絵から音が聞こえて動き出し、藤野と京本が絵の中で躍動…「ルックバック」劇中ロトスコープアニメーションのスチール公開

出口夏希、蒔田彩珠W主演「ルックバック」の劇中アニメーションパートのスチールが公開された/(C)藤本タツキ/集英社(C)2026 K2 Pictures・集英社

絵から音が聞こえて動き出し、藤野と京本が絵の中で躍動…「ルックバック」劇中ロトスコープアニメーションのスチール公開

9月21日(月) 9:00

出口夏希、蒔田彩珠W主演「ルックバック」の劇中アニメーションパートのスチールが公開された
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出口夏希、蒔田彩珠のW主演による実写映画「ルックバック」が9月11日から全国公開中。このたび、主人公の藤野と京本を描いた劇中アニメーションパートのスチール、原作者の藤本タツキ氏とロトスコープアニメ監督を務めた久野遥子氏のスペシャル対談が公開された。

■ノスタルジックで美しいアニメーションスチール

今回、作品の豊かな世界観を凝縮した、藤野と京本を描いた劇中アニメーションパートのスチール4点が解禁に。本作の演出の一部には、実写映像を元にアニメーションを制作する“ロトスコープ”技法が採用されており、ロトスコープアニメーション監督を久野氏、アニメーション制作をシンエイ動画が担当している。

美しい背景と共に、作品の幻想的な世界観が丁寧に描き出されており、藤野と京本の繊細な表情をはじめ、海や空、車窓越しに広がる情景など、ノスタルジックで美しいアニメーションスチールとなっている。

是枝裕和監督はアニメーションパートについて、劇場パンフレットに収録された藤本氏との対談で「藤野が仕事場に戻ってペンを持つラストで、藤野が何を背負っていくのかを考えました。そこで『かつて2人でアニメ化の夢を語った記憶がよみがえり、京本の描いた絵が動き出し、自分の未来を立て直す』という前向きさを表現したいと思いました。絵から音が聞こえて、動き出し、2人が絵の中で躍動する…というイメージでした」と、演出意図を明かしている。

■藤本タツキ氏と久野遥子氏が作品に対する思いを明かす

スチール解禁に合わせて、藤本氏と久野氏のスペシャル対談も公開。アニメーションについて、藤本氏は「あのアニメーションパートだけ見ても感動しましたし、きっとご覧になる皆さんも泣いてしまうと思います。前後の文脈を知らなくても伝わる素晴らしい映像」と絶賛する。

作中でデジタルと手描き表現を融合させた試みについて、久野氏は「デジタル塗りのアニメ路線も考えたのですが、是枝さんにそれよりは水彩や色鉛筆のニュアンスを大切にしたいと。あとは藤本さんらしいキャラの顔の要素、例えば涙袋の感じを色鉛筆で入れたりして、実写の役者さんと藤本さんの絵の中間点がないか探りました」と解説。

さらに、「デジタルで線画を描いて紙に出力して、シンエイ動画のスタッフ10人くらいで手分けして、色鉛筆で線を引いたり絵の具で色を塗ったりしました。動画1枚1枚をアナログで塗ることは普段はなかなかできないのですが、今回は短いパートに対して作業期間をかなり頂けたので、贅沢な時間の使い方ができました」と、制作の舞台裏を明かす。

今回の対談では、互いの作品に対する思いも語られており、久野氏は本作への参加が決まった際、藤本氏からXでメッセージをもらったことを振り返り、「それはむしろ『ルックバック』みたいな体験でした。私から見て『ルックバック』は漫画家志望のエリートの物語で、自分とは異なる世界だと思っていました。それなのに突然、藤本さんからXのメッセージが来て、一瞬だけ自分が藤野のような気持ちになりました。京本と初めて会って、火が付いた時のような贅沢な体験でした」とコメント。

一方の藤本氏は、久野氏の卒業制作「Airy Me」に衝撃を受けた自身の過去を思い返し、「美大生にとって、久野さんの作品は全員が通る道だと思っています。卒業制作はどういうものを作るのか過去の作品を調べて、久野さんの卒業制作にたどり着いて、衝撃を受けて諦めるか、自分も頑張ろうとするのかのどちらかで。僕も久野さんの卒業制作『Airy Me』に打ちのめされて、自分は漫画を描こうと決めました」と話す。

また、作品に漂う世界観について、久野氏は原作や実写映像から感じられる魅力として、キャラクターの“子供性”に着目。「愛情が真っすぐでも、どこか意地悪いというか、子供ならではの残酷さも両立している感じがします。そこは子供だけが持つきらめきで、大人になったら辻褄を合わせていく部分です。藤本さんの作品を読んでいると、そういった子供性を感じますね」と分析。

これに対し、藤本は「その人に何か足りなかったり、何か欠けていることって、別に直さなくてもいいと思っているんです。欠点だとしてもその人にとって障害でなければ、そのままでもいいのではと。自己中心的な部分も直すのは嫌だと思っていて、その未完成な部分が、久野さんの仰る“子供性”につながるのかもしれません」と、創作に対する考えを語った。
実写映画「ルックバック」劇中アニメーションパートより




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