【写真】インタールードで見せた強烈な和太鼓パフォーマンス北山宏光が全国ツアー「HIROMITSU KITAYAMA LIVE TOUR 2026『ULTRActi:on』」のファイナル公演を9月19日、20日の2日間にわたって東京・有明アリーナで開催。12都市17公演で約8万人を動員し、ツアーを完走した。
■9月19日公演をレポート、3rdアルバム『ULTRActi:on』を携えての全国ツアー
6月24日にリリースした3rdアルバム『ULTRActi:on』を携え、全国各地を巡ってきた今回のツアー。9月19日の公演、開演前には北山がDJとなり、ファンから募った相談に答えながら楽曲を流すラジオ番組さながらの演出で会場を楽しませた。「これも聴いてもらおうかな…『ICY』」という言葉を合図に曲が流れると、ステージ上にwink first(TRAINEE)をはじめ、TRAINEEが次々と姿を見せてダンスを披露し、開演を待つ客席に穏やかな高揚感が広がった。
暗転し、青い閃光が場内を照らしたと同時に、会場中のペンライトが赤く染まる。オープニングを飾ったのは「サニーサイドアップ」だ。ハードワークな日々を送る人の背中を押す明るく軽快な楽曲に合わせ、北山はグレーのスーツにネクタイというセットアップスタイルで登場。
オーディエンスに向かって「元気かい! 俺のほうが待っていたよ」と呼びかけると、センターステージから花道へと走り、「せーの!」とピースサインを掲げる。こうして温かな空気とともにライブの幕を開けた。
続く「TROUBLE」で雰囲気が一変する。ホーンを軸にしたきらびやかで洒脱なサウンドが鳴り響き、ハットをかぶった北山とダンサーが、ブロードウェイミュージカルさながらの華やかな動きを繰り広げた。
斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN、TenTwenty)が作詞、TenTwentyが作曲した「ICY」では、ステージが氷の世界へと変貌。冷たい光に包まれた空間で、北山がしなやかな動きを重ね、楽曲の艶やかさを引き出した。序盤から異なる楽曲を続けることで、北山の表現力の高さや幅が鮮明にされる。
再び場内が暗闇に包まれ、荘厳な音が鳴り響く。「Drivin’」が始まると、近未来的なマシンに乗った北山が姿を現し、ロボットダンスから楽曲を展開。サイバー感のある音像と機械的な動きが交差し、ステージ上に独特の空間を作り出す。
「Luv HOLIC」で四面のパネルに囲まれた北山は、スタンドマイクを自在に操りながら歌唱。「タイムトラベラ」に移ると、せり上がるステージの上でキレのあるダンスを見せて、ネオンの夜を描くようなサウンドに、時空を越えていくSF的なラブソングの世界を紡いだ。
そこから「寝ても覚めても」へ。温かなメロディーが響く中、北山はステージ上に座り、友に語りかけるように歌う。スポットライトがその姿だけを照らし、背後には優しいオレンジ色の光が広がる。大きな動きはない。それでも、表情や顔の角度、声の置き方1つ1つから、歌の向こうにある物語が浮かび上がる。わずかな動きと歌だけで場面を成立させる、エンターテイナーとしての力が際立つ時間に。
「DREAM EATER」は、ベース、ギター、ドラム、キーボードのソロが連なり、4人のダンサーとのステージへ。生楽器の一音一音にダンスが呼応し、躍動感が増していく。「灰になる前に」から「波紋-HAMON-」へ進むと、重厚なバンドサウンドに炎柱と赤い照明が重なり、空間が一気に熱を帯びる。「どうした有明…かかってこい!」と声を荒げ、激しいサウンドと大きな身体の動きで、観客をステージへ引き込んでいった。

