ダニー・ボイル監督の最新作「Ink(原題)」がトロント国際映画祭でカナダ初上映され、ボイル監督がQ&Aセッションに登壇した。
本作は、ルパート・マードック(ガイ・ピアース)がオーナーとなり、編集者ラリー・ラム(ジャック・オコンネル)のもとで英タブロイド紙「ザ・サン」が台頭していく姿を描いたドラマ。英国で最も人気のあるタブロイド紙の躍進と、ニュースが扇情化していく過程を追っていく。
プリンセス・オブ・ウェールズ・シアターで行われた上映後のQ&Aでは、ボイル監督とキャストが観客からの質問に応じ、映画におけるAI使用についても語った。
本作でのAI使用と、AIが映画業界や世界全体に及ぼす脅威についての質問に対して、ボイル監督は「ごくわずかしか使っていません」と回答。「私たちの世界では、AIはVFXと非常に密接に結びついています。VFXで使われるツールのひとつです。私たちは非常に責任を持って使おうとしましたし、それによって俳優が仕事を失うことがないようにしました。ですから、もし少しでもそれを使うなら、常に俳優を雇うようにしていました。使用したのは約30秒です」と具体的に説明した。
AIが社会や映画業界に与えるより広範な影響については、ボイルは別の機会に議論すべき問題だとした。「それが私たちの社会において、もちろん私たちの職業も含めて、どのような位置を占めるのかという大きな問いは、非常に大きく複雑なものです。おそらくここで踏み込むことはできませんが、私たちは皆、それに向き合う必要があります」と述べた。
ボイル監督は以前、テルライド映画祭で、本作の「約30秒」に対してAIを使用したと認めていた。「古い写真をいくつかアニメーション化している部分です」と説明し、「AIは動物にとても向いています。『ザ・サン』編集部を走り回るネズミがいたんです」とも明かしている。
【関連記事】
・
【第83回ベネチア国際映画祭】ダニー・ボイル「INK」で幕開け、マーティン・マクドナー作品、ヘルツォークがリンチに捧げた新作も話題
・
ダニー・ボイル監督、「28年後...」3部作の完結編は「うまくいけば来年には撮影ができる」
・
ダニー・ボイル監督新作にガイ・ピアース主演決定メディア王ルパート・マードックの伝記映画「インク」
・
ダニー・ボイル監督「サンシャイン2057」は3部作になるはずだった
Photo by Walter McBride/WireImage/Getty Images