(写真/PIXTA)
9月16日(水) 11:00
リクルートは、福岡県に住んでいる人を対象とした「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 福岡県版」を発表。単に住んでみたい街ではなく、「今、住んでいる街に住み続けたいか?」という意向の実態を調査し、住民のリアルな感覚を反映している。本記事では、全体ランキング上位のほかに、4つの街をピックアップ。住民が実感している“住み続けたい理由”を深堀りする。
地下鉄七隈線「薬院大通」駅が、3回連続で1位を獲得!
「SUUMO住み続けたい街ランキング」は2022年にスタートし、2024年、2026年と、2年ごとに実施されている。そして、これまで行われた3回すべてのランキングで1位を獲得しているのが「薬院大通」駅だ。
市内でもセンスのいい店が集まるエリアで、感度の高い街として長年注目を集めている。個人経営のショップや飲食店が集まる駅周辺は、小規模ながら行列のできるスイーツショップやベーカリーも多い。
住民があげた街の魅力1位は「雰囲気やセンスのいい、飲食店や個人商店(書店、美容院、雑貨屋など)がある」、7位には「コストパフォーマンスがよい飲食店や個人商店がある」がランクイン。最近はモーニングメニューを充実させたカフェやベーカリーが増え、住民はもとより観光客も呼び込んでいると話題になっている。
また、「落ち着いて仕事のできる施設がある(コワーキングスペースやカフェなど)」が街の魅力2位にランクイン。経理・税務・融資まで含めてサポートするシェアオフィス 「WORK! YAKUIN」や、薬院駅直結の「goodoffice薬院」など、個性豊かなシェアオフィスが充実しており、起業家やフリーランスにとって大きな魅力になっている。気軽にPCを広げて仕事ができるカフェが周辺に多い。
街の魅力8位には「この街には自分のお気に入りの場所や風景がある」がランクイン。「薬院大通」駅周辺は散歩が楽しいエリアで、路地に入れば、個性的な飲食店との思いがけない出会いがある。また、緑豊かな南公園や福岡市動植物園もあり、自然があふれ、心癒やされる風景がある。
SNSでバズり、メディアにも取り上げられるショップやカフェだけでなく、日常的に仕事でも利用しやすい馴染みの店や「お気に入りの場所」をもちやすい環境が、「薬院大通」エリアの住み心地を格上げしているといえそうだ。
「子育てしやすい街(自治体)ランキング」では、北九州市戸畑区が第1位に輝いた!今回から新設された「子育てしやすい街ランキング」は、街の魅力45項目の中から子育て環境として重視したい魅力項目をピックアップし、それらのポイントが高い順にランキングしたもの。その自治体ランキングで1位を獲得したのが、北九州市戸畑区だ。
戸畑区は区政でも「文教のまち」と謳われており、磯崎新氏が設計した「北九州市立美術館」、1933年築の「戸畑図書館」など、区民の誇りであるカルチャースポットがある。街の魅力でも1位に「魅力的な文化施設が充実している」、3位に「魅力的な図書館がある」がランクインした。
また、街の魅力項目6位に「いろいろな場所に車で行きやすい」とある通り、同区は北九州市7行政区のなかで最も面積が小さなコンパクトシティでありながら交通網が充実している。区内には映画館を備えたイオン戸畑ショッピングセンターがあり、子どもの習い事や塾も集積している。日常的な買い物や子どもの送り迎えがスムーズにできる点は、子育てファミリーにうれしいポイントである。
そのほか、1803年から続き、ユネスコ無形文化遺産に登録されている祭り「戸畑祇󠄀園大山笠」は北九州を代表する祭りのひとつで、住民の誇りでもある。地域の「中学生にも山笠を担がせたい」という想いから始まった「小若山笠」には中学生が参加。小学生以下の子どもも飾り山を曳いてまわる。これらを通して、地域のまとまる力と子どもたちの礼儀や節度を大切にする心を育んでいる。