■後半はバンドサウンドから一気に加速
MCに入り、北山がファンと笑いを交えながら言葉を交わしていると、突然スクリーンに「HAPPY BIRTHDAY」の文字が映し出される。驚く北山の前に、wink first(TRAINEE)が「ULTRActi:on」と書かれたバースデーケーキを運んでくる。
松崎光が「何か足りなくないですか?」と尋ねると、北山は「あ、誕生日ケーキなのにロウソクがないじゃん」と気づく。そこで客席の赤いペンライトをロウソクに見立て、北山が息を吹きかけると赤い光が順々に消えていき、会場は拍手と祝福の声に包まれた。
後半は「COMIC」からスタート。デニムのセットアップ姿でTRAINEEを従え、軽やかなダンスを繰り広げる。「in the Moonlight」は流麗なピアノを軸にしたバラードで情感豊かに歌い上げた。さらにバンドサウンドで「JOKER」「乱心-RANSHIN-」と続け、「BUGlitch」「11:11」「ASATSUYU」を終えると、インタールードへ。
北山が和太鼓を叩き、一打一打を強く打ち込んでいく。低く響く音がこちらの耳だけでなく、全身を揺さぶるほどの迫力であった。その勢いを途切れさせることなく「RED STORM」に繋ぐ。何度も立ち上がる火柱を背にステージが高くせり上がり、〈探してた 生きる意味さえ 生まれてきた答えも ならばどこまでも背負ってやる〉という言葉に象徴される自身の意志や覚悟を、力強い歌声で突きつけた。
本編最後に披露したのは「ULTRA」。「君」という存在を軸に、日常にある愛や奇跡を肯定するラブソングだ。歌い始める前、北山は「こんな大きい景色は、1人では作れない。本当に1人じゃできなかった」と語り、これまでの日々や支えてくれる人たちへの感謝を伝えた。
「Love聞こえるかな Love僕の声が ラルララ ラルララ 君は my precious ULTRA」とアカペラで歌ったあと、北山は360度を見渡すように客席を指し、「あなたに、あなたに、あなたに!」と呼びかける。
ここで歌われる「君」は、目の前にいるファンへと重なっていく。「君に初めて触れた前から くるくると繋がってる」というフレーズでは、今度は客席から歌声が返ってきた。そうしたやり取りによって、「ULTRA」に込められた愛や感謝が、この日の会場にいる1人1人へ向けた言葉として響いていた。

■有明アリーナに刻んだ今の北山宏光
アンコールに入ると、9月28日(月)に配信リリースされる新曲「BACKLASH」を初披露。これは北山にとって初のアニメタイアップで、テレビアニメ「桃源暗鬼」第二期~日光・華厳の滝編~のオープニング主題歌として書き下ろされた楽曲だ。
正義と悪がぶつかり合う作品の世界観を背景に、心の奥底に秘めた衝動が爆発する瞬間をイメージして北山自身が作詞。ステージでは激しいシャウトを交えながら、そのエネルギーをむき出しにした。
「オズモシス」「NE:O era」と続き、最後まで北山は「かかってこい!」と発していた。観客を煽り、熱を引き出すための言葉でありながら、ライブの終盤には、北山自身がさらなる高みへ進もうとする意志を示す言葉のように。
「ULTRActi:on」というタイトルが示す通り、この公演にはこれまでの経験を土台にしながら、その先へ進もうとする北山の姿が刻まれていた。ポップ、ロック、バラード、ダンス、バンド演奏、映像、照明、ステージ機構。楽曲ごとに異なる要素を組み合わせ、一つのステージを形にしていく。その中心にあったのは、目の前の観客と時間を共有する北山だった。
客席から返される歌声も、ステージから放たれる「かかってこい」という言葉も、一方通行ではない。北山が投げかけ、観客が応え、その反応を受けて再びステージが動き出す。そんな循環の中で、北山は「ULTRActi:on」を携えた今の自分を有明アリーナの大きな空間に刻んだ。
※松崎光の崎は「たつさき」が正式表記、「NE:O era」の「O」は正しくは「Oにストロークを付けたもの」


■「HIROMITSU KITAYAMA LIVE TOUR 2026『ULTRActi:on』」
◇2026年9月19日(土)◇東京・有明アリーナ
<セットリスト>
M01. サニーサイドアップ
M02. TROUBLE
M03. ICY
M04. Drivin‘
M05. Luv HOLIC
M06. タイムトラベラ
M07. 寝ても覚めても
M08. DREAM EATER
M09. 灰になる前に
M10. 波紋-HAMON-
M11. in the Moonlight
M12. Apollon / wink first (TRAINEE)
M13. COMIC
M14. JOKER
M15. 乱心-RANSHIN-
M16. my planetarium
M17. BUGlitch
M18. 11:11
M19. ASATSUYU
M20. RED STORM
M21. ULTRA
~アンコール~
EN01. BACKLASH
EN02. オズモシス
EN03. NE:O era
~ダブルアンコール~
WEN01. 逸れた流星群
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