【写真】約10年前…!“運命の女性”となるゼンデイヤ演じるMJ
トム・ホランド主演の「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」が、7月31日に日米同時公開され、9月14日時点で北米興収は約9億3586万ドルに達し、北米歴代2位に。世界興収は約24億5211万ドルで、歴代3位に浮上した。日本でも興行収入50億円の大台を突破。まさに世界的ヒットを記録している。「スパイダーマン」俳優といえば、真っ先に初代3部作のトビー・マグワイアを思い浮かべる人もいるかもしれないが、ホランドは既に4作でタイトルロールを務めており、名実ともに“スパイダーマン俳優”の代表格といえる。
とはいえ、今回はそうした論争をするつもりはない。ディズニー・チャンネルでは、9月20日(日)~27日(日)の8日間にわたり「ディズニー・チャンネル スパイダー・ウィーク」が開催され、映画シリーズ全8作品が毎日夜8時から連続でチャンネル初放送される。その中で、今回は“トムホ版”スパイダーマンがなぜこれほどまでに人々を引きつけるのか、その魅力をひもとく。(以下、一部ネタバレを含みます)
■等身大の高校生を描いた「ホームカミング」の瑞々しさ
イギリス出身のトム・ホランドは、スタンダップコメディアンの父ドミニク・ホランドとフォトグラファーの母ニッキー・ホランドという芸術一家の長男として生まれる。幼少期からスパイダーマンに憧れ、大量にコスチュームを集めるほどの熱狂的ファンだったという。
そんなホランドがスパイダーマン役を勝ち取り、2016年に映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に初参戦。2017年にはジョン・ワッツ監督がメガホンをとり、単独主演映画「スパイダーマン:ホームカミング」が劇場公開された。
サム・ライミ監督による「スパイダーマン」シリーズ(全3作)、その後の新たな“リブート作品”として公開されたマーク・ウェブ監督の「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ(全2作)と、それまで5作にわたって劇場版実写映画が製作されてきたスパイダーマン。
これらのシリーズでは、それぞれ第1作にピーターがクモにかまれて驚異的な身体能力を手に入れる過程や、育ての親であるベンおじさんの死を通して、“スパイダーマンになるまで”が丁寧に描かれてきた。「ホームカミング」では、こうした過程は一切描かれず、すでにスパイダーマンとして秘密裏にニューヨークを飛び回るピーターが、“本当のヒーローになる過程”に焦点が当てられた。
そこには、ホランド本人の人柄も重なっているのだろうか。「トムホ版」の最大の魅力と言えるのは、何と言っても“圧倒的な等身大感”だ。「ホームカミング」では、早くアベンジャーズの一員として認められたい一心で空回りする、ごく普通の15歳の高校生ピーター・パーカーの姿が描かれる。当時20歳前後のホランドが、ごく普通の高校生らしい実にピュアなピーターを演じた。
本作では、親友ネッド(ジェイコブ・バタロン)とのオタク気質なやりとりや、学校のマドンナである憧れの先輩・リズ(ローラ・ハリアー)への初々しい恋心、部活動など、リアルなハイスクール・ライフが色濃く描かれている。放課後には“親愛なる隣人”として街のパトロールに励むものの、早く一人前のヒーローとして認められたいばかりに、師であるトニー・スターク/アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr.)から贈られたハイテクスーツの機能を使いこなせず、ドジを踏んでしまう姿はなんとも愛らしい。
しかし、大型フェリーでの大失態からトニーに厳しく叱責され、スーツを没収されてしまう。さらに物語終盤には、凶悪な武器を密売するヴィラン・バルチャー(マイケル・キートン)が、あろうことかピーターの身近な人物であることが発覚し、事態は急転。ピーターはホームカミング・ダンス(学校のダンスパーティー)を抜け出し、手作りのスーツをまとい、己の力だけで強大な敵に立ち向かっていく。
ヒーローとしての使命と高校生としての幸せの間で揺れ動きながら、「スーツに頼るのではなく、自分自身がヒーローであること」を学んでいく過程が実に瑞々しく、見る者を“保護者”のような温かい目で見守らせる不思議な魅力に満ちている。
■試練を経て本物のヒーローへ…“トムホ版3部作”で描く成長の軌跡
続く2作目「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019年)では、偉大な師の遺志を継ぐ重責に葛藤しながらも、夏休みのヨーロッパ旅行でクラスメートの“MJ”(ゼンデイヤ)へ思いを伝えようと奮闘。ヒーローとしての自覚を深めると同時に、MJとの甘酸っぱい恋愛模様が物語を彩る。3作目の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(2021年)では、スパイダーマンの“正体”が世界中に露呈するという絶体絶命の危機に直面。ピーターは、自らの選択が引き起こした運命と向き合い、大きな代償を払いながらも「大いなる力には、大いなる責任が伴う」というスパイダーマン本来の精神を体現していく――。
部活、友情、恋愛など、誰もが身近に感じられる日常を送る1人の高校生が、ヒーローとしても、人間としても成長していく姿はごくごく身近に感じられ、共感できるはず。
そして、メイおばさん(マリサ・トメイ)という文字通りの保護者に加え、父親代わりのトニー、ピーターを任務へ引っ張り出すニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン/※実際は擬態したタロスだったが…)、時に衝突しながらも手を差し伸べるドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)などなど、一癖も二癖もある“大人たち”に囲まれてきたピーター。そんな彼の失敗にハラハラし、成長を喜ぶうちに、観客もまた自然と“保護者目線”になっていったのかもしれない。
3作を手掛けたワッツ監督からデスティン・ダニエル・クレットン監督に交代して、約5年ぶりに公開されたトムホ版の最新作「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」は、「ノー・ウェイ・ホーム」の出来事から4年後を舞台に、MJやネッドも含め、世界中の人々から“ピーター・パーカー”に関する記憶を消したピーターの新たな戦いを描き、ここでもまた一段と成長した姿を見せている。それでも、MJやネッドへの未練をのぞかせるあたりは、いつもの愛らしいピーターのままだ。
世界中の“保護者”に見守られながら、少年が孤独と覚悟を背負った真のヒーローへと変貌を遂げる一連の成長物語こそ、ホランド版が歴史的大ヒットを記録した最大の理由なのだろう。「スパイダー・ウィーク」では、映画最新作「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」につながっていく彼の成長の軌跡を見守ってみてほしい。
<ディズニー・チャンネル スパイダー・ウィーク>放送情報
「スパイダーマン」9月20日(日)夜8:00-10:15
「スパイダーマン2」9月21日(月)夜8:00-10:10
「スパイダーマン3」9月22日(火)夜8:00-10:30
「アメイジング・スパイダーマン」9月23日(水)夜8:00-10:30
「アメイジング・スパイダーマン2」9月24日(木)夜8:00-10:30
「スパイダーマン:ホームカミング」9月25日(金)夜8:00-10:30
「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」9月26日(土)夜8:00-10:15
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」9月27日(日)夜8:00-10:45
◆文=ザテレビジョンシネマ部
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