日本映画界に欠かすことのできないバイプレイヤー・渡辺哲が、浅沼直也監督が手がける「OKAERI My Dear Fool」に主演することが明らかになった。黒澤明監督作「乱」で銀幕デビューを果たしてから41年目にして、初の長編映画主演に臨む。
今作は、「ペコロスの母に会いに行く」(森崎東監督)のプロデュースで知られる村岡克彦氏が手がける新作。渡辺が息吹を注ぐことになる認知症のおじいちゃんと、イランから来日し家族と離ればなれになってしまった少女ユニが主人公だ。村岡氏によれば、「OKAERI」というタイトルには、「帰る場所があること」「誰かが待っていてくれること」がいかに幸せか……という思いが込められている。
銀幕デビューから41年目で、初めて長編映画の“座長”を務めることになる渡辺だが、「映画はみんなで作り上げるものなので、座長とか主役とかではなく、俳優部の1人としてしっかりやっていきたいと思っています」と語り、クランクインに向けて静かに準備を進めている。そんな渡辺に対し、メガホンをとる浅沼監督は「渡辺哲さんの真骨頂は、強面の裏側にあるどこか憎めない、人間味溢れる愛嬌です。渡辺哲さんを最高に可愛く撮りたい」と意気込む。
黒澤組の「乱」以降、劇場公開映画は約130本、Vシネマは30本以上に出演。渡辺にとっては「あのイチロー選手でさえ4割打てなかったのだから、俺が4割打てないのは当たり前(笑)。失敗してもくよくよしない(笑)。とにかく俳優を続ける。そして、美味い酒が飲みたい」が俳優としての原動力だったという。
これだけ多くの現場を経験するなかで、あえて誰かに伝えたい、忘れられない現場での光景について聞くと、3点挙げてくれた。「(『ソナチネ』の撮影時)石垣島で北野武監督から『渡辺くん、沖縄民謡をちょっと歌って踊ってくれ、適当でいいから自分で作って』と言われ、リハーサル1回、本番1回でOKが出た時のスタッフからの拍手と歓声」「ガメラの撮影で死にかけたこと(笑)。ガメラの犠牲になるシーンでカットの声が聞こえず、ずっと水中だった」「黒澤明監督から『渡辺くん、宜しく頼むね』と言われた瞬間」。
作品タイトルに絡めて聞いてみた。渡辺がいま「おかえり」と伝えたい相手は誰なのかと。
「かみさん。長年の相棒には素直に言えるので」
「OKAERI My Dear Fool」は、2027年にクランクインを予定。
【作品情報】
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OKAERI My Dear Fool
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