ペットボトル飲料を口にした3歳児が一時意識不明の重体に…なぜ? 中に入っていたものは、実は…

ペットボトル飲料を口にした3歳児が一時意識不明の重体に…なぜ? 中に入っていたものは、実は…

ペットボトル飲料を口にした3歳児が一時意識不明の重体に…なぜ? 中に入っていたものは、実は…

9月12日(土) 7:24

3歳児がペットボトルの中身を飲み、一時意識不明に。入っていたのは、町内会から配られた殺虫剤でした。殺虫剤や虫よけの誤飲・誤噴射を防ぐために、家庭でできる対策を紹介します。
3歳児がペットボトルに入ったものを飲み一時意識不明に。中に入っていたのは
2025年7月、宮城県石巻市で子どもの誤飲事故が起きました。 当時3歳の子が誤飲したのは、殺虫剤。 救急搬送され一命はとりとめましたが、一時は意識不明になりました。

3歳の子が誤飲した殺虫剤は、町内会が飲料用のペットボトルに小分けにして各家庭に配布したものでした。

(イラスト:ぺぷり)
同年6月には、同じく石巻市在住の80代男性がペットボトルに入れられた殺虫剤を誤飲し、死亡する事故も起きていました。[*1] [*2]

ペットボトルに移し替えたことによる誤飲はほかにも
飲料用ペットボトルへの移し替えが原因の誤飲事故はほかにも起きています。

ある事例では、子どもの泣き声がして駆けつけたところ、自宅の車庫に置いていたシンナー入りのペットボトルが倒れており、子どもの口からシンナーのにおいがしたとのことです。誤飲した可能性があるとして医療機関を受診、子どもは5日間入院しました。[*4]

虫よけ・殺虫剤のスプレーの誤噴射による事故

スプレータイプの虫よけ剤や殺虫剤にも注意が必要です。

虫よけスプレーでは、 2歳の子が玄関に置かれていた虫よけスプレーを自分の顔に噴射。 すぐにシャワーで洗い流しましたが、目の周りが赤くなり、左目が充血しました。

虫よけスプレーと取り違えて、殺虫剤を皮膚に噴射した事例もあります。外出前に親子で 殺虫剤を両腕・両足に吹きかけたところ、8歳の子が手足のしびれを訴えました。 保護者にも同様の症状が現れました。[*3]
殺虫剤などの吸入・誤飲事故を防ぐために

殺虫剤による子どもの事故は、大人が適切に管理することで防ぐことができます。事故を防ぐためにできることを確認しておきましょう。
子どもだけで使わせない
殺虫剤を使用する際は、製品の使用方法・用量を守ることが大切です。子どもは間違えたりふざけたりして、想定を超えた危ない使い方をすることがあります。 殺虫剤はひとりで使わせない ようにしましょう。
子どもの手の届かない場所へ保管する

殺虫剤や防虫剤には、蚊取り線香や置き型の虫よけ、スプレーなど、さまざまなタイプがありますが、いずれも 子どもの手が届かない場所で保管 しましょう。スプレーに誤噴射防止ロックがあれば必ずロックをかけておきましょう。[*3]

高い場所に置いたと思っても、踏み台などを使って手が届いてしまう場合があります。 誤飲すると命にかかわる可能性のあるものは、できれば鍵付きの棚などに保管すると安心です。[*5]
<子どもの手が届く範囲>

1歳児:約90cm

2歳児:約110 cm

3歳児:約120 cm
殺虫剤と虫よけ剤の置き場所を分ける
スプレータイプの殺虫剤と虫よけ剤は、取り違えることがないよう、置き場所を分けて保管しましょう。
スプレーは噴射前に噴射方向を確認する

スプレータイプのものを使う場合は、必ず噴射方向を確認してからノズルを押しましょう。誤って顔にかかると、目や口に入ることもあり危険です。
ペットボトルなどの容器に移し替えない
殺虫剤をペットボトルなどほかの容器に移し替えると、誤飲の危険があります。移し替えは絶対にやめましょう。
子どもが殺虫剤を誤飲したら
殺虫剤を誤飲したり誤って吸い込んでしまったりすると、殺虫剤に含まれる化学成分などによって健康に影響が及ぶことがあります。なかには、誤飲によって中毒を起こす可能性のある殺虫成分が使われている製品もあります。

