【サッカー日本代表】後藤啓介「『最初の5試合』で結果を残さないと」新天地での初ゴールの裏にあった"滑り出し"へのこだわり

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【サッカー日本代表】後藤啓介「『最初の5試合』で結果を残さないと」新天地での初ゴールの裏にあった"滑り出し"へのこだわり

10月1日(木) 9:45

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【連載】サッカー日本代表・後藤啓介のROUTE42~GO TO 2030~

Vol.01前編

4年後の2030年ワールドカップに向けた歩みを克明に記録する、サッカー日本代表FW後藤啓介の新連載がスタート。今夏、ドイツ・フライブルクへステップアップを果たした後藤。高校2年生でプロデビューを飾ったジュビロ磐田時代から意識する"滑り出し"へのこだわりとは。



新連載がスタートしたサッカー日本代表FW後藤啓介photo by Kyodo News

新連載がスタートしたサッカー日本代表FW後藤啓介photo by Kyodo News







【「『こいつは短い時間でも決めてくれる』と思われないと」】後半アディショナルタイムだった。

途中出場の後藤啓介は、ヴィンチェンツォ・グリフォのCKを頭でゴールに叩き込んだ。フライブルクの3点目。試合を決定づける一撃だった。

2026年8月20日、UEFAカンファレンスリーグのプレーオフ、マザーウェル戦は、後藤にとってフライブルクでの初陣だった。北中米ワールドカップの閉幕から、およそ1ヵ月しか経っていなかった。

「『最初の5試合』はすごく意識していました。移籍したばかりのタイミングで、サポーターやチームメイトから認められるには、『最初の5試合』で結果を残さないといけないと思っていましたから」

なぜ、「最初の5試合」なのか。

「やはり、大事なのはゴールじゃないですか。移籍してすぐのタイミングでは特に。最初は出場時間も短いので、『こいつは短い時間でも決めてくれる』と思われないと、パスは出てこないですから」

では、そのゴールの後に何が変わったのか。

「最初のゴールを決めてからは、試合中にパスが来るようになりましたし、アイコンタクトも取れるようになりましたね。信頼を勝ち得るには、やはり、最初にどれだけ結果を残せるかだと思っています」

【高2でプロデビューし、意識した"滑り出し"】後藤が、加入してすぐに目を付けたチームメイトがいる。

「ヴィンチェ」の愛称で親しまれ、クラブ史上最多得点を誇る33歳のヴィンチェンツォ・グリフォだ。冒頭で触れた後藤の初ゴールをアシストしたレジェンドである。

「彼はキックの精度が高いので、『ヴィンチェにボールが渡った時はかなりチャンスになる』とプレシーズンのキャンプから思っていました。FKやCKも多く任されていて、キックに自信を持っている選手だなと感じていましたし。そういう選手がサイドでボールを持った時に目が合ったり、ボールが来たりすることは、ストライカーとしてかなり重要だと思っています」

実は、チームメイトを知るためにさりげなく工夫をしていた。

「ヴィンチェのゴール集が彼のインスタグラムに載っていて、それを全部見たりしていました」

思えば、後藤はJリーグデビュー戦でも"滑り出し"を意識していた。2023年2月のJ2開幕節、まだ高校2年生のプロ選手としてファジアーノ岡山戦に送り出された。

「ジュビロでプロになった時は高校2年生でしたけど、新加入選手は自分しかいなかったので、最初のメンバー入りから注目されていました。あの時も『ここで一発決めれば、一気に注目されるだろうな』とは思っていましたね」

【「啓介、そこは本当に良いポジションなのか?」】そして、元日本代表FW高原直泰氏の記録を25年ぶりに更新する、クラブ史上最年少ゴールを決めた。にもかかわらず、ガッツポーズはしなかった。チームが0-3とリードを許していたからだ。3分後には高い打点のヘディングで2点目を奪い、鮮烈なJリーグデビューを飾ったのだが、その新人らしからぬ振る舞いは、今もファンの語り草になっている。

「今でも、皆さんに言ってもらえるくらいなので。やはり、滑り出しはすごく大事ですよね」

2030年ワールドカップへの長い道のりの出発点となったフライブルクは昨季、ヨーロッパリーグで準優勝、ドイツ杯でベスト4、ブンデスリーガでは7位の成績を残している。そんなクラブに来て、後藤が最も大きな手ごたえを感じているのは、自身の滑り出しについてではない。

「こういうクラブは、なかなかないですよ。若いうちにこれだけの『基礎』を求められるクラブに来られて良かったと感じています。ここで求められることをしっかりやっておけば、将来、どのクラブに行っても活躍できると思うので」

後藤の言う「基礎」とは、なんなのか。

フライブルクに来て早々、ユリアン・シュスター監督から思わぬ指摘をされた。

「啓介、そこは本当に良いポジションなのか?」

*

ちなみに、連載タイトルの「サッカー日本代表・後藤啓介のROUTE42~GO TO 2030~」には、さまざまな意味が込められている。

まずはプロデビューを果たしたジュビロ磐田以来、すべてのクラブで着用する「背番号42」への思い。



そして、「GO TO 2030」には、4年後のワールドカップに向けた熱い意気込みのほか、「後藤」=「GO TO」との言葉遊びも仕込まれている。

さらに、「ROUTE42」=「国道42号」との不思議な縁も。なんと、この国道、後藤の出身地である静岡県浜松市中央区を起点とし、サッカー日本代表のエンブレムに描かれている「八咫烏」の神話ゆかりの地、紀伊半島の三重県熊野市などを通っているのだ!

これから約4年間にわたって、日本サッカーの未来を託された次世代エースの"リアル"に迫り、2030年ワールドカップに向けた歩みを克明にお伝えしていく。

【プロフィール】

◆後藤啓介(ごとう・けいすけ)

2005年6月3日生まれ、静岡県浜松市出身。ドイツ1部リーグのSCフライブルク所属。ジュビロ磐田U-18から2種登録でトップデビューし、2023年のJ2開幕戦で17歳260日のクラブ最年少得点記録を樹立。2024年にベルギー1部リーグのアンデルレヒトへ移籍し、同1部リーグのシント=トロイデンでの飛躍を経て、今季からドイツ・ブンデスリーガに挑戦中。2026年の北中米ワールドカップでは最年少で日本代表メンバー入りを果たし、エースナンバーの背番号「9」を託された。これまで所属したすべてのクラブで背番号「42」を着用している。



ミムラユウスケ●取材・文text by Yusuke Mimura

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