9月14日(月) 4:20
公営住宅法第23条1項1号によると、公営住宅に入居する資格を満たすには、政令で定められ、かつ住宅事業主体が条例で定める金額を超えてはいけません。
国土交通省によると、政令で定められた入居収入基準額は「15万8000円」です。高齢者や障害者については、「21万4000円」です。
過去1年間の総所得を計算し、そこから控除額を引き、さらに12ヶ月で割った額が先述の金額内である必要があります。
ただし、実際の入居資格は、政令の基準を踏まえて各事業主体が条例などで定めています。そのため入居収入基準額は、公営住宅に住み続けられるかどうかのひとつの目安として捉えておくとよいでしょう。
公営住宅法第28条1項によると、公営住宅に引き続き3年以上入居していて、入居収入基準を超える収入のある場合、「収入超過者」とみなされ、公営住宅を明け渡すように努めなければなりません。
同法では、「努めなければなりません」としています。そのため今回のケースも、強制的に退去させられたり、即時退去を求められたりするわけではないと考えられます。
ただし、努力義務であるからといって、収入が基準を超えた後も公営住宅にそのまま住み続けられると考えるのは注意が必要です。
公営住宅は、住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で住宅を提供することを目的とした制度です。そのため、一定の収入基準を超えた場合には、制度の趣旨を踏まえ、今後の住まいについて検討することも大切です。
また、収入超過者になると、収入などに応じて家賃の負担が増える点にも注意が必要です。家賃が上がれば、公営住宅に住み続けることで得られる経済的なメリットも以前より小さくなる可能性があります。
収入超過者と混同しやすいものに「高額所得者」があります。
公営住宅法第29条1項によると、高額所得者は、公営住宅に引き続き5年以上入居しており、最近の2年間に、政令で定めた基準を超える収入がある人です。入居収入基準は所得月額が「31万3000円」です。
高額所得者として認定されると、収入超過者とは異なり、期限を定めて公営住宅の明け渡しを請求されるケースが一般的です。
つまり今回のケースで世帯収入がアップした結果、収入超過者を通り越して高額所得者になってしまった場合、期限までに退去しなければならない可能性が大きくなります。
収入超過者と高額所得者のどちらに認定されるか分からない場合は、公営住宅事業を行っている事業者に問い合わせるとよいでしょう。
仮に収入超過者もしくは高額所得者になってしまっても、公的なサポートを受けられる可能性があります。
国土交通省が示すところによれば、公営住宅の事業主体は、当該住宅を明け渡す代わりに「住宅・都市整備公団住宅」や「公社住宅」「特定優良賃貸住宅」などの住宅をあっせんするよう努める必要があるそうです。
当該公営住宅を退去する場合は、事業主体に詳細やサポートを尋ねることも検討してみましょう。
公営住宅に定められている入居収入基準を超えてしまっても、収入超過者の場合、当該住宅を明け渡す努力は求められますが、すぐに退去しなければならないわけではありません。
ただし、収入超過者になると家賃の負担が増えるため、民間賃貸住宅などへの転居も含め、住居費を比較したうえで今後の住まいを検討する必要があるでしょう。
一方、高額所得者になると、退去までの期限を定められることが一般的です。収入が基準を超えた場合は、将来的に転居を検討する必要が生じることもあるため、収入状況や公営住宅の入居基準を定期的に確認しておくとよいでしょう。
e-GOV法令検索 公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号) 第三章 公営住宅の管理 (入居者資格)第二十三条、(収入超過者に対する措置等)第二十八条1項、第二十九条1項
国土交通省 公営住宅法施行令の一部を改正する政令案について
国土交通省 公営住宅の収入超過者及び高額所得者に対する措置について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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