“外務省のラスプーチン”と呼ばれた諜報のプロ・佐藤優が、その経験をもとに読者の悩みに答える!今回は、流産直後の元妻を責め立て離婚されたことを深く後悔する30歳男性からの相談。自分自身の未熟さに苦しむ相談者に対し、自身も離婚歴を持つ佐藤氏が示した「過去の因果」と向き合い未来を変えるための答えとは――
元妻を責め、離婚したことを後悔している
★相談者★元婿(ペンネーム)会社員30歳男性
4歳上の元妻とはマッチングアプリで出会い、4か月で結婚しました。私も元妻も創価学会員です。家事や農家での暮らし、地域や親戚との関係などにも未熟さがあり、元妻に精神的負担をかけたと思います。元妻は2度の流産を経験しました。そのとき、私はショックや怒り、自分の被害感情にのまれ、流産手術直後の病室で、弱っている元妻を責め立ててしまいました。その後、妻から離婚を告げられました。
私は後悔しています。復縁したい気持ちもあります。しかし同時に、あのときの自分のままでは、また相手を傷つけるかもしれないとも感じています。現在は、婿入りを機に転職した今の職場で(元妻の了承を得て)働きながら、一人暮らしをしています。唱題を続け、自分自身を見つめ直していますが、本当の意味で人の痛みを理解できるようになるには、どうしたらよいでしょうか。
佐藤優の回答
人生には、いろいろな出来事があります。私にも離婚歴がありますが、双方に反省すべき点があったと思います。あなたは自分の未熟さを自覚し、十分に反省しています。しかし、いくら反省しても、起きてしまった事実は事実として残ります。因果の法はいかなる状況においても作用します。現在、あなたが置かれている状況は、過去のさまざまな因果の連鎖によって生じています。ですから、それについて嘆いたり、自暴自棄になったりしても事態は変化しません。重要なのは、現在のあなたのあり方を変えていくことです。現在が因となり、未来の果が変わっていきます。
あなたは創価学会員ですので、池田大作第3代会長の著作を読んで考えてみることをお勧めします。
〈信心の力、題目の力は無限です。人間が、だれでももっている「希望の力」を無限大に拡大し、増幅する力が、題目にはあるのです。/だから、仏法の信仰とは、ひ弱な「心の慰め」ではない。自分で、挑戦すべき「山」をつくり、「山」を乗り越え、また次の「山」をつくって乗り越えていく。乗り越えるたびに、もっと強く、もっと大きな自分へと人間革命していく。/「夢への挑戦」が信仰なのです。〉(『希望対話』408頁)
過去を反省したうえで、あなたが希望に向かって進んでいくことが重要です。仕事に一生懸命打ち込むとともに、新しい出会いについても積極的に考えていくことです。端緒はマッチングアプリで知り合うことでも構いません。しかし、それですぐに結婚を決めるのではなく、前回よりは長い期間、交際したほうがよいと思います。
また、相手が創価学会員ならば問題ありませんが、そうでない場合は、相手が少なくとも創価学会を敵視していないことが重要になります。異性として魅力があっても、基本的価値観が対立する状況で円満な家庭生活を営むことはできません。
特に重要なのが子供への宗教教育です。将来、子供ができた場合、あなたが創価学会の信心について子供に教えることに配偶者が反対しないという了解を取りつけておくことをお勧めします。
いずれにせよ、この相談をした時点で、あなたの生命は鍛えられています。池田氏は、〈いちばん大事なのは、「いい人間」になることです。「強い生命」になることです。「慈愛にあふれた自分自身」になることです〉(前掲書、375頁)と述べています。前向きな発想を持ち、あなた自身が変わっていくことが重要になります。その積み重ねが、必ず幸福に繋がります。
★今週の教訓……現在が「因」となり未来の「果」が変わる
※今週の参考文献『希望対話21世紀を生きる君たちへ』池田大作聖教新聞社
【佐藤優】
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
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