さらに、北九州市は2024年に“こどもまんなかcity宣言”を行い、子どもや子育て家庭を社会全体で応援している。戸畑区でも、妊娠中から子育て期まで切れ目なく、手厚い行政サービスを受けられる。また、区内には放課後児童クラブも運営する児童館が3館あり、親子や子ども向けのイベントが多彩。こうした取り組みが、街の魅力8位の「魅力的な子育てに関する自治体サービスが充実している」などにつながり、「子育てしやすい街」としての魅力を底上げしている。
「子育てしやすい街(駅)ランキング」の2位に、久留米市の御井駅がランクイン!続いては、「子育てしやすい街(駅)ランキング」を紹介しよう。1位の西新駅は、駅周辺に修猷館高校、西南学院大学などの学び舎が集結。以前より子育てファミリーが憧れる街(駅)である。
そんななか、堂々2位に着いたのが、御井(みい)駅だ。JR久留米駅から久大本線で、4駅の位置にある。駅周辺は、都市と田園が重なるエリアで、住宅、商業施設、自然がバランスよく入り混じっている。
御井駅の子育てしやすい魅力1位は「地域に顔見知りや知り合いができやすい」、4位は「魅力的な図書館施設がある」、8位は「子育て環境が充実している」で、この順位には久留米大学 御井キャンパスの存在があると推測できる。
例えば、2022年、御井キャンパス内に地域交流の拠点としてリニューアルした900号館「つながるめ」は、“本”をテーマにしたイベントや各種教室、マルシェなど、住民同士の交流のきっかけとなる場を提供。また「つながるめ」の4階には、地域子育て支援拠点「えみくる」も開設され、利用するファミリーの増加から2024年にはスペースが拡大された。
そして農業がさかんな筑後川流域であるため、魅力3位に「物価が安い」、7位に「地域の食文化を楽しめる(地元食材や地酒・地ビールなど)」と、子どもたちを豊かな食環境の中で育てられる。
さらに久留米市が「医療のまち」であることも、魅力6位の「夜間救急などに対応できる医療施設がある」につながり、子育てファミリーの安心感を支えている。
再開発が進む「春日原」駅が、「子育てしやすい街(駅)ランキング」3位に選出!同じく「子育てしやすい街(駅)ランキング」で福岡市内の街(駅)を抑えて3位にランクインしたのが、西鉄天神大牟田線の「春日原」駅。すぐ近くのJR「春日」駅も5位に選ばれていることから、このエリアの注目度がうかがわれる。
「春日原」駅のトピックは、何といっても西鉄天神大牟田線の高架化だ。線路の高架化で見通しがよくなり、歩道や街灯も整備され、より安全安心な駅前環境が実現したことは、子育てファミリーにとってもうれしい限り。こうした変化が街の魅力1位の「防犯対策がしっかりしており治安が良い」につながったといえる。
また、2026年6月、駅直結の商業施設、「レイリア春日原」がグランドオープン。通勤通学の途中に、日常生活で必要なものを購入できる便利さも向上した。
また、春日原駅のある春日市は、コミュニティで子どもを育てる環境があることでも知られる。学校・家庭・地域で子どもを共に育てる「共育」を推進して、地域・保護者・子どもたちが協働して学習活動やボランティア活動を行い、子どもの自己肯定感や地域の活力を育んでいる。こうした取り組みもあってか「教育環境が充実している」が街の魅力3位にランクインした。
また、春日公園には、野球場・テニスコート・ドッグランなどが充実。さらに図書館、体育施設などを備えた「クローバープラザ」もある。それら施設の充実が、街の魅力2位の「子育て環境が充実している」、4位の「散歩・ジョギングがしやすい」、5位の「魅力的なコミュニティセンターや公民館がある」などの評価につながったといえる。
今回のランキングからは、街の魅力が単なる利便性だけでなく、日々の暮らしを豊かにする文化やコミュニティ、子育て環境に支えられていることが見えてきた。住民が「ここに住み続けたい」と感じる理由は、その街に住む人々自身の取り組みや活動の中に確かに息づいていると感じられた。
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「SUUMO住み続けたい街ランキング2026 福岡県版」調査報告書
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