9月14日(月) 5:20
親から子どもへお金を渡すと、基本的には贈与税の対象になります。ただし、親子などの「扶養義務者」から、通常必要な生活費を受け取った場合は、贈与税がかからないことがあります。
国税庁によると、生活費には日常生活に必要な費用のほか、治療費や養育費なども含まれます。ただし、贈与税がかからないのは、生活費として必要な都度受け取り、直接その目的に使った場合です。
反対に、生活費として受け取ったお金でも、預金したり、株式や不動産などの購入資金に充てたりした場合は、贈与税の対象になります。
例えば、母親から年間60万円を受け取り、30万円を食費や光熱費などに使い、残り30万円を預金したとします。生活費として使った30万円には原則として贈与税はかかりません。
一方、貯金した30万円については贈与税の対象として考える必要があります。つまり、「生活費としてもらった」という理由だけで、余ったお金まで非課税になるわけではありません。
今回のケースでは、貯金した30万円が贈与税の対象になったとしても、直ちに税金を支払うとは限りません。
一般的な「暦年課税」では、贈与税に年間110万円の基礎控除があります。1月1日から12月31日までに受けた課税対象となる贈与の合計額が110万円以下なら、原則として贈与税はかからず、申告も必要ありません。
そのため、今回のケースで贈与税の対象となるのが貯金した30万円だけであり、その年にほかの課税対象となる贈与を受けていなければ、贈与税を支払う必要はありません。
ただし、「生活費だから30万円が非課税」という意味ではない点が重要です。実際に生活費として使ったため贈与税がかからないケースと、贈与税の対象ではあるものの基礎控除の範囲内で税金がかからないケースは、仕組みが異なります。
暦年課税の110万円の基礎控除は、贈与した人ごとに利用できるものではありません。贈与を受けた人が、その年に受けた課税対象となる贈与を合計して判断します。
例えば、生活費の余り30万円を貯金したほかに、同じ年に母親から自由に使えるお金を50万円、祖父から50万円もらったとします。すべて課税対象となる贈与であれば、合計額は130万円です。110万円を超えるため、贈与税の申告・納税が必要になる可能性があります。
そのため、「母から受け取った金額だけなら110万円以下だから大丈夫」と判断するのは避けましょう。複数の人からお金を受け取っている場合は、誰から、いつ、いくら受け取ったのかを記録しておくと確認しやすくなります。
母親から毎月5万円の生活費を受け取り、年間60万円のうち30万円を使って30万円を貯金した場合、貯金した部分まで「生活費だから非課税」になるわけではありません。
ただし、一般的な暦年課税には年間110万円の基礎控除があります。今回の30万円以外に課税対象となる贈与がなければ、原則として贈与税はかからず、申告も必要ありません。
親などから生活費を受け取っている場合は、「受け取った金額」だけでなく、「実際に生活費として使った金額」や「貯金に回した金額」を把握しておくことが大切です。
ほかの贈与も含めて年間の金額を確認し、110万円を超える場合や課税対象か判断できない場合は、税務署や税理士に相談するとよいでしょう。
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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