職場では、立場や経験に関係なく、周囲と協力しながら仕事を進めることが大切ですよね。しかし、自分の都合ばかりを優先し、面倒な仕事を周囲に押しつける人がいると、職場全体が振り回されてしまうことも。
今回は、非常識な新人・後輩の言動に悩まされた、2人の女性にまつわるエピソードをご紹介します。
まずご紹介するのは、支社勤務を終え、本社へ戻ってきた女性のお話です。女性を新人パートだと思い込んだ新入社員は、「コーヒーを買ってきて」「この仕事も代わりにやって」と好き放題。女性があえて言われた通りにすると……。
「おばさん、コーヒー」私を新人パートと勘違いした男性
私は大手商社で働く40代の会社員です。数年前、社長に頼まれて支社へ赴任し、業績改善のめどが立ったため、本社へ戻ることになりました。
復帰する少し前、同期の社員と会った際、「ちょっと困った新人がいる」と聞きました。
自称「会社のエース」の新人
その新人・A男は、高学歴を鼻にかけるタイプ。社長と同じ大学を卒業していることを理由に、自分を「会社のエース」だと周囲に吹聴しているそうです。
一方で遅刻やミスも多く、部長に注意されても「自分より学歴が低い上司の言うことなんて聞けません」と反発。小さな仕事は嫌がり、周囲も手を焼いているとのことでした。
そんなある朝、私がPCを立ち上げていると、A男が突然声をかけてきました。
「ねえ、おばさん。新人パート? 俺、この会社のエースなんだよね」
そして、私のことをよく知りもしないまま、「どうせ高卒でしょ? たいしたことできなさそうだし、
コーヒー買ってきてくださいよ
」と言い出したのです。
周囲の社員たちはぎょっとした表情。同期が慌てて私のことを説明しようとしましたが、A男はお構いなしでした。
さらに、「昨日、先輩から頼まれた仕事も代わりにやってくれません? 俺はこんな小さい仕事やってる暇ないんで」と続けます。あまりの態度に腹は立ちましたが、ここで感情的になっても仕方ありません。
私はあえて、「わかりました。コーヒーと資料作成ですね」と答えました。
言われた通りに仕事をした結果…
しばらくして、席を外していたA男が戻ってきました。
「ん? 俺のコーヒーは?」
私は「ああ、ごめんなさい。先に頼まれた仕事を進めていました」と答え、完成した資料を差し出しました。
「今、終わりました。確認をお願いします」
するとA男は、資料を見ながら目を丸くしました。
「うそだろ……本当にこれ全部?」
そこで同期が口を開きました。
「彼女、新人パートじゃないよ。支社の業績を立て直して戻ってきた人だから」
A男は驚いた様子でしたが、私はさらに、「コーヒーはこれから買ってきますね。ちょうど父にも差し入れしようと思っていたので、社長室にも寄ってきます」と伝えました。
それを聞いたA男の表情が一変。同期が、「彼女、
社長の娘でもあるの
」と補足すると、A男は真っ青になりました。
正体を知った途端、態度が一変
「ま、まさか社長の娘さんだったなんて知らなくて……」
A男は慌てて謝り始めました。しかし、私が気になったのはそこではありません。
「相手が誰であっても、あの言い方は失礼です。これからは私が指導を担当します。一緒に覚えていきましょう」
そう伝え、その後は私がA男の新人教育を担当することになりました。
ところがA男は、地道な仕事や注意を受けることに耐えられなかったようです。しばらくすると「こんな会社、辞めてやる!」と言い、自ら退職しました。
A男がいなくなったあと、部署の雰囲気は少しずつ落ち着いていきました。
今回の出来事を通して、相手の立場を勝手に決めつけて態度を変えることの危うさを改めて感じました。私自身も、役職や年齢に関係なく、周囲の人を尊重して仕事をしていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
◇ ◇ ◇
続いてご紹介するのも、自分の仕事を周囲に任せてしまう後輩女性のお話です。大切な予定があるからと、終わっていない仕事を先輩社員に押しつけて帰った彼女。しかし、その「大切な予定」とは……。
仕事を押しつけて帰る後輩女性→実は弟の婚約者だった!?
