「本当にすまないと思っている」“海ドラの金字塔”『24』の熱狂振り返るDVD争奪戦や徹夜で一気見…25周年迎えた名作<24 -TWENTY FOUR->

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「本当にすまないと思っている」“海ドラの金字塔”『24』の熱狂振り返るDVD争奪戦や徹夜で一気見…25周年迎えた名作<24 -TWENTY FOUR->

9月20日(日) 11:10

「24 -TWENTY FOUR-」キービジュアル
【動画】「家族を守るためなら何だってする…」ジャック・バウアーが大暴れする“伝説の海ドラ”予告

シリーズ誕生25周年を迎えた海外ドラマの金字塔「24 -TWENTY FOUR-」。2020年には唐沢寿明主演で日本版リメイク「24 JAPAN」(テレビ朝日系)も放送されて話題を呼んだ。今回、海外ドラマ専門チャンネル・Dlifeでは「24 JAPAN」の各話に続けてオリジナル版シーズン1の同じ話数を放送する、シリーズ誕生25周年の特別編成を9月24日(木)より実施。そこで、全世界のドラマファンを寝不足に陥らせたオリジナル版の始まりとなるシーズン1の魅力を、あらためて振り返ってみたい。(以下、シーズン1のネタバレを含みます)

■「24 -TWENTY FOUR-」が海外ドラマの金字塔と言われるワケ

“サブスク”と呼ばれる定額制動画配信の普及によって、国内だけでなく海外のドラマ・映画を気軽に楽しめる機会が飛躍的に増えた。今や製作国と同時配信ということも珍しくなくなってきたが、「24 -TWENTY FOUR-」シーズン1が本国アメリカで放送された2001年~2002年は、定額制動画配信が一般に普及する以前で、先駆的なサービスが登場し始めた時期だった。日本でブームに火が付いたのは、2003年にDVDがリリースされてから。本国での放送開始から少し遅れてのことだった。

現在は動画配信が主流となり、「ビデオテープって?」「レンタルDVDは借りたことない」という世代も出てきているが、当時はレンタルDVD店でDVDの争奪戦が繰り広げられるほどだった。「『24』見た?」が学校や職場で合言葉のようになり、中には放送ではなく、DVDならではの「徹夜で一気見」という強者も決して少なくなかった。

それほど多くの人の心をつかんだのは、“見たことのない”斬新さがあったからだ。最も特徴的なのは、1話で劇中の1時間を描き、物語がリアルタイムで進行すること。タイトルの通り、全24話で24時間=丸一日が描かれる。“息つく暇もない”という言葉をまさに体現したサスペンスドラマだ。

物語の合間に表示されるデジタル時計によって、登場人物と視聴者が同じ時間の流れを共有し、秒を刻む電子音が、1秒すら無駄にできない事件の緊迫感を盛り上げる。また、異なる場所で同時進行する出来事を画面分割で見せる手法も取り入れたほか、あえて手持ちカメラによる揺れや急なズームを生かしたドキュメンタリー風の映像も、臨場感を高めた。

そういった独創的な演出法は、視聴者だけでなくドラマ界にも大きな衝撃を与え、後続作品の表現にも影響を及ぼした。それが“金字塔”と言われるワケである。

■主人公ジャック・バウアーの“人生で最も長い一日”

シーズン1で描かれる一日は、大統領予備選挙が行われる日の午前0時から始まる。

大統領候補のデイビッド・パーマー上院議員(デニス・ヘイスバート)の暗殺計画が浮上し、テロ対策ユニット「CTU」のLA支局チーフ、ジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)に非常招集がかかる。支局に向かったジャックはCTU内部にいるスパイを探し出す極秘命令も受けることに。そのさなか、最愛の娘と妻が何者かに相次いで誘拐される事件が発生。

