9月15日(火) 2:00
不動産の売却価格は、売主が希望する金額だけで決まるわけではありません。立地、築年数、建物の状態、土地の広さなどを踏まえ、買主がその価格で購入したいと思うかが重要です。
売り出して半年間買い手がついていないのであれば、価格を見直すことは選択肢になります。
ただし、「半年売れなければ必ず値下げする」という決まりはありません。問い合わせは多いのに購入につながらないのか、それとも問い合わせ自体がほとんどないのかでも対応は変わります。
たとえば、内覧希望者は多いものの契約に至らない場合、建物の状態など価格以外に原因があるかもしれません。一方、問い合わせがほとんどないのであれば、周辺の類似物件と比べて価格が高い可能性も考えられます。
まずは半年間の問い合わせ件数や内覧件数を不動産会社に確認しましょう。
2500万円から300万円値下げすると、売り出し価格は2200万円になります。値下げ率は12%です。
金額が大きいため、「売れないから300万円下げましょう」という説明だけで決めるのはおすすめできません。
不動産会社に、2200万円を提案した根拠を聞いてみましょう。宅地建物取引業法では、不動産会社が売買すべき価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないとされています。
自分でも国土交通省の「不動産情報ライブラリ」を利用できます。不動産の取引価格などを調べられるため、実家の周辺で似た条件の物件がいくらで取引されているかを確認する材料になります。
ただし、不動産は同じ地域でも、土地の形、面積、前面道路、築年数などによって価格が変わります。「近所が2200万円で売れたから実家も2200万円」と単純に決めず、複数の取引事例を参考にしましょう。
売れない原因が価格とは限らないため、値下げする前に販売活動も確認しましょう。
たとえば、不動産情報サイトに掲載されている写真が暗かったり、室内の魅力が十分伝わっていなかったりすれば、購入希望者から選ばれにくくなる可能性があります。
空き家なら、室内を整理してから写真を撮り直すだけでも印象は変わります。物件紹介文や掲載写真、問い合わせへの対応状況などについて、不動産会社と話し合ってみましょう。
現在の不動産会社の説明や販売活動に納得できない場合は、契約内容を確認したうえで、別の不動産会社に査定や相談を依頼する方法もあります。
なお、空き家を相続している場合は、税制も確認しておきたいところです。一定の要件を満たす相続空き家を売却した場合、譲渡所得から最高3000万円(相続人が3人以上の場合は最高2000万円)を控除できる特例があります。適用には期限を含む複数の条件があるため、売却時期を考える際は税務署や税理士などへの確認も検討しましょう。
半年間買い手がついていないのであれば、2500万円という価格を見直すことには一定の合理性があります。しかし、いきなり300万円下げることが最善とは限りません。
まず「なぜ2200万円なのか」という根拠を不動産会社に確認しましょう。周辺の成約事例や問い合わせ件数などを見れば、価格が原因なのか、販売方法に改善の余地があるのかを判断しやすくなります。
また、「多少安くなっても早く現金化したい」のか、「時間がかかってもできるだけ高く売りたい」のかによっても判断は変わります。
売却価格だけを見るのではなく、売却までの希望期間や税制、空き家を保有し続ける負担も含めて考えれば、納得できる価格を決めやすくなるでしょう。
国土交通省 価格査定マニュアル
国土交通省 不動産情報ライブラリ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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