【写真】「女王の家」のスペシャルイベントで、指差しポーズでキメるキム・ヒョヌク
韓国ドラマの名作や話題作を数多く放送中のBS10で、9月23日(水)より「女王の家」が、無料初放送される(毎週月曜~金曜、昼5:00-6:00)。本作は“マクチャン系”と呼ばれるドロドロの愛憎&復讐ドラマだ。誰もが羨む幸せな人生を送っていた主人公が夫や親友に裏切られ、財産や地位、家族…すべてを失ってしまう。それでも絶望の中で立ち上がり、愛と復讐を通して“家族”と“人生の価値”を問い直していくストーリー。主人公が自分を陥れた者を破滅させていく痛快展開は、見始めたら最後まで見届けずにはいられなくなる。韓国で最高視聴率11.9%の本作で主人公の弟・スンウ役を演じたキム・ヒョヌクに、ドラマの魅力や役柄について語ってもらった。
■姉役のハム・ウンジョンは、「撮影外でも“良いお姉さん”」
キム・ヒョヌクは1997年生まれ。Netflixで配信中の人気ドラマ「悪霊狩猟団:カウンターズ2」や「キルヒール」など、話題作に次々出演している。本作で彼が演じる“カン・スンウ”は、何不自由無い生活の中で無責任でお気楽に生きていたが、運命の波に揉まれる役どころ。時に闇堕ちしながらも、それを乗り越えて成長していく姿を熱演している。
――今回、ハム・ウンジョンさんの弟役ですが、撮影現場でウンジョンさんは、どんなお姉さんでしたか?
ウンジョン姉さんは、撮影をしていない時も本当の僕のお姉さんみたいでした。ドラマの中でウンジョンさんが演じた“カン・ジェイン”は、僕が演じた弟のスンウを常に気遣ってくれる人。スンウの性格が変わってしまった時でも「スンウは私の弟、私の家族」という思いが揺るがない姉なんです。
ウンジョン姉さんも、役と同じように僕を気にかけてくれて…。具合が悪い時は心配してくれたり、カン・ジェインと100%一致してました。僕たち2人は、とても強い絆で結ばれてましたね。
――優しくてすてきな先輩ですね。ウンジョンさんがアイドルグループの“T-ARA”のメンバーとして活動していた時、ヒョヌクさんは小学生ですよね?子どもの頃に見ていたトップアイドルがお姉さん役になって、何か思うところはありましたか?
実は僕の両親が厳しくて、子どもの頃はテレビをほとんど見せてもらえなかったんです。だから共演が決まってから、アイドル時代の映像を見てみました。
実際にお会いした“俳優のハム・ウンジョン”さんは、アイドルのかわいいイメージとはあまりにも違う人で。とても情熱的に生きていて、学ぶことがたくさんある先輩です。撮影時の姿勢もとてもプロフェッショナル。改めて本当にすごい方だと思いました。
――テレビが見られなかった環境で、「俳優になりたい」と思ったのは、何がきっかけだったんですか?
成人してから、また入隊中に本当に数多くの映画やドラマを見て、僕の人生から切っても切れないものになったんです。そんな中で自分の中に積み重なった感情をカメラやスクリーンの前なら表現できる、それができるのは俳優だけだと思ったのが俳優を志した一番の理由です。だから今、カメラの前に立つと、自分の中に無かったエネルギーまで沸き起こってくるんです。
■「僕の顔には、善と悪が共存している」
――私、今回のスンウを見ていて、「悪霊狩猟団:カウンターズ2」でのサイコパスな“ウォン”と同じ俳優さんだと最初全然気付かなかったんですよ。あまりにもイメージが違ったので、驚きました。
「女王の家」の監督さんも“ウォン”が本当に悪いヤツだったので、「優しいスンウを演じられるだろうか」と最初は思われたようです。
――「俳優としてステップアップできそうだ」と感じてスンウ役を引き受けられたと伺いました。オファーの時点で、どのぐらい先まで台本を読める状態だったんですか?
まず30話分ぐらいまでの仮台本を読ませていただき、その後スンウがどうなっていくのかを監督さんからお聞きしました。監督さんが“善と悪が共存している”という僕の顔の強みをよく理解してくださって、演じていくことができました。
――物語の序盤のスンウは本当にどうしようもない、いわゆる“バカ息子”という役柄ですよね(笑)。でも出生の秘密を知って闇堕ちしたりと、 波乱万丈な人生を送ることになります。最終的に大きく成長した姿を見せるために、最初のダメダメっぷりを演じる上で意識した点はありますか?