無理に吐かせず、医療機関を受診する
子どもが殺虫剤を飲んだ・飲んだ可能性がある場合は、 基本的には無理に吐かせず、すぐに医療機関を受診 してください。ぐったりしているなど様子がおかしい場合には救急車を呼びましょう。受診する際は、誤飲した製品の容器や説明書を持参し、商品名や成分、誤飲した時刻、飲んでしまった量などを伝えます。対応は製品や成分によって異なるため、製品の注意表示も確認してください。[*4][*5]
誤吸入や目・口・皮膚への付着で症状が悪化する場合も受診
殺虫剤を吸い込んだときや、目・口・皮膚に付着したときは、製品の注意表示に従って、対処してください。製品によって「皮膚についた場合は石けんでよく洗う」「目に入った場合は水でよく洗い、眼科を受診する」などと記載されています。子どもの体調に変化がある場合や、症状が続く・悪化するといった場合は、医療機関を受診しましょう。
殺虫剤の種類ごとの対処法

代表的な殺虫剤の種類ごとの対処法を紹介します。
ホウ酸団子
市販のホウ酸団子は、子どもが4分の1個以上食べると中毒の危険があるとされています。自家製のものはホウ酸の含有量が高く、少量でも危険な場合があります。子どもが口にした場合は、製品の容器や包装を手元に用意してすぐに受診してください。[*6]
液体蚊取り
体蚊取りには石油系溶剤が使われており、飲んだ液体や吐いたものが気管に入ると肺炎を起こす危険があります。飲んだ様子がある場合は、吐かせずにすぐに受診してください。 [*6]
蚊取り線香、蚊取りマット
床に置くことが多いため、0~1歳の赤ちゃんが誤食しやすいものです。蚊取り線香、蚊取りマットは含まれる殺虫成分の量が少なく、誤食で大量に食べることも通常はありません。[*6]

しかし、子どもの誤飲・誤食は目を離した隙に起こるので、どれくらいの量を口にしたかわからないことも多いです。すぐに医療機関を受診しましょう。
まとめ
子どもがペットボトルに詰め替えた殺虫剤を誤飲したり、殺虫剤を体に直接噴霧したり、小さな子が殺虫剤や防虫剤を口にしてしまう事故が起こっています。殺虫剤は子どもの手の届かない場所に置き、子どもだけで使用させないようにしましょう。スプレータイプの殺虫剤は、虫よけスプレーと取り違えないように対策してください。万一飲んだ場合の対応も確認しておくと安心です。製品の注意書きをよく読んで正しく使用してください。

※写真はイメージです

(文:佐藤華奈子、監修:植田 郁実先生、編集:マイナビ子育て編集部)

参考文献

[*1] 「留守だから置かなきゃよかった」ペットボトル殺虫剤“玄関に置いて”配布か 外出中の男性が帰宅し誤飲宮城・石巻市(TBS NEWS DIG)

[*2] 【独自】殺虫剤誤飲死亡、周知せず石巻市、翌月にも事故(共同通信)

[*3] Vol.558 虫除けスプレーや殺虫剤の事故に注意しましょう!(消費者庁)

[*4] 飲料用ペットボトルへの移し替えはやめましょう!-洗剤や殺虫剤などの誤飲事故が発生しています-(国民生活センター)

[*5] 赤ちゃんやこどもを誤飲・窒息事故から守る!万一のときの対処法は?(政府広報オンライン)

[*6] 中毒事故の問い合わせが多い家庭内の化学製品(公益財団法人 日本中毒情報センター)









この記事の監修ドクター

植田 郁実(うえだ いくみ)先生

小児科専門医
千葉大学医学部卒業。市立豊中病院/大阪大学医学部附属病院で初期研修。淀川キリスト教病院で後期研修。現在は大阪大学医学部附属病院勤務。









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