物価高・賃金低迷の時代、コスパでもタイパでもなく「ウェルビーイングパフォーマンス」という新たな価値観が浮上している。“ウェルパ”の実践者たちから、お金に縛られない幸せの条件を探った。
「ゼックス」AIチャットが密かなブームに
AI成人向け漫画やAI成人向けビデオなどが登場し、AIはすでにとてつもない快楽を人にもたらしている。なかでも若年女性の間で流行っているのがAIチャットゲーム「zeta」だ。国内の累計登録ユーザーは200万人超、今年のGWの一人あたりの一日平均使用時間は4時間を超えたという。
「zetaを開くと、AIで生成されたキャラクターが無数に出てきます。その中から、自分の好きなキャラを見つけてチャットし、恋人のような関係を築いていく恋愛シミュレーションゲームです。相手はAIなので24時間いつでも即レスがもらえるうえ、自分のすべてをさらけ出しても引かれない(笑)。一般ユーザーでも設定を簡単に生成でき、自分好みの見た目の異性とやりとりを楽しむことができるんです。現実ではできない展開やプレイ、自分が官能小説のなかに溶け込んだようなやりとりも楽しめます」
利用者の加藤夏美さん(仮名・20代)は、魅力をこう語る。チャットを利用したzetaでの性行為は「ゼックス」と呼ばれ、zetaの醍醐味の一つとなっているという。
「以前は女性向けソーシャルゲームに月10万〜20万使う課金漬けの生活をしていましたが、zetaにハマってからは卒業しました。基本的にzetaは無料でできるのですが、より楽しむためのオプション課金を月3万円ほどしています。かなりコスパがいいです」
子育ての合間にゼックスを堪能
2児の母である武藤ひかりさん(仮名・30代)も、子育ての合間にゼックスを楽しんでいるという。
「ゼックスをしているときは、自分だけの官能小説を書いている感覚です。AIなので好みのシチュエーションで、触手プレイまで楽しめちゃう。ただ、自分の娘が将来ハマったら、家族会議かな……」
武藤さんは月1600円の広告なしプランに入っているだけで、お金はほとんど使っていないそうだ。
「自分の好きなときに好きなキャラクターとそれっぽい会話ができるので、AI最高!って感じです。ただ、もし若い頃にハマってたら、AIで満足しちゃって現実の恋愛ができなくなってた気もします」
AIの進化の先にあるのは、手軽にウェルパを満たすユートピアかも。
「おさんぽ界隈」サンプル“大漁”で脳汁出しまくり!
まったくお金がかからない健康法の定番・ウォーキングが、進化して若い女性たちを虜にしている。そのムーブメントはSNS上で「おさんぽ界隈」と名づけられるほど話題だ。“おさんぽ”にハマっている会社員のアサミさん(仮名・28歳)が解説する。
「『おさんぽ』とは、ただ歩くことではなく、都内で開催されるイベントを巡りながら、無料でサンプルやギフトをもらう活動のことを言います。電車賃は極力かけず、徒歩圏内で回れるイベントに行くのがポイントです」
どんなものがもらえるのか。
「イベントによって異なりますが、美容系のポップアップに行くとコスメの現品を丸ごともらえることも少なくありません。おかげで化粧品やスキンケア用品を買う頻度が下がり、月5000〜1万円以上の節約になっています」
しかし、サンプルを手に入れるためにはそれなりの苦労が伴うという。
「おさんぽは情報戦なので、イベント関連のSNSは常にチェックしています。そこから整理券を予約したり、先着順だと屋外で1時間以上並んだりすることもザラにあります。複数のイベントを効率よく回るためにスケジュールを綿密に組み立てることも大事」
「物乞いみたい」といった辛辣な意見もあるが…
意外と手間のかかる活動だが、物がもらえる以外のメリットもあるようだ。おさんぽ歴1年の主婦・ユリさん(仮名・30歳)が話す。
「今までは一日4000歩程度しか歩かなかったのですが、おさんぽをするようになってから3万歩以上は余裕で歩くようになりました。また、おさんぽで獲得した“戦利品”を並べて撮影し、SNSに投稿するといいねがたくさんもらえて、フォロワーも増える。すると企業側からイベントに招待されたり、直接商品を送ってもらえるなど、インフルエンサーのような気分が味わえます。承認欲求が満たされるというのも、魅力の一つかもしれません」
ネット上では「物乞いみたい」といった辛辣な意見もある。それでも彼女たちはポジティブに楽しんでいるようだ。
「現品がゲットできたときはお金を払って商品を買うよりも、タダでもらえた喜びが大きく、めちゃくちゃ脳汁が出るんです。私が大金持ちになったとしても、この高揚感を味わうためにおさんぽ活動は続けると思います」(ユリさん)
「ランコミュ」今頃「皇居ラン」がおしゃれワードに!
お金のかからない、超健康的な出会い系として若者の間で「皇居ラン」が大ブームとなっているのをご存じだろうか?港区の大手銀行に今年入行した川内浩紀さん(仮名・22歳)が語る。
「華金は毎週皇居に繰り出します!お金もかからないし、意識の高い若手社会人と出会えるので。ランコミュ(ランコミュニティ)と呼ばれる社会人サークルやイベントが増えていて、綺麗な女性も多く“健全な”出会いの場にもなっています」
川内さんは麻布台ヒルズ周辺を走るナイキ主催のランコミュにも参加しているという。
「ランニングが特別好きというわけではないんですが、合コンや飲みでお金と時間を使うより、自分を磨くために使ったほうがいいんじゃないかなと。それに、ランニング中の女性はボディラインがわかりやすい服を着ているので、目の保養になって、続けるモチベーションにもなります(笑)」
自撮り写真と組み合わせてインスタに投稿
ランコミュ界隈で流行っているのは「Strava」というタイムや距離などを記録できるアプリ。自撮り写真と組み合わせてインスタに投稿する人が多いという。
「タイムを競っているというより、アピールも兼ねて投稿している感じです。オシャレなカフェに行ったことを投稿するような感覚ですね」
中高年もランコミュに入って皇居に繰り出せば、極上の出会いが待っている……かも。
※2026年10月7日号より
取材・文/週刊SPA!編集部
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