一刻を争う事態の中、ジャックは国家の安全と家族の命の間で、過酷かつ非情な決断を迫られ続ける。

「24 -TWENTY FOUR-」第1話より

■さまざまな事案が絡み合って進む巧みな構成

先に“息つく暇もない”と紹介したが、ジャックの娘・キム(エリシャ・カスバート)が深夜に家を抜け出し、ジャックが妻のテリー(レスリー・ホープ)と行方を案じる中、CTUからの非常招集。そして同日に起きた旅客機爆破の調査、パーマー暗殺を企てる容疑者とCTU内通者の捜索、キムとテリーの誘拐。一見すると盛り込み過ぎにも思えるが、それぞれの出来事がやがて一つのテロ計画へと収束していく。

ジャックだけでなく、CTUのメンバーやパーマー陣営、さらにはテロリスト側と、多角的にドラマを展開。どの場面も見逃せない畳み掛けるような展開を、散漫にさせず成立させているのは、演出力と脚本力の賜物だ。

入念に練られたテロ計画。それを阻止すべく奔走するジャック。本来は仲間であるCTUのメンバーについても、誰が裏切り者なのかを見極めなければならない。そしてジャックの家族の問題。さらにはパーマーの家族の問題まで浮上する。それらが交錯し、やがてテロの背景が明らかになる。最終話にいたるまで、落ち着くかと思いきや、衝撃が襲ってきて、ジャックのピンチは続く。

■ジャック・バウアーのキャラクター性と日本語吹き替えの妙

同時に魅力的だったのは、主人公のジャックという人物だ。正義感にあふれた愛国者で、CTUの一員として国を守るべく行動する。有能さはピカイチだが、失敗もする。任務にあたって冷酷さも持ち合わせながら、上層部の命令に背いて突っ走る熱さと、自らの命を危険にさらすこともいとわない勇気と強さ。そして、妻と娘のためなら(実のところ、彼女たちとうまくいっていないという問題があったにしても)暴走してしまうほどの愛情深さ。

人間味がありながら不屈のヒーローともいうべき存在。実は、本国でこのシーズン1が放送スタートしたのは、2001年の“9.11”アメリカ同時多発テロから約2カ月後のことだった。テロの衝撃が生々しく残る時期に始まった作品だけに、テロを題材にした物語は、当時の社会情勢とも否応なく重なり合った。その後もテロの脅威が世界的な問題として意識される中、日本の視聴者にとっても、決して遠い世界だけの物語ではなかったのではないだろうか。

また、日本で社会現象ともなるブームを巻き起こしたのは、ドラマの質の高さだけでなく、吹き替えの力も大きいといえるだろう。ジャックの吹き替えを担当したのは、劇団俳優座所属の俳優で声優としても大活躍の小山力也。渋みのある低音ボイスで、ジャックの複雑な感情をうまくその声にのせる。

本家・サザーランドよりも力強さが感じられ、それが一段とジャックのキャラクターに合っているようにも思えて、日本のファンにとってジャックの声=小山が定着した。

ちなみに、ジャック・バウアーの物まねで人気が爆発したお笑いコンビ・どきどきキャンプの岸学が、物まねの決めぜりふとして使ったことで広く知られるようになった「本当にすまないと思っている」というせりふは、シーズン1の劇中で頻出しないが、「すまない」は多用していて印象的なせりふではある。「24 JAPAN」でも唐沢演じる“日本版ジャック・バウアー”獅堂現馬がよく使っていた。

世界を熱狂の渦に巻き込んだ「24 -TWENTY FOUR-」は、その後、シーズン8まで制作されたほか、続編やスピンオフ作品も生まれた。その始まりとなったシーズン1は、ジャックの信念と熱さがよく出ている。ひいてはシリーズ化も納得の事件に遭遇する“巻き込まれ体質”も…。今回の放送は、リメイクされた日本版と合わせて見られる貴重な機会となる。

「24 JAPAN」は9月24日(木)より毎週月~金曜昼0:00から、「24 -TWENTY FOUR-」シーズン1は同日より毎週月~金曜昼1:05からDlifeで放送。

◆文=ザテレビジョンドラマ部





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