もちろんです。最初のスンウは誰よりも責任感が無くて、ただ財閥4世という理由だけで両親に与えられるままにいい服を着て、おいしいものを食べているヤツです。だから序盤は、見ている皆さんが「コイツ、一発殴ってやりたい!」と思うように見せたかったんです。“本当にどうしようもないヤツ”として記憶されることで、その後「スンウはすごく成長したな」「私たちのスンウを応援したい」と思ってもらえるように演じたかったんです。
――もう、毎回殴りたかったです(笑)。
ハハハハハ。それが、まさに僕が望んでいたことだったんですよ(笑)。
■視聴者の反応次第で台本が変わるのが魅力
――途中で、スンウはある女性と恋愛模様のような展開もありますよね。
スンウはその女性を子どもの頃からとても好きだったんです。でも家同士の争いがものすごく大きいので、周囲から「君たちの愛は続かない」とされてしまう。だからその壁を乗り越えるために、スンウはものすごい努力をします。
でも彼女は、スンウの想いを知りながらも彼を避ける。だから僕がスンウというキャラクターをビルドアップしていく時に考えたのは、「その女性が好きで、ずっと付きまとう子犬」のような様子。それを表現したいと思って演じました。
――スンウの恋は、視聴者の関心も高かったですよね。
そうなんです。皆さんからの反応がとても大きかったので、当初の台本より、少し深く描かれました。
――撮影しながら視聴者の反応をすぐに知ることができるのは、事前制作ではなく話数の多い“イルイルドラマ”(毎日ドラマ)の魅力の1つですね。
それが大きな魅力であり、俳優にとってはものすごいプレッシャーがかかる理由でもあります。もし上手くできなければ、出演の分量が減っていくので…。
だから俳優も監督も制作陣も常に視聴者の反応を見守りながら、台本を変更したりしていきます。それが“イルイルドラマ”ならではの面白さですね。
――しかし、本当にスンウの人生は波乱万丈ですね…。
本当ですよ。頂点から地の底まで堕ちる人生です。そのギャップを大げさに表現するように努力しました。本当にいろいろなことがスンウに起きるので、脚本家が僕にあまりにも多くのことを求めているのではないか…とプレッシャーを感じたこともありました。
もう一方では欲が出ましたね。誰よりもスンウの心をうまく表現できれば、この「女王の家」は自分にとっての成功になるんじゃないか――と目標ができたんです。なので周囲から「演じるのは、大変では?プレッシャーでは?」と聞かれた時も、いつも「大丈夫です。もっと頑張ります」という姿勢で取り組みました。
■1日15時間の撮影で、忍耐力が付いた
――撮影は「週に6日、1日に15時間」だったそうですが、休める時間がほとんど無いですよね。緊張も続くし、役の感情のキープも大変だったと思います。
振り返ってみるとあまりにもありえないキツいスケジュールだったんですが、共演者の先輩たちと一緒に耐え抜いたのが大きかったと思います。先輩たちの背中が目の前にあったので、「僕は今、末っ子として、もっとファイティング精神を持たなくちゃ」と前向きに頑張れたんです。
今となっては「監督、ヒドい」と笑って言えますが、このハードな日々のおかげで忍耐力もかなりついたし、ものすごく成長することができましたね。
――じゃあ今後、どんな過酷な現場でも、もう大丈夫ですね。
もちろん!一度きりの人生、たくさんの試練と克服をしたいです。乗り越えれば、それはそこで終わりますからね。
――すてきな考え方ですね!ありがとうございました。
仕事では初来日だったキム・ヒョヌクだが、プライベートでは30回以上来日しているのだとか。「かわいい物が大好き」と言う彼は町の小さな店巡りをしたり、クレーンゲームを楽しんだりしていると明かす。「日本のコンビニの卵サンドは、 すごく柔らかくて、卵の風味が豊かで大好きでよく食べる」という話もしてくれた。
終始穏やかな笑顔で、まっすぐ目を見つめて応える姿勢も好感度大。ハム・ウンジョンをはじめ、共演者たちに愛されていたのも納得のすてきな人柄だった。
◆取材・文=鳥居美保
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