都市の中にぽっかり空き地や空き家が増え、街がスカスカになっていく「都市のスポンジ化」。全国の自治体が手をこまねくなか、圧倒的な本気度で成果を叩き出しているのが兵庫県神戸市だ。
【画像】空き家数と空き家率の推移
かつて1988年時点では全国平均よりも高かった空き家率を、2023年には平均並みにまで押し戻した。その背景には、全国トップクラスの予算規模と、本気度が高い施策があった。
■「最大500万円+建築家」を投入する圧倒的な手厚さ
神戸市の本気度が一番わかるのが、「使える空き家」への対策だ。
2015年に相談窓口を立ち上げ、2018年には空き家・空き地を活用したい所有者と、地域活動に使いたい人をつなぐマッチングをスタート。ここまでは他の自治体でも見かけるが、神戸市はさらにその先へ突き抜ける。
なんと、プロの建築家を改修設計に入れたうえで「最大500万円」という破格の補助金を投入。単に活用できるように直すレベルではなく、建築家のセンスを注ぎ込んで「誰もが立ち寄りたくなるカフェ」や「おしゃれなコミュニティ拠点」へと劇的に生まれ変わらせている。
■「危ない空き家」はしっかり行政指導
一方で、放置された「危ない空き家」に対する姿勢も本気そのものだ。
近隣に迷惑をかけるおそれがある空き家への粘り強い行政指導にとどまらず、全国初の空き家対策特命チームによる所有者不明空き家の解消にも取り組む。
さらには、所有者による老朽化した空き家の早期解体を促す補助金も充実。街の安全や魅力を損なう空き家を放置しない姿勢が徹底している。
■利益度外視の「古材ストックヤード」という文化づくり
さらに圧巻なのが、空き家を壊した際に出てくる古い木材を回収・保管して再利用する「古材ストックヤード」の取り組みだ。
これはビジネスとしての利益を狙ったものではない。解体された家の歴史や質の高い古材の価値を市民に知ってもらい、「古いものを大切にして循環させる文化」を街に根付かせることをゴールに掲げている。
■「なんか神戸っておしゃれ」を裏で支えるもの
なんとなく感じている「神戸って洗練されていて、街のイメージがいいよね」という感覚。それは決して偶然の産物ではない。
危険な廃屋にしっかり対処し、空き家を魅力的な空間に生まれ変わらせる。街の価値を落とさないための「本気の取り組み」が続けられているからこそ、神戸という街には今も「なんかおしゃれ」なイメージが根付いているのかもしれない。
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