山田杏奈“聡里”、引きこもり時代からの変化…最終回を前にSNS感動、上川隆也“犬飼”には心配の声<リラの花咲くけものみち2>

土曜ドラマ「リラの花咲くけものみち2」第4回より/(C)NHK

山田杏奈“聡里”、引きこもり時代からの変化…最終回を前にSNS感動、上川隆也“犬飼”には心配の声<リラの花咲くけものみち2>

9月19日(土) 8:00

土曜ドラマ「リラの花咲くけものみち2」第4回より
【写真】9月17日放送の最終回で見せる、聡里(山田杏奈)の笑顔(第5回予告より)

山田杏奈主演の土曜ドラマ「リラの花咲くけものみち2」(毎週土曜夜10:00-10:45、NHK総合)の第4回「からっぽの せかい」が9月12日に放送された。親しい牧場の全頭殺処分を終えた岸本聡里(山田)は、防疫措置のため不登校時代以来の引きこもり生活を過ごすことに。一方、家畜保健衛生所の犬飼健太郎(上川隆也)は、「大丈夫ですか」と聞かれ、「大丈夫です」と応えてしまう彼女を心配する。2人のやりとりと聡里の成長に、視聴者から反響が寄せられていた。(以下、ネタバレを含みます)

■北海道を舞台に“いのち”と向き合う若者たちの成長物語、Season2はさらに試練が

広大な北海道の大自然を舞台に、獣医師を目指して“いのち”と向き合い続ける若者たちを描いた「リラの花咲くけものみち」(2025年)の続編。第7回未来屋小説大賞と第45回吉川英治文学新人賞をW受賞した藤岡陽子氏の原作を、水橋文美江氏、今西祐子氏、木滝りま氏の脚本でドラマ化した。

次々と試練の訪れる現場で少しずつ成長し、大動物(牛や馬などの生産動物、家畜)の獣医師を志すようになった元引きこもりの少女・岸本聡里(山田)が、周囲の人々と共に“生きる力”や“動物と人間の在り方”を見つけていく物語。

獣医学を学ぶ聡里の大学の同級生として、「バックヤードから獣医師たちを支えたい」と食品衛生学の道へ進んだルームメイトの梶田綾華を當真あみ、鳥類学者の父を持つ鳥類オタクで聡里に一目ぼれしていた久保残雪を萩原利久、動物園の飼育係になるという夢を叶えた柴野真子を菊池日菜子が演じる。

また、北農大学獣医学類の卒業生・加瀬一馬役で佐藤寛太(劇団EXILE)、ナナカマド動物病院の久恒院長役で山崎静代(南海キャンディーズ)、聡里の祖母で故人となった牛久チドリ役で風吹ジュン、牧場主・折原勝善役で温水洋一、その妻・折原美和役で水木薫、孫娘・折原七海役で大石愛陽、獣医師・能見正也役で甲本雅裕が前作に続き出演。

さらなる試練の中、聡里を導くことになる家畜保健衛生所職員・犬飼健太郎を上川隆也が演じる。

■感染拡大防止のため、不登校時代以来の引きこもり生活を過ごしていく聡里の変化

患畜3頭、疑似患畜98頭…折原牧場の飼養牛全101頭の殺処分を終えた聡里。ゴーグル越しの目はうつろで、眠そうですらある。外に出て、両足を踏ん張りうつむく彼女に、犬飼健太郎が「岸本先生、大丈夫ですか」と声を掛ける。「はい、大丈夫です」と頭の重さを利用するようにうなずく聡里。どうして人は、大丈夫じゃなくても大丈夫だと答えてしまうのだろう。

「お疲れさまでした。本当に。ご苦労さまでした」と、深く深く頭を下げ合う犬飼と能見正也と犬飼。これに関わった人は皆、帰宅後も車両内外を充分に洗浄消毒、衣類を洗濯、入浴して体も充分に洗わなければならない。

そして牛舎内外と牧場の敷地内の消毒、汚染物品の処理。隣接した敷地に掘られた埋却口の中に、聡里が出産と名付けに関わったミドリ、サトら101頭の牛たちがすべて埋められた。地面には全面的に消石灰が撒かれて真っ白。無の空間となる。それを表すように、BGMも、たびたび無音になる。

「それじゃあ、あらためてもう一度確認しておきましょうか、今後のこと」と、感染症拡大を防ぐためのルールを説明する犬飼。獣医師たちは7日間、偶蹄類の動物の飼育施設、牧場や動物園などへの立ち入りが禁止となる。

