【写真】“ヴィラン”さながらの高笑いをする猫猫
TVアニメ「薬屋のひとりごと」(ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)。待望の第3期放送を目前に、これまでのストーリーを当時の反響とともにプレイバック。本記事では第20話「曼荼羅華」を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)
■「薬屋のひとりごと」
「薬屋のひとりごと」は、全世界でシリーズ累計5700万部を突破した、日向夏氏による謎解きエンターテインメント。毒に目がない少女・猫猫(CV:悠木碧)が後宮で毒見役となり、さまざまな陰謀を解き明かしていく。
2023年10月に放送を開始したTVアニメは、猫猫のフラットで痛快なキャラクター性はもちろん、本格的なミステリー要素と異国情緒あふれる世界観で紡ぎだされる人間ドラマで多くの支持を集め、日本のみならず世界でも人気を得ている。
2026年10月2日(金)よりTVアニメ第3期(毎週金曜夜11:00-11:30、日本テレビ系/各種配信プラットフォームで順次配信)が分割2クールで放送されるほか、シリーズ初の劇場版「薬屋のひとりごと 亡妃の秘宝」が、12月11日(金)に公開される。
■壬氏暗殺計画の全貌が明らかに
壬氏(CV:大塚剛央)の寝室で目が覚めた猫猫。起き上がった時の痛みで自分の身に起こった出来事を思い出す。祭事に乱入した彼女は、天井から落ちてきた金属柱の真下にいる壬氏を危機一髪で助け出すも、左足に15針縫う大怪我を負った。すぐさま壬氏の部屋に高順(CV:小西克幸)と馬閃(CV:橘龍丸)が集められ、事の経緯を説明することに。
猫猫はまず、今回の出来事は3つの偶然が重なった事故であることを説明する。一つ目は、高官だった浩然が塩分の過剰摂取で亡くなったこと。二つ目は、小屋でボヤが起き、同時に別の場所で祭具が盗まれたこと。そして三つ目は、ほぼ同時期に祭具の管理をしていた官が食中毒で倒れたこと。ちなみに前任の管理者は浩然だった。全ては祭具を盗むために、周到に仕組まれたことだったのだろう。
盗まれた祭具は、金属柱を天井の滑車を中継して床に固定していた金具と猫猫は見ていた。しかし、そんな大事なものが盗まれたのだとしたら新しく作り直されるだろうし、また祭事に使うなら凝った装飾が施されるはず。そこで、猫猫は以前亡くなった宮廷御用達の彫金細工師のことを思い出したのだ。細工師は3人の息子たちに、低温の熱で溶ける合金の作り方を伝授しようとしていた。金属柱を床に固定する金具の近くには熱した釜が……。
おそらく細工師は誰かに依頼されて作っただけで、計画のことは知らなかったのだろうと猫猫。それでも、事件が起きれば違和感を覚え、職人として原因を特定しようとするかもしれない。その前に消されたのか。だとしたら息子たちに秘伝を授けずに亡くなった理由も説明がつく。もっとも猫猫が遺言に残された謎を解き明かしたことで秘伝は明らかとなり、今回の事故も犠牲が出ずに済んだのだが。
何にせよ、壬氏は何者かによって計画的に命を狙われていたことになる。後宮で権力を持っているとはいえ、一宦官であるにもかかわらず、重要な祭事を任され、命まで狙われているという壬氏とは一体? 猫猫は「自分には関係ないことだ」と、それ以上深く考えるのをやめた。
■もはやヴィランな猫猫の高笑いが話題
後日、一連の事件に関わっていたと見られる翠苓(CV:名塚佳織)が毒をあおり、遺体で見つかった。医官による検死も済み、明日には棺のまま火刑に処されるという。いつも無気力で投げやりな態度だった翠苓。生きる気力がなかったとも言えなくはないが、猫猫には翠苓が自殺したとは到底思えない。薬草畑で「ここに朝顔を植えるの」と語っていた彼女の試すような口ぶりも気になった。また、その直前に口にした“蘇りの薬”というワードも。
