9月14日(月) 3:40
お礼を請求できるかどうかについて知るうえで、最初に拾得物の処理方法についておさらいしましょう。
今回のケースでは、駅で財布が発見されています。警察庁によると、駅・ホテル・娯楽施設・学校などの施設で財布を拾った場合、24時間以内(路上で拾ったら7日以内)に施設へ届け出なければなりません。24時間を過ぎると、拾得者としての権利を失います。
その後施設は警察に財布の届出を行い、警察がシステムなどで落とし物の照合をかけます。そして、財布を落とした人が見つかった場合、警察は財布を拾った人に連絡する流れです。
このとき、財布を拾った人は、落とした人に対してお礼(報労金)を請求する権利を持ちます。
警察庁によると、落とし物を拾った人は、落とし主に対して、「落とし物の価値の2.5~20%」にあたる報労金を請求可能です。請求できる率は、「どこで」落とし物を拾ったかによります。
今回のように施設で拾った場合と、路上で拾った場合で、請求できる率が次のように変わります。
・施設で拾った場合:2.5%から10%
・路上で拾った場合:5%から20%
今回は10万円の価値があるものを駅で落としているため、その2.5%から10%、つまり2500円~1万円の間で請求可能です。
しかし財布をなくした相談者は2万円を請求されています。路上でなくした場合であれば2万円の報労金も規定の範囲内となることがありますが、今回は施設内で拾得されたものであるため、2万円の請求は上記の範囲を超えていると考えられます。
なお施設で拾った場合に拾得者の取り分が半分になるのは、落とし主が支払う5%から20%の報労金を、拾った人と施設がそれぞれ半分ずつ受け取る仕組みになっているためです。
つまり、落とし主が支払う総額が半分になるわけではありません。
なお先述の報労金とは別に、拾った人が落とし物の届出や保管に何らかの費用を要した場合、その費用も落とし主に請求できます。例えば運搬費や、動物であれば治療費・餌代などがそれにあたります。
報労金の金額は、規定内であれば財布を拾った人が主張できますが、権利放棄することも可能です。なかには、お礼を求めない拾得者もいることでしょう。
最終的には、報労金や実費について、拾った人と落とし主が話し合って決めることになります。なお拾った人は、落とし物が落とし主に返還されてから1ヶ月以内に請求しなければなりません。
今回のケースにおいて、財布を拾った人が、財布を見つけてから届出をするまでにどれくらいの時間がかかっていたかも、お礼の発生の有無を左右します。
前述のように、拾った人は、施設なら24時間以内、路上なら7日以内に施設もしくは警察へ提出しなければ、拾得者の権利を失います。
仮に今回のケースで財布を拾った人が、拾得から数日後に届け出ていた場合、報労金を受け取る権利を失うことがあります。この場合、財布に入っていた10万円を基準とした報労金を請求することはできません。
今回のケースでは駅で10万円入りの財布を落としているため、拾った人は10万円の2.5%~10%にあたる、2500円~1万円の間で報労金を請求できます。
2万円は報労金の範囲を超えているため、拾得者に2万円を支払う必要はないと考えられます。まずは拾得者と話し合い、適切な金額について確認しましょう。当事者同士での話し合いに不安がある場合は、届け出た警察署などに相談しながら対応を進めると安心です。
警察庁 落とし物をしてしまったら、すぐに遺失届を! 『落とし物・忘れ物を拾ったら?』編
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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