精神的な持病がある佐藤茜さんは、そのことを理解してくれた大和さんと結婚し、数年後に妊娠。ハイリスク妊婦であるため、総合病院で出産することに。母のサポートを受けるため実家近くに引っ越し、夫は単身赴任となりました。
その後、羊水が人より多いことが判明し、NICU併設の総合病院での出産に変更。「生まれてみないと何とも言えない」と言われ不安でしたが、無事出産。元気な産声を聞いて一安心したのも束の間、食道が切れていると報告があり、手術をすることになったのです。
「佐藤さん、こちらの同意書にサインお願いできますか?」
目の前に差し出されたのは、心臓が止まったときに使う人工呼吸器の承諾書や手術に同意する書類でした。手を震わせながら、茜さんは何とかサインします。
生まれたばかりの娘の手術が、まもなく始まります。
「頑張って……!! お母さんがついているからね」
なかなか終わらない手術……。茜さんは緊張しっぱなしで落ち着かず、ずっと娘の心配をしていました。そして5時間後、看護師さんが穏やかな面持ちで
「手術、無事終わりました」
と声をかけてくれたのです。
手術後のわが子の姿に…
「食道と胃、無事繋がりました」
食道が短く、少し引っ張るようにして繋げたため、やや食道が細くなったと伝えられました。しかし、母乳や育児用ミルクを与えるには問題がないとのこと。
看護師さんに連れられてNICUに向かった茜さんの胸は、緊張でドキドキ……。
「こちらです」
案内された保育器には、たくさんの管に繋がれた娘がいました。NICUでは簡単な説明だけを受け、詳しい話は病室で聞くことになり……。
「また、来るね」
病室に戻る茜さん。小さな娘の姿を目の当たりにして、涙が止まらないのでした。
◇ ◇ ◇
手術が無事に終わったという知らせにほっとしたのも束の間、NICUでたくさんの管につながれたわが子の姿を目の当たりにすることは、どれほど胸が締めつけられる瞬間か、想像するだけで胸が痛くなりますよね。頭では「手術は成功した」とわかっていても、その小さな姿を見て涙が止まらなくなるのは、当然のことではないでしょうか。
そんなときは、自分の気持ちを無理に抑え込まず、泣きたいときは泣いてもいいのだと思います。そしてひとりで抱え込まず、家族や信頼できる人に今の気持ちを打ち明けることが、こうした時間を乗り越えていくうえでの支えになるのではないでしょうか。
著者:いもやまようみん
著者:マンガ家・イラストレーター いもやまようみん
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