猫猫は好奇心に抗えず、翠苓を検死した医官と会わせてもらえるよう壬氏に頼む。当日、やってきたのは翠苓と医局で親しげに話していた医官だった。やつれた顔の医官に、翠苓が飲んだ毒に曼荼羅華(まんだらけ)が使われていなかったかと問う猫猫。曼荼羅華は別名「朝鮮朝顔」とも呼ばれ、花の形が朝顔に似ている。毒性は強いが、適量なら麻酔薬としても作用するため、薬草畑で植えられていた可能性もあった。
症状から見て曼荼羅華が使われていた可能性は高いが、断定はできないという医官。すると、猫猫は遺体が収められている棺桶をこじ開ける。中に入っていたのは、なんと翠苓ではなく別の女性の遺体だった。医官は「私が翠苓を見間違えるわけがない」と困惑する。彼は翠苓に思いを寄せていたため、毒を特定するために解剖してその体に傷をつけることを躊躇ったのだろう。だが、それこそが狙いだったのだ。
誰も見ていない隙に入れ替わった遺体。元の遺体はどのように外へ持ち出されたのか。猫猫は「持ち出す必要はありません。自分で歩いて帰ったのですから」と不思議なことを言う。医官は翠苓の死亡を確認している。一度死んだ人間が生き返ることはない。だが、猫猫曰く、人を死んだように見せる薬はあるというのだ。遠い異国にあるというその薬は材料に曼荼羅華と河豚毒を使うと、猫猫は聞いたことがあった。
おそらく翠苓は検死が終わった後で息を吹き返し、業者の格好をして死体置き場から出て行ったのだろう。代わりに用意された遺体が燃やされた後だったら、完全勝利だったが、「そんなことはさせない」と心でつぶやく猫猫。彼女は翠苓が生きていることに興奮を隠せない。自分の命を賭けの代償にしてまで、みんなを騙そうとした翠苓のしたたかさに興味を持ったのと同時に、蘇りの妙薬の作り方を絶対に教えてもらうために彼女を必ず捕まえると心に誓った猫猫のヴィランさながらの高笑いに、視聴者から「猫猫の笑い方が完全に敵サイド…笑笑」「まるでラスボスのような高笑い」「人に興味を持ったっぽいけど笑い方怖いよ」「高笑いしてた猫猫、笑い方がどことなく羅漢に似てるwやっぱり親子だw」という声が上がっていた。
■壬氏の正体が気になる
その後、猫猫は再び玉葉妃(CV:種崎敦美)の毒味役として後宮勤めが決まる。玉葉妃の月の道が途絶え、妊娠の可能性が浮上したのだ。先に生まれた姫君と玉葉妃と仲睦まじげな皇帝の姿を見て、「ただの好色おやじではないのかもしれない」と印象が変わった様子の猫猫。皇帝は、洒落好きで会うたびに別人のようになる掴みどころのない楼蘭妃に頭を悩ませつつ、幼女趣味の先帝を嫌悪しているため、幼い里樹妃(CV:木野日菜)には手をつけていない。
ただ楼蘭妃は皇太后に気に入られた重鎮であるため、下手に扱うわけにはいかないようだ。相談役としても頼りにしていた阿多妃(CV:甲斐田裕子)の代わりに入内してきた淑妃は、宮廷にすら影響を与えかねない変わり者の娘。猫猫は心の中で皇帝に同情する。
一方、壬氏は阿多妃と現帝の子に思いを馳せる。皇太后の出産と重なったために後回しにされ、阿多妃は子宮を失った上に、生まれた男児も幼くして亡くなった。「その時の子が今生きていれば……」「さっさと次の東宮をこしらえてしまえばいい」と心でつぶやく壬氏。その真意は計りかねる。彼は一体、何者なのか。謎はどんどん深まっていく。
※種崎敦美の崎は、正しくは「たつさき」
◆文=苫とり子
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