救急車を呼ぶと隊員から「便は出ているか?」と尋ねられるも、父の下半身の確認に抵抗が…!!20代で親を看取った話

焦る気持ちを抑えつつ、救急車を呼んだ。/作=キクチ

救急車を呼ぶと隊員から「便は出ているか?」と尋ねられるも、父の下半身の確認に抵抗が…!!20代で親を看取った話

9月22日(火) 13:00

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焦る気持ちを抑えつつ、救急車を呼んだ。
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自身の体験をコミカルな漫画で描いてきたキクチさん(kkc_ayn)。母親の自宅介護と看取りを描いた「20代、親を看取る。」では、親との死別をめぐる複雑な感情を描き、同じ経験をした人や親の老いを感じ始めた同世代から反響を集め、2023年に書籍化された。

■父の病に直面
「父が全裸で倒れてた。」カバー

第1話1-1

第1話1-2

「父が全裸で倒れてた。」は、母を看取ってから約2年後、今度は父が病に倒れたことをきっかけに始まる物語だ。母の介護と看取りを経験したことで落ち着いて対応できることも増えた一方、一人っ子として頼れる家族がいない中で、さまざまな決断を迫られることになる。今回は、苦しそうな父を前に、救急車が到着するまで奮闘するキクチさんの姿が描かれる。

■焦りと不安の中で救急車を待つ
119番に電話し、救急隊員からの質問に答えながら父の状態を伝えていくキクチさん。緊迫した状況の中、救急隊とのやり取りや携帯電話の着信拒否設定が解除される場面など、実体験ならではの細かな出来事が描かれている。

救急隊員から「いまでも便は出ているか、全身はどんな状態か」と尋ねられたものの、父の下半身を確認することには抵抗があったという。

「私は緊急事態とは言え、ふとんをめくりあげて父の全裸の下半身を見る勇気がありませんでした。母のときもそうでしたが、老いた親の下半身や性器を見るのは、私には結構メンタルのダメージがあるんです。確認すべきだったかなと思いつつ、いま考えてもやっぱり無理かもと思っています」

救急車を待つ間、キクチさんは父に声をかけ続けた。「『もうすぐ来るからね』と言って励ましながら『“もうすぐ”って言ってから10分も経っちゃったんだけど!?』と心の中で自分にツッコんでいました。焦りはありつつもどこか冷静で、夫に『玄関前にいて救急隊の人が来たら案内して』と指示していました。救急車が来てくれるという安心感で、少しずつ心が落ち着いたのかもしれません」

■夫の行動が「きっと戻れる」と思わせてくれた
そんな緊迫した状況で、落ち着いてサポートしてくれた夫の存在も大きかった。父がすぐに戻ってくると信じ、掃除を始めた夫の姿が、キクチさんの気持ちを少しずつ変えていく。

「夫は父がすぐに戻ってくることを信じていて、だからこそ『掃除をする』という選択肢を取ってくれました。一方の私はそれどころじゃないし、この状況に絶望していて『すぐ戻る』なんて想像もつきませんでした」

そんな夫の行動を見て、「そうだよね、きっとすぐ戻れるよね!」と前向きな気持ちになれたという。「普段はほわほわと不思議なオーラをまとった夫なのですが、毎回、ピンチのときの夫の行動力には頭が上がりません」

■親の老いと死に向き合う日々を描く
タイトルの通り、全裸で倒れている父を発見するところから始まる「父が全裸で倒れてた。」。親の介護や看取りという重いテーマを扱いながらも、キクチさんは自身の戸惑いや心の動きを淡々と、ときにはクスリと笑える場面を交えながら描いている。

母の介護と看取りを経験したキクチさんが、今度は父の急変を前に何を感じ、どのような決断をしていくのか。誰もがいつか直面するかもしれない「親の老いと死」を描いた本作の続きにも注目したい。

■取材協力:キクチ(@kkc_ayn)

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