日が変わり、ベッドで目を覚ます聡里。カーテンに朝の光が差す中、こたつでカップ麺を食べて、またベッドに戻る。防疫のための引きこもり生活で、彼女は両親のネグレクト(虐待)により引きこもっていた10代の頃を思い出していた。

実母が亡くなりやってきた“新しいお母さん”と上手くいかず、飼い犬のパールを捨てられてしまうのではないかと怖くて学校にも行けず、ずっと1人で部屋に引きこもっていた聡里。

そのときは祖母・牛久チドリが聡里の惨状に気づいて救い出してくれたが、「でも、そのおばあちゃんは…今はもういない」と思いながら、シーツに無表情の顔を押し付けまどろむ聡里。だが、急遽集まった北農大学の同級生たちに笑わされて、励まされて、次第に表情と感情が戻ってくる。

立ち入り制限5日目。解除まであと2日だ。チドリの手書きのオムレツのレシピを引っ張り出した聡里は、買い物へ。帰ってきたところでちょうど犬飼から着信がある。しかもビデオ通話で。

「こんにちは」と話しかける犬飼に、「あ、え、あ、買い物に出てしまいました」となぜか謝ってしまう聡里。「ああ、大丈夫ですよ。何を買ってきたんですか?」と優しく聞いた犬飼は、「オムレツを作る元気はあるようですねぇ」と安心した様子。

それを聞いて「あっ、元気ですよ、私は」と早口になる聡里に、「よかったぁ。…自宅に閉じこもっていると能見先生から伺ったものですから」と犬飼。

「北農大学の同級生が気遣ってくれました。“聡里を笑わせる大会”開催!とか言って、物まねやってくれたり」と笑顔で報告し、聡里は「あの…心配して連絡してくださったんですよね。ありがとうございます。私は大丈夫ですから」と頭を下げる。

犬飼は「よかった。思ったより表情が明るそうで安心しました」と言われ、聡里も安心したのか、「立ち入り制限の7日が終わったら仕事に戻ります」と報告する。

だが、それを見て犬飼はしばらく黙り込み、考えた末に「岸本さんは、遅延性PTSDという言葉を聞いたことがありますか?」と聞くのだった。


■遅延性PTSDにヤケに詳しい犬飼のアドバイス…聡里と七海が思いと記憶を共有し合う

「PTSDは、心的外傷後ストレス障害…ですよね」と答える聡里に「そう、つらい出来事を乗り越えて、今は元気で大丈夫だと思っていても、数週間後、数ヶ月後、あるいは何年後、何十年後に症状が現れることがあるんです」と教える。

「つらい出来事に遭うと、その直後、人間の心には防衛本能が働くと言われています。感情に蓋をして、必死に日常を保たそうとする。でも、その蓋が外れたり、あるいは何かしらふとした瞬間に…溜め込んだストレスがあふれ出してしまうことがあるのかもしれません」と、震災に見舞われた人の例を出して分かりやすく説明する犬飼。

「目の前のことに追われ、ただ生きることに精いっぱいで、大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせながら前を向いて歩き出そうとする。やがて時は流れて、周辺は日常を取り戻していく。世間もそれを忘れていく。でも…」という犬飼の言葉を、「忘れた頃に、心が…」と真剣に受け止める聡里。

「心の傷はそう簡単に治るものではありませんから。今はもう大丈夫だと思っていても、ふとした時にしんどい思いが押し寄せてくることがあるかもしれません。無理はしないで、自分の心を大切にしてあげてください。1人で抱え込まないでください」という犬飼の声に、作ったオムレツを食べながらうなづく聡里の様子が重なっていく。

そして7日が過ぎ、能見の診療所に久々の出勤を果たす聡里。「まだもう少し休んでても良かったのに」と言われ、「いえいえ、大丈夫です」と笑顔。

「お友達が励ましに来てくれたんだって?…いい仲間を持ったな」と、犬飼ともコミュニケーションを取っていたことがうかがえる能見に、「今日からしっかり働きます。よろしくお願いします」という聡里。「はい、よろしく」と答えられ、少しずつ日常が戻っていく。

能見とともにあらためて折原牧場を訪れた聡里は、牧場主・折原勝善の幼なじみでもある犬飼の思いを聞くことに。そして1人、風に吹かれながら牛たちを埋めた場所にしゃがみ込んで花を供える。

そこには、「みんなありがとうどうか安らかに」という文字と、牛と花の手描きイラストの立札。おそらく、最後まで殺処分を止めようと泣き叫んでいた折原七海の手によるものだろう。

