日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。ワンオペ問題をブラックユーモアと予測不能のスリルで描き出した衝撃作!***
『ワンオペレーション』
評点:★2.5点(5点満点)
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主観に「寄り添い」すぎることの弊害「ギリギリの場所に踏みとどまり続けることを常に要求されている女性」を描くにあたって、胃が痛くなるようなシチュエーションの連続として映画を構成することは理解できる。
心理療法士として扱いづらい患者に振り回される日々を送る主人公には幼い娘がいる。
娘は摂食障害で、チューブを使った経管栄養管理も自分が面倒を見るしかない。
父親は仕事柄出張ばかりで不在が続く。
そんなある日、自宅アパートの天井が崩落して大きな穴が開いてしまい、主人公は娘を連れて安モーテル暮らしを余儀なくされることになる。
本作はそんなストレスフルな状況の連続を、主人公の一人称目線で描き出す。
クローズアップが多く「抜け」の少ない閉塞的な画作りは、どんづまりの状況がもたらす視野狭窄を体感させるものだ。
極めてストレスフルな状況を一種の体感ライドとして描く、という本作の試みはかなり成功している。
天井に開いた不気味な穴を用いたイメージ・カットの連続が意味するところも明白だ。
が、本作は作品自体が主人公に「寄り添い」すぎたため、逆に彼女の「信頼できない語り手」としての側面が強調されてしまったように思えるし、そのせいでエンディングも弱く感じられた。
STORY:育児や仕事に追われるセラピストのリンダは、娘の摂食障害をひとりで支えていた。自宅の天井が崩落し、避難したモーテルで、度重なる問題と孤立に追い詰められた彼女は心の均衡を失い、思いも寄らぬ事態に陥る
監督・脚本:メアリー・ブロンスタイン
出演:ローズ・バーン、コナン・オブライエンほか
上映時間:113分
全国公開中
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