私は会社員として働いており、当時は関連会社へ出向し、新人や後輩の指導を担当していました。
そんな私が手を焼いていたのが、中途入社してきたA子でした。
A子は仕事上のミスが多く、指摘しても反省している様子があまりありません。「次は気をつけてね」と伝えても、同じようなミスを繰り返し、そのたびに私や周囲の社員がフォローしていました。
終わっていない仕事を置いて帰ろうとして…
さらに困っていたのが、自分の仕事が終わっていなくても、予定があればそのまま帰ってしまうこと。締め切りに余裕を持って仕事を頼んでも手をつけず、結局ほかの誰かが引き受けることも少なくありませんでした。
ある日の夕方、A子が「私、今日はもう上がるんで」と帰り支度を始めました。その日、A子には取引先へ提案書を送る仕事があったため、私は念のため確認しました。
すると返ってきたのは、「それなんですけど……
先輩、やってもらっていいですか?
」というひと言。私は驚きながらも、「あなたの仕事だよね? 今日中に先方へ送らないと困るよ」と伝えました。
するとA子は、「今日は婚約者の家族との食事会なんです。ヘアセットもしたいし、着替えもあるし……。婚約者の家族との食事会に行くなって言うんですか?」と言い出したのです。
もちろん大切な予定なのはわかります。ただ、仕事以外の予定があるのはA子だけではありません。そのために早めに仕事を進めたり、難しければ事前に相談したりするものではないでしょうか。
とはいえ、今から食事会へ行くというA子を引き止めるわけにもいかず、結局、私が仕事を引き受けることになりました。
実は私にも大切な予定が…
ただ、その日は私にも大事な予定がありました。弟が近々結婚することになっており、その夜は家族で、弟の婚約者と初めて食事をする予定だったのです。
ところがA子の仕事を確認すると、ほとんど手がつけられていませんでした。結局、私はイチから作業することになり、弟の婚約者との食事会には間に合いませんでした。
せっかくの機会だっただけに残念でしたが、その日は仕方がないと諦めることに。
ところが後日、弟から送られてきた食事会の写真を見て、私は言葉を失いました。
そこに写っていたのは――
A子だったのです
。弟には出向先について詳しく話していなかったため、まさかこんなところでつながるとは思ってもいませんでした。
会社で何度も仕事を押しつけられている相手が、まさか自分の義妹になるかもしれないとは思ってもいませんでした。
ただ、弟が選んだ相手です。私からあれこれ言うのも違う気がして、どうすべきか悩みました。
弟から突然「結婚はやめた」
それからしばらくは、A子が弟の婚約者だと知りながらも、職場ではこれまで通り接していました。一方A子は、私が婚約者の姉だとは知らない様子でした。
そんなある日、弟から電話がかかってきました。
「結婚はナシにした」
突然の言葉に驚いて理由を聞くと、弟は以前からA子の自己中心的な言動に違和感を覚えていたそうです。結婚に向けた話し合いでもトラブルがあり、これから夫婦として生活していく自信がなくなったとのことでした。
そこで私は、「婚約者って、A子でしょ?」と尋ねました。驚く弟に、「実は、今私が出向している会社の後輩なの」と伝え、これまでの職場での様子も話しました。
弟は黙って聞いたあと、「やっぱり、そういう人だったんだな……」とつぶやきました。
私が「彼の姉」だと知った後輩は…
数日後、A子も私が婚約していた相手の姉だと知ったようでした。
それまでとは違い、私に対してどこか気まずそうな様子を見せるようになり、以前ほど仕事を放り出すこともなくなりました。
そしてしばらくすると、A子が別部署への異動を希望していることを知りました。その後、希望が通り、A子は別の部署へ異動。
私もそれからしばらくして出向期間を終え、元の会社へ戻ることになりました。
今回の出来事を通して、自分の都合ばかりを優先していると、思わぬところで人との関係に影響することもあるのだと感じました。仕事でもプライベートでも、周囲への配慮や誠実さを忘れないようにしたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
◇ ◇ ◇
今回ご紹介した2つのエピソードでは、どちらも新人・後輩が自分の都合を優先し、周囲に仕事を押しつける場面がありました。
忙しいときに誰かへ助けを求めることはあるでしょう。しかし、それを当たり前だと思ったり、相手の予定や負担を考えずに押しつけたりすれば、信頼を失う原因にもなりかねません。
仕事はひとりで完結するものではないからこそ、周囲への感謝や配慮を忘れず、お互いに気持ちよく働ける関係を築いていきたいものですね。
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著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
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