『孤独のグルメ』原作者が気が付いた、キンパと合う意外な食べ物「もう怖いものなしのセットだ」/久住昌之

キンパ味噌汁油揚げキムチ

『孤独のグルメ』原作者が気が付いた、キンパと合う意外な食べ物「もう怖いものなしのセットだ」/久住昌之

9月24日(木) 8:53

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『孤独のグルメ』原作者で、弁当大好きな久住昌之が「人生最後に食べたい弁当」を追い求めるグルメエッセイ。今回『孤独のファイナル弁当』として取り上げるのは「キンパ味噌汁油揚げキムチ」。果たして、お味はいかに?

孤独のファイナル弁当 vol.43「キンパ味噌汁油揚げキムチ」

キンパは韓国風海苔巻きだ。

初めて韓国に旅した40年前にも、確か街角で売っていて食べた。

韓国にも海苔巻きがあることがちょっと意外で、しかも中にタクアン的なものが入っているのも意外。でもひと口で親しみを感じ、おいしかった。ごま油が韓国らしいと思った。

日本ではあまり市販されていないが、なぜか時々目の前に現れる。

でもそれは自分で頼んだものでなく、韓国料理店の料理の一部としてついでに登場する感じで、その度に、

「あ、キンパ! 久しぶり。元気? 最近どうしてるの?」という感じで一つ二つつまむ。

去年、韓国に行った時、市場に行ったら「麻薬キンパ」という物騒な名前のキンパがあり、近年韓国で流行っているという。

もちろん麻薬が入っているわけではなく、麻薬のように中毒性があるほどおいしい、という意味のようだ。

でも日本で「麻薬ラーメン」という麺を出す勇気のあるラーメン屋はないだろう。

麻薬キンパは細くてつまみやすく食べやすく、味もなんというかモダンですごくおいしく、なるほどこれは流行るかもしれないと思った。

それが頭に残っていたのか、駅ビルの韓国料理販売店でキンパ弁当を買ってみた。

「プルコギキンパ」。プルコギは韓国の肉料理だ。薄切りの肉を野菜などと甘辛く煮たもの。これが入ったキンパ。これはボリュームというか食べ応えもありそうで、ただのキンパより弁当に向いているのではないか。キムチと一緒に買った。

持ち帰ってさっそく一つ食べた。確かにこれはキンパだ。どこまで日本風にアレンジがなされているのかわからないが、自分の口にすんなり合って、おいしい。プルコギ感は薄いけど、確かに単なるキンパよりオカズ感がある。

自宅で仕事をしていた昼だったので、簡単な味噌汁を作ることにした。具はネギと豆腐とわかめと、あと小松菜を刻んだ。

それと油揚げがあったので、フライパンで焼いた。ただ焼いただけ。これが大好きなのだ。酒のつまみには大根おろしと刻みネギと醤油だが、今日はキムチがある。キムチを挟んで食べる。これが、うまい!

もう怖いものなしのセットだ。キンパ、味噌汁とすごく合う。韓国ではキンパと味噌汁を食べる習慣はあるだろうか? すごく合うので勧めたい。焼き油揚げキムチとも合う。

韓国では肉を食べる時、同時に野菜をたくさん食べる。あれが大好き。日本の焼き肉屋にはサンチュぐらいしかない。このキンパセットには野菜感があると思う。味噌汁に入れた小松菜のシャキシャキ感もすごく効果的。キンパを飽きずにいくつでも食べられる。日本の海苔巻きと全然違う。白ゴマもいい働き。

このセット、すごくいいと思うのだが、韓国の方はどうだろう?

【久住昌之】
1958年、東京都出身。漫画家・音楽家。代表作に『孤独のグルメ』(作画・谷口ジロー)、『花のズボラ飯』(作画・水沢悦子)など。Xアカウント:@qusumi

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