後日、再び遊びに来た綾華と自宅で過ごしていると、突然七海がやって来る。牧場再建を目指し、周りの応援や感謝を糧に気張っていた彼女が、祖父に牧場閉鎖を告げられてから様子がおかしい。

「何かあった?」と優しく問う聡里。「眠れなくて。何か、急に眠れなくなったんです。ずっと大丈夫だったのに」という七海に、聡里は犬飼から教えられていた“遅延性PTSD”の症状を思い出す。

そして、牛たちがどうやって亡くなっていったかを知りたい、と言い出す七海。聡里は衝撃を受け、落ち着いてきていた感情を再び強く揺さぶられてしまう。見かねた綾華が代わりに七海をなだめようとするが、七海は「どうやったんですか?注射とかですよね」と止まらない。

唇を噛み締め、涙をこらえる表情になりながら、それでも獣医師として「七海ちゃん…」と諭そうとする聡里を遮るように「知りたいんです!」と七海。さらにそれを遮るように綾華が「知らなくていいよ、そんなこと!」と強く、理論立てて制止する。

七海は、うん、とうなづくように言葉を飲み込んでから、綾華を無視するように聡里にのみ向き直り、「聡里さん、ダメですか?」とあらためて問う。「獣医師として話していいものなのか…」と逡巡していた聡里だったが、次第に七海が「ただ、同じつらさを分かち合える人と、一緒に泣きたい」と願っているだけだと気づく。

周りに恵まれ、励まされ、早く元気になろうとするばかりだった七海。そして同じく聡里も、あの日以来、一度も泣いていなかった。

穏やかに、何でもないことのように明るく。1頭1頭の死に際の記憶を共有していく2人の涙は止まらない。「七海ちゃんの気が済むまで一緒に泣きました。綾華も一緒に寄り添って泣いてくれました。一緒に泣くことが、その時の私にできる、精いっぱいのことでした」と聡里は振り返るのだった。

■七海と重なる聡里、聡里と重なる犬飼に、人生を感じる視聴者…最終回に期待と寂寥

「描き方によっては、生産動物や家保を目指す人がさらに減るのでは…と心配になってたから、丁寧に作られていて本当にありがたい。好きで動物を殺すわけがない。関わった人たちみんなが少なからず傷を負っていく」「全人類見た方がいい」「無音になる手法すごい、苦しい」「山田杏奈を愛でるために見てるのだけど、やりきれなさの先に真っ当な救いが描かれていて、何度もうるっときた。ラスト10分とかすごい話」という声が上がっていた第4話。

これまで獣医師を目指し始めた頃の聡里と、たびたび重ねられてきた七海。そんな2人のやりとりに、あらためて聡里の成長を感じた視聴者が多かったようで、「一緒に泣いてくれる人を探す七海のために涙を流す聡里の顔が、自分基準の怒りや悲しみで泣いていた頃の顔と全く違う」「人に何かしてもらうだけじゃなくて、誰かに何かをしてあげられる側になったんだね」「引きこもり時代の回想も出てきたけど、聡里、本当に大きくなった」といったコメントが。

「相手の置かれている立場や状況に立って寄り添う事は対人援助の領域だけど、獣医師さんも牧場主と関わる以上は必要な技能なんだな…」「聡里が聡里にしかできない町の獣医師さんになれていたんだと思えた」「動物たちにも、その最期にも個性がある。こんな先生に診てもらえる動物たち、本当に幸せかもしれない」「乗り越えるために悲しみを洗い流すような今回の涙は、第3話の涙とは違って何だかよかった」といった声も。

一方、初めて殺処分に臨んだときの自分と、今の聡里を重ねていた犬飼について、「遅滞性PTSDについてヤケに詳しく、聡里を心配する犬飼先生。第3話で隠していた手の震えからすると、ご自身も患ってらっしゃいますよね…」「聡里にかけた言葉は、すべて今はもう大丈夫だと思いたい過去の自分に向けた言葉なのでは」「ずっとみんなを明るい方へ明るい方へと導いてくれる強くて優しい人。先生こそ1人で抱え込んでいるんじゃないかと心配になる」「泣いた。聡里と七海の涙に。勝ちゃんと健ちゃんの取っ組みあいに」といったコメントが。

また、最終回の予告を見た視聴者からは、「Season2のテーマは“けじめをつけて前に進む”なのかな。聡里は先輩への想いにけじめをつけて前に進んで、牧場はとめどない悲しみにけじめをつけて前に進む…といいな」「次で終わるなんて信じられない。ずっと見ていたい」「最終回、おばあちゃんは聡里に何て言うんだろう」といった感想も寄せられていた。

◆文=坂戸希和美



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