもふのイーブイの尻尾を表現した、甘酸っぱい一杯。香ばしいコーヒーの風味の中にアップルパイの酸味や甘味を感じ、飲みやすさが光る。
「小さな感動が好奇心や学びにもつながる。ポケモンと一緒にその世界に踏み込んで冒険してもらいたい」という想いを込めた。
「ピカチュウ バナナチョコレート ラテ」——イオンモール高知一階店の山本さん
初めてプレイしたゲームも、初めて見た映画館で観た映画もポケモンで、「ポケモンは私の人生の“日常”」だと語る山本さん。アニメ『ポケットモンスター』で描かれた、主人公サトシと相棒のピカチュウが冒険する様子が、コーヒーデビューという旅にピッタリだと、ピカチュウをモチーフに選んだ。
バナナピューレを加えた黄色いラテは、コーンフレークをトッピングしてピカチュウのカミナリを表現。幅広い世代の来店客の中で、親子がテイスティングを通じてコーヒー体験を共有する瞬間をたくさん生み出していきたいとの想いから「小中学生や高校生にも楽しんでいただける、コーヒーデビューにピッタリの一杯です」とアピールした。
■優勝は、ピカチュウをモチーフにした一杯
6人の想い出や経験、そこから育ってきた個性や感性が生み出した、ポケモンとスターバックスへの愛情がたっぷり詰まったドリンクたち。
審査員たちも「皆さんの所作が素晴らしかった。どれも注文してみたいと思わせる味わいとポケモンへの情熱を感じました」(株式会社ポケモン代表取締役社長 石原さん)、「うちのパートナーはやっぱりすごい。情熱を言葉にしてストーリーにして伝えるというのは、素晴らしい。しかも味もそれぞれ個性豊かで、しっかりポケモンのストーリーを熟知したうえで掛け算されていて、全員優勝です」(スターバックス ジャパンCEO 森井さん)と、出場者を称えた。
そんな激戦の中、今回、見事グランプリに輝いたのは、新田さんの「ピカチュウ ハニークリーム ラテ」だ。
名前が呼ばれると驚きの表情を浮かべ、「勝ち負けよりも大事なものを得られました」と涙を浮かべた新田さん。ディストリクトマネージャー(地区担当マネージャー)ら、支えてくれた仲間たちと熱いハグを交わしていた。
※出場者の所属店舗は大会開催時もののとなります。
■たくさん写真を撮ってピカチュウ×スターバックスを楽しんでほしい
大会終了後、新田さんに受賞の気持ちを伺うと「感謝の気持ちでいっぱいです」と、多くの力に支えられた完成した一杯だと教えてくれた。
「私はストアマネージャー(店長)なのですが、競技の準備で店を離れる時も、パートナーが理解して支えてくれました。そして、一緒に戦った5人のみんな、サポートセンターのビバレッジ部・商品開発部・マーケティング部の皆さんが、6カ月にわたるドリンクのブラッシュアップに寄り添ってくださいました」
9月には、期間限定で実際に「ピカチュウ ハニークリーム ラテ」が店頭に登場するが、その瞬間を思い描くと、ワクワクが止まらない様子だ。
「見た目のかわいさにはとてもこだわりました。エスプレッソをグラデーションにしたところが、自分でも気に入っているポイントです。そのまま飲んでも味の変化を楽しめますが、5回以上混ぜて飲むのがおすすめです。若い世代にも最後まで楽しんでいただける甘さのバランスで、かつコーヒー好きにも満足できる味わいになっています。
お客様にはたくさん写真を撮って楽しんでいただき、このドリンクが思い出の一ページになったらうれしいです。」
熱いバトルを経て決定した、初めてのポケモン×スターバックスのドリンク。両者のファンだけでなく、これまで触れてこなかった層を新たなコーヒーの旅へ、そしてポケモンとの冒険へと誘う可能性を秘めている。どんな広がりを見せるのか、期待が高まる。
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