9月13日(日) 23:30
国税庁長官官房企画課の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は478万円でした。男女別では男性587万円、女性333万円です。
ただし、478万円はさまざまな人の給与を合計して人数で割った「平均」です。そのため、誰もが478万円前後を受け取っているわけではありません。
勤務先の規模によっても差があります。従業員10人未満の事業所では平均392万円ですが、5000人以上では539万円です。また、資本金2000万円未満の株式会社では403万円なのに対し、10億円以上では673万円となっています。
業種別では、「電気・ガス・熱供給・水道業」が832万円、「金融業、保険業」が702万円です。一方、「宿泊業、飲食サービス業」は279万円となっています。
つまり、全国平均が478万円でも、大企業や給与水準の高い業種で働いていれば、周囲に年収600万円や700万円以上の人がいても不思議ではありません。
「自分の周囲」と「日本全国」では、比較している人たちの条件が異なる点にも注意が必要です。
例えば、大企業に勤務している人なら、日常的に接する同僚も大企業の社員が中心です。友人についても、学生時代などを通じて似た学歴や職業、生活環境の人が集まっていることがあります。
年齢による違いもあります。国税庁長官官房企画課の同調査では、男性は60歳未満まで、おおむね年齢が高くなるにつれて平均給与も上がり、55~59歳では735万円となっています。
このように、勤務先や年齢などが似た人に囲まれていると、周囲の給与水準が全国平均より高くなることがあります。
自分の年収が高いか低いかを知りたい場合は、全国平均だけで判断するのではなく、自分と近い年代や業種、企業規模などの給与水準も確認するとよいでしょう。
生活ぶりを見ただけでは、他人の年収や家計状況を正確に判断できません。
例えば、夫婦一方の年収が500万円、もう一方の年収が400万円なら、単純に合計した世帯年収は900万円です。それぞれの年収は特別高くなくても、共働きなら世帯全体の収入が大きくなる場合があります。
住宅についても同様です。新築マンションを購入した人の多くは住宅ローンを利用するため、「高額な住宅を購入した=非常に高い年収」とは限りません。
海外旅行も、貯蓄から費用を出す人や、ほかの支出を抑えて旅行を優先する人などさまざまです。反対に、高年収でも住宅ローンや教育費などの負担が大きければ、自由に使えるお金が多いとは限りません。
周囲の目立つ消費だけを見て、「自分より家計に余裕がある」と判断しないことが大切です。
国税庁長官官房企画課の調査では、給与所得者の平均給与は478万円ですが、勤務先の規模や業種、年齢などによって給与水準は異なります。そのため、自分の周囲に年収500万円を大きく超える人が多くても、全国の統計と矛盾するとは限りません。
また、海外旅行や住宅購入などの生活ぶりには、本人の年収だけでなく、配偶者の収入や貯蓄、ローン、お金の使い方なども関係します。
自分の収入について考えるなら、周囲の暮らしぶりと比べるより、自分と近い年代や業種、企業規模の給与水準を参考にしましょう。そのうえで、自分の収入と支出、貯蓄のバランスを確認することが、今後の生活や資産形成を考えるうえで役立ちます。
国税庁長官官房企画課 令和6年分民間給与実態統計調査 -調査結果報告- II 1年を通じて勤務した給与所得者 2 平均給与(15ページ)、〔事業所規模別の平均給与〕(18ページ)、〔企業規模別の平均給与〕(19ページ)、〔業種別の平均給与〕(20ページ)、〔年齢階層別の平均給与〕(21ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
50代、中小企業の部長です。旧友との飲み会で「年収600万円だ」と言ったら微妙な反応でした。友人は大企業に勤めていますが、そんなに年収に差が出るのでしょうか?