【写真】原爆ドームを眺める、綾瀬はるか
上白石萌音が語りを務めるドキュメンタリー番組「あの日から100年 100 Years Since Those Days ―平和を未来に繋いでいくために―」が、9月21日(月)深夜1時55分よりフジテレビにて放送されることが決定した。あわせて放送終了後より、FODおよびTVerにて無料配信される。
■上白石萌音の語りで、記憶をつなぐ“旅”が始まる
本作は、戦後100年を迎える2045年に向けて、被爆の記憶を受け継ぐ人々を記録するドキュメンタリー番組。広島と長崎にが投下された“あの日”から81年。被爆の痕跡を伝える建物や資料、被爆樹木が残る一方、惨禍を直接体験し、自らの言葉で語ることのできる人々は年々減少している。
■「もう話す人がいなくなったら、あの壮絶な状況を誰が伝えるのだろう」
同番組が見つめるのは、広島・長崎で被爆した切明千枝子さん、大橋和子さん、佐藤美津紀さん、三田村静子さんの証言。そして、その思いを受け取り次の世代へ手渡そうとする高校生・塩野花菜さんと、小学6年生・細井奏志さんの姿だ。
長崎で平和活動に取り組んできた塩野さんは、核兵器の恐ろしさを自らの目で確かめるため、初めて広島を訪問。細井さんは小学3年生のときに聞いた三田村さんの被爆体験を受け継ぎ、小学5年生から最年少“伝承者”として活動を展開している。戦争を知らない若い世代が被爆者の言葉をどう受け止め、何を伝えていくのか、被爆の記録や対話を通して“記憶を受け継ぐ”意味を追っていく。
戦争という過ちを二度と繰り返さないために私たちがどう行動していくのか、戦後100年となる2045年の未来へ向けた取り組みが、上白石の語りとともに届けられる。
■2人の若者が被爆地である広島、長崎を訪れ“あの日”と向き合う
長崎の高校2年生・塩野さんが原爆について深く考えるようになったのは、小学2年生の校外学習がきっかけであった。被害を知った塩野さんは自ら調査内容をレポートにまとめ、その後も長崎で平和活動を継続。しかし、同じ被爆地である広島を訪れた経験はなかった。核兵器の恐ろしさを目で確かめたいという強い思いから初めて広島へ向かった塩野さんは、教科書や授業だけでは受け止めきれない被爆の現実と対峙することとなる。
もう1人、長崎を訪れるのが小学6年生の細井さん。番組内では被爆体験を語り継ぐ最年少伝承者として紹介され、将来の目標についても語っている。知識として知る“あの日”と現地で触れる“あの日”。2人が何を受け取り、どのような言葉を持ち帰るのかが映し出される。
■校庭での火葬、遺体と間違われた少女――被爆者たちが語る“あの日”
広島で被爆し、長年にわたり体験を語り継いできた切明さん。原爆投下当時、現在の高校1年生にあたる年齢だった切明さんは、学徒動員によってたばこ工場で働いていた。激しい閃光と爆風で工場の機械が倒れ、同級生が下敷きとなって命を落とす。学校へ戻った切明さんたちを待っていたのは、建物疎開の作業現場から全身に重い火傷を負って戻ってきた下級生たちであった。誰が誰なのか分からないほどの傷を負い息を引き取っていく生徒たちに対し、生き残った上級生である切明さんは遺体を校庭で火葬するよう命じられる。
炎の熱で遺体の手足が動くのを見た切明さんは「まだ生きているのではないか」と叫んだが、そのとき教師から告げられた言葉を受け止め、目をそらすことなくその光景を見続けたという。80年以上が経過した今も消えない記憶を切明さんが静かに明かす。
広島で被爆した大橋さんは当時12歳。建物疎開の作業に動員されていた午前8時15分、空を見上げた瞬間、激しい光と爆風に襲われた。目の前にいた友人が盾となったことで一命を取り留めたものの、その友人と再び会うことはなかった。重い傷を負い、遺体と間違われてトラックに積み込まれた大橋さんが、声を出すこともできない中でいかに生存を伝えたかが明かされる。さらに救護所では、焼け残った1枚の名札が大橋さんの運命を変えることとなり、叔父が後に“1分間の奇跡”と呼んだ生還までの経緯が語られていく。
■「ゆっくりと、長く続けて」証言を託す人と、受け継ぐ若者たち
長崎で被爆した佐藤さんは、長年自らの体験について沈黙を守ってきた。しかし、日本被団協のノーベル平和賞受賞をきっかけに胸の奥にしまってきた記憶を語り始める。講演会で被爆者の言葉を次世代へ伝えようとする高校生・池田晃輔さんと出会った佐藤さんは、池田さんを応援するつもりで臨んだものの、自分の方が励まされたと当時を振り返る。
長崎で被爆した三田村さんの証言を語り継いでいるのが細井さんだ。真剣に証言する細井さんの姿を見た三田村さんは、そのひたむきな姿勢に感銘を受け尊敬していると話す。自分がいつまで語り続けられるか分からないからこそ、細井さんに対して「ゆっくりと、長く続けてほしい」と願いを託す。単に言葉を引き継ぐだけでなく、細井さんが語る姿に三田村さん自身も希望を見いだしていく過程が収められている。
■平和を“願う”から“行動する”へ 2045年まで続くプロジェクト
番組では、平和を願うだけでなく具体的な行動へつなげる新たな取り組みも紹介される。
「第1回 PEACEシンポジウム2026」には、NPO・NGO、企業、学術、行政、メディアなど多彩な立場の人々が集結。平和について考え行動することを、環境問題と同様に社会の“文化”として根付かせるための展望が語られる。「あの日から100年 100 Years Since Those Days ―平和を未来に繋いでいくために―」では、2025年から20年間をかけて戦争経験者や平和を願い行動する人々を取材。国連創設100周年、そして戦後100年を迎える2045年の映画公開を目指す長期プロジェクトとなっている。
■「教えてください」から、「伝えていきます」へ
戦争を知らない世代が被爆者の声を受け取り、自身の言葉で未来へ手渡していく。「あの日から100年 100 Years Since Those Days ―平和を未来に繋いでいくために―」は、過去の記憶を記録するにとどまらず、これからの100年を考えるためのドキュメンタリーとして制作されている。
世界各地で紛争が続く現代において、私たちが何を受け取り誰に伝えていくべきなのか、平和の意味を問いかける内容となっている。
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