【写真】時期によって変わる味を見極めた工夫が光る小肌の握り
歌舞伎俳優の市川右團次がカウンターに座りお酒を酌み交わしながら、地元で愛される町寿司の歴史や魅力を紐解く「今宵、町寿司で市川右團次と小粋な一献」(毎週土曜夜10:00-10:30、BSテレ東)。Season2第9回目となる9月12日の放送では、新宿・神楽坂にある「鮨処 よね山」へ。ゲストに俳優の藤原紀香を迎え、正統派江戸前寿司に独自の工夫を重ねた町寿司を楽しんだ。
■神楽坂駅から徒歩2分「鮨処 よね山」へ
昭和23年創業「幸本」や明治2年創業「志満金」などの名店が軒を連ねる美食街、神楽坂。前回に続き、ゲストがいると知った市川は「どなたにお目にかかれるのか大変楽しみにしております」とゲストが待つ場所へ向かう。
ゲストを見た瞬間「紀香さん!」とテンションが上がった市川へ、ゲストである藤原は「見つかっちゃった」と茶目っ気たっぷりに答えた。片岡愛之助の妻である藤原だが、市川も同業の女将さんと町寿司へ伺うシチュエーションはなかなかない。不思議な感覚を抱きながら、「鮨処 よね山」へ。
「よね山」の大将は明治18年創業の「銀座 寿司幸 本店」で17年修業し、28年前に独立したのだという。「寿司幸」といえば140年ほども続く老舗の名店。17年という修業期間を聞いた藤原は、改めて寿司職人の修業の過酷さと習得の難易度にため息をつくのだった。
さっそく飲み物を注文した2人。市川はビールの大を、藤原は「ちょっとかわいこぶって…小」を注文する。届いた大ジョッキの大きさに驚きつつも、乾杯をして本日の町寿司をいただく。
■“嫌いが好きになると嬉しい”と大将
お通しに軽く揚げた車海老のお頭をいただいた2人は、サクサクした食感に舌鼓を打つ。自身も“毎日飲んでいる”という大将だからこそ、自分が飲むときに来たらいいなと思うものを提供しているそう。
さっそくオススメの握りを注文したところ、夏の名物コチを握ってくれることに。届いた白身の握りを見て「キレイ」と目から楽しむ藤原。「キュッと締まってて美味しい」と食感を楽しむ藤原だが、本来のコチは噛み切れないほど身が固い。そのため大将は「2日寝かせる」ことで、食べやすい食感を見極めて調整していると明かした。
続いて、珍しい名物である“焼き椎茸の握り”いただいた2人。素焼きして酒と醤油のタレにくぐらせて乾かし、煮切り醤油とすだちを使って仕上げるという技の詰まった逸品だ。修業先の名物でもあったそうで、まるで傘みたいな外見にキレイと思わずこぼす藤原。椎茸の旨みと手仕込みの香ばしい香りが、口のなかを幸せにする。
さらに小肌を握ってもらうのだが、「季節ものなんで、サービス」と新子もいただく。新子と小肌を同時に…というめったにない体験に感激する市川と藤原。面白いのはやはり小肌と新子への仕事だ。
この時期の小肌は子どもを産んで脂乗りが少ないため、骨の処理を兼ねて酢につけると酸っぱくなりすぎてしまう。そこで海老のおぼろを一緒に握り込むことで、甘さを足してバランスを取る。一方の新子は身の旨みをしっかり味わえるように、酢へ漬ける時間から変えるのだとか。大きな小肌が20分に対して、新子は1分も漬けない。小肌と新子の食べ比べというこの時期にしか味わえないサービスに、「贅沢なときを過ごさせていただいている」とホクホク笑顔を浮かべる2人だった。
やがて来店された常連さんから、いつものようにオススメを教えてもらう。同店の「ばらちらし」は2011年に『BRUTUS』の手土産ばらちらし部門のグランプリを受賞した名物なのだと聞いた2人は、さっそくいただくことに。煮穴子、白身魚、小肌、海老のおぼろ、煮椎茸、海老などなど具だくさんの「特製ばらちらし」は箱に収まった見た目がかわいらしいだけじゃなく、「めちゃくちゃ美味しい」と味への大絶賛もとまらない。
大将から次の握りに提案されたのは筋子。寿司ネタといえばイクラの方が有名だが、大将曰く「筋子の方がご飯に合う気がする」のだそう。美しく鮮やかな見た目に、藤原は目でも楽しいと感想を伝える。もちろん味も一級のため「濃厚で大好き」「めちゃくちゃ美味しいです」とストレートに褒める2人へ、「やったー」と嬉しそうにこぼす姿に大将の人柄が垣間見えた。
冷静茶わん蒸しや車海老、アオリイカなどもいただいた2人は締めの玉子焼きをいただく。大将からデザート代わりにと提案された玉子焼きはまるでケーキのような味わいで、「最高のデザート」「食欲ないときにこの玉子焼き食べたら元気になりそう」と大満足で本日の町寿司を締めた。
■通いたくなる大将の人柄
「今宵、町寿司で市川右團次と小粋な一献」では、お邪魔した町寿司にお礼の言葉と手拭いを渡すのが恒例となっている。今回は「目でも舌でも楽しめる「ばらちらし」のように人と人の縁が繋がる鮨処よね山」を贈った。
茶碗蒸しが苦手だった市川が同店の「冷製茶わん蒸し」で「これで僕も茶碗蒸しが好きになった」と話したひと幕では、「めちゃくちゃ嬉しいです」とはっきり喜びを口にする大将。黙々と握る職人気質の大将のいるカウンターも味わい深いが、客の反応に「やったー!」と喜ぶ大将がいる「鮨処よね山」には町寿司ならではの温かみを感じる。
今回もたくさん食べて飲んだお会計に、思わず「紀香さんご覧ください」と言ってしまう市川。その価格なんと、2人で19800円。神楽坂で満足いくまで楽しみ、このお値段で収まるのは町寿司ならではといえるだろう。
次回は9月19日(土)夜10時からの放送は、ゲストに沢口靖子を迎えて両国の割烹寿司へ。割烹で修業した2代目が握る江戸前寿司を堪能する。次回も町寿司で一献、小粋な時間を市川とともに楽しみたい。
【関連記事】
・
【写真】この時期の小肌は海老のおぼろと握って酸味と甘みのバランスを取る
・
光り物が苦手だった檀れいの「扉を開いた」絶品締めサバ市川右團次と行く神田の名店「鮨えい輝」<今宵、町寿司で>
・
大トロ、アワビ、ウニが500円…市川右團次、“下町価格”にこだわる大将の心意気に「たまらんなぁ」と感服<今宵、町寿司で>
・
市川右團次、大谷翔平も愛した老舗名店へ希少なカマトロや鮮度抜群の新子にじんわりこぼれる笑顔<今宵、町寿司で>
・
市川右團次、“裏返し”ホッキ貝の握りに大感動「これは醤油をつけちゃ失礼ですね!」父娘の絆が温かい名店<今宵、町寿司で>